マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

新型コロナウイルスのため、工事説明会延期

4月から大規模修繕工事を着工するマンションの工事説明会を3月7日に予定しておりましたが、新型コロナウイルスの蔓延を危惧した施工会社から説明会の延期の提案を受けました。

北海道はなぜか今日現在、新型コロナウイルスの感染者数が全国トップです。

まだ、感染のメカニズムが解明されていないこともありますが、多くの人が一同に集まることだけでも感染リスクがかなり高くなります。

道内の公立の小中学校も明日から全面休校ということもあり、致し方ない状況です。

ただし、今週末に実施予定の別のマンションの工事説明会は、会場の都合もあり、変更はできない様です。

早期の収束を願います。

工事予算不足にならない様に

工事予算を立てる際に前回の工事費が全くあてにならない事例が増えています。

多くの管理組合、特にこれまで大規模修繕工事を行ったことがある管理組合と工事費について打合せをしていると
必ず、「前回の工事費は1戸あたり〇〇万円だったから、今回もそれ位だろう」というお話をされ予算の検討を行う方がいます。

ここでちょっと待って頂きたいのですが、大規模修繕の工事費は言わば「時価」という事を思い出して頂きたいのです。

わかりやすく言えば、大規模修繕工事に関わらず、工事費は工事供給量と工事費需要に基づく「市場価格」で決まります。

工事の供給量が変わらず、工事需要が増えれば工事費は上がります。

工事の供給量が減れば工事量は変わらなくても工事費は上がります。

実は今は、工事を行う人(職人さん)の高齢化や働き方改革で工事の供給量は減っていますし、逆に大規模修繕工事の量は増えています。

そのため、工事価格は10〜12年前に比べると大きく上がっています。

特に問題なのは、工事を行う人(職人さん)の高齢化による供給量の減少、それに伴う工事費の上昇傾向が今後もしばらく続くということです。

このような状況の中で、前回工事費を基に今回の工事予算を立てると、予算を大きく上廻る見積ばかりとなってしまいます。

工事予算不足に陥らない為には、国土交通省も指摘しているように5年ごとに長期修繕計画の工事費の見直しを行う必要があります。

工事説明会に向けて

2月末から3月上旬に掛けて、春着工の大規模修繕工事が着工されます。

今の時期は、各現場の説明会資料の確認を管理組合と共に行っております。

どの施工会社も毎年何件も大規模修繕工事を行っているのですから、今更チェックや修正は無いかと思われます。

しかし、そのマンションごとの事情に合わせますので、どうしても説明会資料の手直しが発生します。

今年を例に取ると、各戸のバルコニーに鉄製のトランクルームが設置されており、塗装、床防水の工事範囲に含まれる。

駐車場の大規模な補修に合わせ、駐車区画を含めた大々的な見直しを行う。

建物に接して駐車場が多数あるにも関わらず、近隣に代替え駐車場がなかなか確保できない。

このような事情に合わせて、説明会資料、配布資料を見直ししていきます。

まず、施工会社が原案を作り、設計事務所が居住者の目線からチェックを行い、組合の皆様と再度居住者の目線でチェックを行います。

優秀な施工会社でもチェック、修正で説明会前に1回打合せが必要ですし、少々手が掛かると更に複数会打合せをお願いする事に成ります。

又、このうち合わせに合わせて、外壁タイルの試し焼きの確認を進めます。

なぜ、長期修繕計画の工事費よりも実際の工事費が高いのか?(その2)

2008年のリーマンショック以降大規模修繕工事費の値崩れが起きた理由ですが仕事が無くなった大手の総合建設会社が大規模修繕工事に参入してきました。

実績も経験もない大手の総合建設会社がとにかく受注したい一心で驚くような安値で見積金額を出してきたためです。

しかしながらネームバリューのある大手の建設会社の見積ですから、発注する組合も少なくなく、いつの間にかそれまでの工事の7割位での工事費が相場となってしまいました。

なぜ、安い工事費の見積となったかと言えば、総合建設業者にとって大規模修繕工事は新築工事に比べれば簡単に見え、自分達でもできると思ったのだと思います。

屋上防水と外壁工事(タイルと塗装工事)、シーリング工事くらいしかないと考え、新築工事が出来れば大規模修繕工事はできると思ったようです。

ところが実際は、大規模修繕工事が出来れば新築工事はできますが、新築工事が出来ても大規模修繕工事はできないのです。

その理由は、大規模修繕工事は人が住みながらの工事であるためです。

大規模修繕工事は工事優先ではないのです。

人が住みながらの工事は、居住者に気も使いますし手間が掛かります。

大規模修繕工事費は新築工事に比べるとおのずから割高になります。

総合建設業者にとっては、新築工事に比べるともうからない工事です。

そのため、新築工事需要が上向くに連れ新築工事中心の総合建設業者は大規模修繕工事から徐々に撤退していきました。

簡単にまとめますと2008年のリーマンショック後に大規模修繕工事費は7割程度まで大きく下がり、その後工事費は元に戻ったため、

下がった工事費を基に長期修繕計画をたてている管理組合は積立金不足に見舞われています。

また、リーマンショック後マンションが売れなくなったために、専有面積を増やしたり、バルコニーを全戸に付けたり、マンションの形状も大型化、複雑化といった工夫を行いました。

マンションの大型化、形状の複雑化は大規模修繕工事の施工範囲が多く大規模修繕工事費を押し上げる大きな原因となっています。

なぜ、長期修繕計画の工事費よりも実際の工事費が高いのか?(その1)

世の中、コロナウイルスの話題で持ち切りですが、実際はインフルエンザの方が死者が多く怖い様です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55312830W0A200C2000000/

もっとも、手洗い、マスクといったコロナウイルス対策はインフルエンザ対策にも有効で、今年のインフルエンザのり患数は例年になく少ないとのことです。

https://www.fnn.jp/posts/00050186HDK/202002072005_livenewsit_HDK

「事実よりも話題が優先されそれしか目に入らなくなる傾向」は大規模修繕工事でも見られます。

現在、大規模修繕工事も工事費の上昇による修繕積立金不足が問題となっていますが、それ以前に修繕積立金がなぜ不足してしまうのかと言うところに目を向けてもらえません。

今、1回目の大規模修繕工事が必要となるマンションが建てられた頃、大体12年前の2008年に何があったを思い出してください。

https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_general-10bignews2008

リーマンショックが起こり、株価は最安値になりました。

こうなると、大きな影響を受けるのが建設業界です。

新築工事が一気に無くなり、倒産する会社も出てきました。

マンション大規模修繕工事の原資は修繕積立金ですからリーマンショックの影響はありませんでした。

そのため新築を主に行っていた大手の総合建設業社が一気に大規模修繕工事になだれ込んで来たのです。

結果として、工事費の値崩れが起きてしまいました。

実績も経験もない大手の総合建設会社がとにかく受注したい一心で驚くような安値で見積金額を出してきたためです。
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