マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

外壁タイルの試し焼き

3月着工の外壁タイル物件では、2月の中旬が外壁タイルを決める段階となります。

これまでもお伝えしたように、試し焼きを何回か行って、一番現状に近いタイル案を管理組合さんに確認していただきます。

しかし、過去にはタイルメーカー1社で進めて、タイムリミットまでに合格ラインに達する試し焼き案が出てこない場合がありました。

そのため、現在では、複数のタイルメーカーに試し焼きをお願いしています。

又、設計事務所のタイル案の確認は一人で行わず、必ず複数で行うようにしています。

確認を行う時も正面だけではなく、ナナメからも見るようにしています。

写真の様に正面から見ただけでは、全ての案が同じように見えても、ナナメから見るとA案は薄く見えます。

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今春着工の工事説明会が始まりました。

まだ、2月8日さっぽろ雪まつりの期間中ですが、本日、3月から着工する工事説明会が行われました。

今年の大規模修繕工事の始まりです。

来週は金曜日夜に1件、土曜日に2件計3件、再来週は土曜日に1件と工事説明会が続きます。

全て、平日の夜か土曜日です。

以前は管理組合から「説明会は多くの人が集まることができる日曜日に開催してほしい」というの要望もありましたが、今では働き方改革の影響で施工会社の方で「日曜日はできません」と断ってきます。

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今は令和7年なのか?昭和100年なのか?その3

令和のマンションに対する考え方をSDGs的に言えばマンションをスクラップ&ビルドするのではなく「修繕積立金を適切に確保し、適切に建物の維持管理を行いマンションの資産価値と流通性を今後も保ち続ける。」ということになります。

そのために修繕積立金があると考えれば、工事費が上がったり工事内容が増えれば、それに応じての修繕積立金の値上げはやむをえないと思います。

修繕積立金が不足しているにもかかわらず、積立金額が低いまま、長い年月が過ぎると、修繕積立金値上げ幅はどんどん大きくなっていきます。

支払わなくてはならない工事金額の総計は積立金に関わらず変わらないのですから、後々、負担額が増え、辛くなるだけです。

昭和の流行歌の様に「そのうち何とかなるだろう」とはなりません。

修繕積立金が大幅に上がるのがどうしても嫌だという方は、現在の建物と土地の価値が上がった不動産プチバブルを機に、高値で売却されれば良いかと思います。

「今住んでいるマンションにこれからも資産価値を保ちながら住み続けたい」「資産価値を保ちながら次の世代に引き継ぎたい」という方の為に修繕積立金が上がることに不合理な理由をつけて反対するというかゴネないでもらいたいと思います。

修繕積立金が建設工事費の上昇に合わせて上がることは、許容の範囲内だと思いますが、いかがなもんでしょうか?

今は令和7年なのか?昭和100年なのか?その2

最近は浸透したのか、あまり聞かなくなりましたが令和はSDGsの時代です。

「SDGsとは、「持続可能な開発目標」のことです。

すべての人々にとってよりよい、より持続可能な未来を築くための青写真です。

誰一人置き去りにしないために、2030年までに各目標・ターゲットを達成することが重要です。」とインターネットで検索すると出てきます。

昭和の時代のスクラップ&ビルドのように築50〜60年位で建物を解体して、新しく立て直せば良いなんて考え方はとっくに過去のものとなっています。SDGs的に考えれば、マンションもいかに長持ちさせる。快適に使い続けていくか?というのがポイントになっていきます。

なぜなら、建物を解体した際のごみはすべて産業廃棄物となり再生するために分別処理が必要になり、そのコストは簡単に受け入れられない位大きなものになっています。

昭和的な考え方では「建物が新築から50〜60年経ったら解体にして更地にし、解体費用と地代をツーペーして余ったお金を組合員みんなで山分けにして組合を解散する」と思っていると思います。

つまり、古くなった建物を解体すれば、全組合員にいくばくかのお金が残りハッピーエンドで終わることができると。考えているのではないでしょうか?

そんな昭和時代の常識を実現ことができるのは、札幌市内でも地代が高く流通性に優れ、敷地に対する容積が余っていて、新たに分譲した部分を不足する工事費に補填できるごく一部の地域に限られた話です。ほとんどの建物は、地代だけでは、解体費用が足りなくなります。

原因は、解体費が急騰したことです。

建築工事費もリーマンショック直後に比べると2倍になっています。

まして、分譲マンションの建て替えは、夢の又夢となり、全国的に全く進んでいないというのが現実です。

新築費用も昔の坪40〜50万円なんかではとてもできず、解体費を入れると坪80万円〜100万円は超える金額です。

札幌市内の超一等地以外に建つほとんどマンションでは解体費用が土地代を大きく上回り、組合員はかなりの追い銭をしないと建物解体と組合の解散すらできません。


今は令和7年なのか?昭和100年なのか?(その1)

昨今、マスコミをにぎわしている某テレビ局の問題ですが、記者会見の報道を見ていると渦中のテレビ局の中は、まだバブル期の昭和が続いていて、今は令和7年ではなく、まるで昭和100年のように感じます。

それは、自分たちの外で何が起きていても、我関せずでやり過ごす。

やがて昭和の時代のような国民の忘却と予定調和が訪れる。

「そのうち何とかなるさ」と確信しているような印象を受けました。

実は、管理組合の中には、「その発想、昭和何年なの?」と感じる組合員さんもいて、マンションを将来的にどのように維持していくかは、「そのうち何とかなるさ」と考えているようです。

現実には、問題が判明した時に適切に対応しないと将来危惧される大きな問題が現実のものとなってしまいます。多分「そのうち何とかなるさ」とはなりません。

「今、何とかしておかないと、近い将来とても困ったことになる」のは避けたいですね。

例えば長期修繕計画書を作り、積立金の不足を指摘すると、「修繕積立金をそんなに上げるくらいなら、大規模修繕なんかやめて建て替えを検討したらどうか?」とか無責任な発言が出ます。

「そもそも、マンションの建替えと大規模修繕のコスト比較をしたのか?」と言い出す方が理事さんもいます。

古臭い体質と言われる建築業界でさえ、昭和の常識だった「建物はスクラップ&ビルドするもの」は、はるか昔のファンタジーとなっています。
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