マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

管理組合の仮設足場解体前検査

土曜日に管理組合の仮設足場解体前検査を行いました。

参加者された組合の方は、理事長と理事1名の計2名でした。

検査日が3連休の中日になってしまい、ほかの理事の皆様の都合が付かなかったのでしょう。

特に指摘事項も無く、工事内容の詳しい説明、今後の工事の予定が主な内容でした。

しかしながら、張り切って社内検査を行った施工会社の担当者は少し寂しそうでした。

札幌は来週から、気温が下がります。

塗装やウレタン防水の工事には、適さない気温(5度C未満)になる前に大方の工事が終わりそうで安心しております。

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大規模修繕工事が大ピンチ その1

大規模修繕工事を前提として建物調査診断を行なっていますが、概算工事費の説明をすると多くの管理組合の理事からため息が出てきます。

こんなに工事費がかかるのか?とてもじゃないが、今の積立金残高では払えない。

長期修繕計画書の予算の2倍位掛かることになる。何か間違っていないか?

このままでは予定通りに大規模修繕工事ができない。どうにかならないか?

こんな反応が多いです。

前回の大規模修繕工事費を基準とした長期修繕計画を基に資金計画を組んでいるのであれば、このような結果になってしまうのは、ある意味仕方がないのかもしれません。

やはり5年ごとに長期修繕計画の見直しを行わないと大規模修繕工事の的確な資金計画が立てられない時代となっています。

長期修繕計画の見直しをしても中には、委託費が安くなるという理由で10年以上前の前回の工事費をそのまま持ってきている計画書をたまに見ることがあります。

これでは、長期修繕計画書を見直しをする意味がありません。

間違いなく、概算工事費が長期修繕計画上の工事費を大きく上回り、冒頭のような結果となってしまいます。

長期修繕計画の見直しをするなら、多少業務費が高くなっても工事費は最近の工事単価に入れ替えを行なってください。



調査でこんなに歩くとは

先週の水曜から土曜日に札幌市内の大型マンションの調査がありました。

連棟式のマンションで建物が細長く繋がっています。

建物のバルコニー面からエントランスの面に行こうとすると、建物を半周しなくてはなりません。

1日に何回もバルコニー面とエントランスの面を行き来していました。

調査を行った木曜、金曜、土曜日は、1日で2万歩、1万2千歩、1万歩以上歩きました。

道理で疲れるはずです。

健康になってしまいます。

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設計事務所のバルコニー検査の実際

先日、ご紹介した施工会社が自主検査をちゃんと行っていたマンションの設計事務所検査を行いました。

意外なことに、新たなチェックテープがたくさん付きました。

施工会社の現場監督と設計事務所の工事監理者では見るところが違うようです。

雨天が続いたので、ウレタン防水が固まる前に雨に打たれた跡がたくさんありました。

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なぜ、塩漬け物件が増えるのか?

最大の原因はここ2〜3年の大規模修繕工事費の急激な高騰があげられます。それと前回の大規模修繕工事費が極端に低かったマンションという2つの要因が重なった場合に発生しています。

前回の大規模修繕工事は修繕周期を12年とすると2011年、15年とすると2008年です。

2008年と言えば、リーマンショックが発生した年で、その後数年間、建設業界は突然の工事の中止、延期、大幅縮小で大混乱となりました.

多くの施工会社、設計事務所が倒産してしまいました。

その中で、リーマンショックの影響を受けることなく、比較的に堅調に発注が行われた数少ない分野が、マンション大規模修繕工事です。

そのため、予定をしていた仕事を失った施工会社、特に総合建設業つまりゼネコンが雪崩を打った様にマンション大規模修繕工事に参入してきました。

とにかく受注をして工事を行わないと、自社、協力会社共に倒産の危機にあったため、設計事務所が驚くような安価な見積が提出され、いわゆるダンピング合戦となりました。

施工会社の公募を行えば、80程度のマンションでも10社以上、100戸を超えると15社以上からの応募が日常化していました。

設計事務所は公募に際し大規模修繕工事の実績数の条件を付けましたが、そのようなものは、全く無視されとにかく応募する施工会社が続出しました。

中には、一部上場の大手の施工会社もあり、分譲マンションの大規模修繕工事の施工実績が皆無であると設計事務所が反対しても、管理組合がとりあえず見積だけでも取りたいとなりました。

設計事務所の概算工事費を大きく下回るダンピングを疑われる見積金額が出てきても、大手だから大丈夫、設計事務所が付いているから大丈夫となり、契約と言う例もありました。

工事は分譲マンションの大規模修繕工事の経験がないため大変でした。

工事費が設計事務所の概算の70%以下でも契約した例もあると聞いています。

一体、どんな工事となったのか心配です。

この様にこの頃にマンション大規模修繕工事を行ったマンションでは、長期修繕計画書の工事費の見直しをしない限り、極端に低い工事金額が、長期修繕計画書の工事費の基準となっています。

マンション大規模修繕工事費は徐々に上昇を続けていて、最安値の工事費の1.5倍〜2倍となっていてもおかしくはありません。

前回と同じ工事金額を想定していると、組合の皆様は、前回の工事が極端に低い工事金額とは思っていないため設計、事務所から提出される次回の工事概算金額を見て、たいへん驚くことになります。
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