マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

新築工事の忘れ物 実例

Dマンション

分譲会社 全国大手
設計・施工会社 全国大手

現象
大規模修繕時に仮設を掛けた
時に建物の上階でアルミサッシ枠と
水切り皿板に腐食が多数発見される

原因
腐食の原因はシーリングの
劣化による浸水と推察される
(分譲会社、施工会社の調査結果)

経緯
管理組合から分譲会社、施工会社に
文章にて申し入れを行う

経緯
分譲会社から委託された施工会社が
調査に訪れ、現状を確認

経緯
当初は経年劣化との回答があったが
管理組合は納得できない

経緯
事情に詳しい担当者に来てもらい
再度事情を説明して、調査を
おこなってもらう

経緯
分譲会社、施工会社のご好意に
よるご負担で、腐食箇所の補修
が行われる。

設計事務所としての感想

ごく、まれに同様の腐食が見られる
が広範囲での発生は珍しい

管理組合とのパイプ役の方の転勤も
あり対応の結論がでるまで、時間が
掛かり大規模修繕の工期が延びた

施工会社による居住者説明会の開催、
各戸への資料配布等の徹底により、
居住者からの不満は一切出ません
でした。

新築工事の忘れ物 実例

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Cマンション

分譲会社 道内企業
設計   道内設計事務所
施工会社 道内企業

現象
大規模修繕工事時の調査で
鉄筋のかぶり厚が不足している
部分が発見される

原因
施工時の不注意と推測できる

経緯
管理組合から分譲会社、施工会社に
文章にて申し入れを行う

経緯
分譲会社が調査に訪れ、現状を確認
してもらう

経緯
分譲会社から、実費負担の旨が
伝えられる

経緯
工事の期間に影響なく
補修が終了

設計事務所としての感想

分譲会社のすばやい対応に感心しました。
普段から管理組合と分譲会社の間に信頼
関係が出来ているためだと思います。

管理組合の誠意ある対応が分譲会社
の担当者を動かしたようです。

忘れ物 実例

Bマンション

分譲会社 道内企業
設計・施工会社 道内企業

現象
地下トランクルームに結露が発生
カビが収納物にも生える
築10年以上経過して問題が表面化

原因
換気装置、吸気装置ともに設置され
ている。原因は不明

経緯
管理組合から分譲会社、施工会社に
文章にて申し入れを行う

経緯
分譲会社が調査に訪れいろいろな原因
を推測したが、明快な答えが出ない
換気量、給気量は充分との調査結果

経緯
管理組合は、居住者からの要望を受けて
粘り強く交渉を行う

施工会社も結露の解決が最優先と
考えてくれる。

「好意として除湿機を2台設置します」
と回答を受ける

経緯
大型除湿機が無事設置される

設計事務所としての感想

結果として築10年以上問題点が
放置されたままであったため
分譲会社の対応は難しいと思われたが
無事に解決できて何よりでした。






新築工事の忘れ物 実例

2455fde6.JPG





Aマンション

平成5年、6年竣工
外壁塗装
分譲会社 全国展開大手
設計・施工会社 全国展開大手

現象
手摺根元の爆裂

原因
手摺支柱への凍害対策がされていない
同一敷地内に隣接する翌年竣工した建物
には凍害対策がされている

経緯
管理組合から分譲会社、施工会社に
文章にて申し入れを行う

経緯
施工会社からは、「当時はこの部分の凍害
は予見不可能であった」との回答

経緯
管理組合は納得できず何度か面談したが
施工会社「瑕疵(かし)は認めない」
理事長、修繕委員会が粘り強い交渉を行い

「好意として一部修繕を負担します」
と回答を受ける


経緯
工事が始まり、仮設足場が掛かり現地を
施工会社に確認してもらう
分譲会社を通して手摺根元の補修金額
の一部が大規模修繕を施工した会社に
支払われる。

設計事務所としての感想

根元の爆裂について調べると
平成4年頃は手摺の支柱の根元をコンク
リートに埋めると爆裂するということが
分かった時期でもあり以降、対策が
なされるようになった。

設計施工なので手摺根元の図面も
なく、施工ミスとはいえない。

管理組合と分譲会社から依頼された
施工会社との交渉の場に立ち会う。

前置き

今週は新築時の忘れものの実例
について書きますが諸般の事情もあり
マンション名とマンションが分かる
写真はできるだけ控えます。

また、分譲会社、施工会社を同業者と
して擁護する気はありませんが
一方的に非難することもできません。

管理組合の皆様におきましては分譲された
マンションを購入され、その建物に問題が
あったということですので全く皆様に一切
の落ち度がないことも承知しております。

ただ、分譲会社と施工会社のミスをあげて
揚げ足取りのようなことにはしたくないと
いうことです。

建設事業には、他の事業と同様莫大な資金
時間と膨大な数の人が関わっています。

他の事業(生産メーカー)との大きな違い
は、工場ではなく工事現場での単品生産が
基本ということです。

工場内で生産されるものは少なく天候、
気温といった環境に品質が大きく左右され
ますし、大量生産ではありませんので、
そのつど設計が行われます。

つまり、会社組織だけではなく、設計者と
現場監督の個人的な力量に品質が大きく
左右されます。

また、実際物を作る数多くの職人さんは
高度に専門化され、全ての生産過程を統括
管理するのは建設会社の現場監督だけです。

建設業界の構造的な問題なのでしょうが
分譲マンションでは、設計者が設計監理
(工事施工のチェック)する例は多く
ありません。

その全ての段階及び個人が、善良であり
準備万全であり、誠実であり、注意深い
ということはありえないと思っています。

またこれらは背景にある社会的な状況
(職人の供給量、工期、工事費)の中でも
ブレが生じるとも言えます。

木片のようにほんのちょっとした個人的な
ミスの結果が「新築工事の忘れ物」と
なって発見されていると考えます。

構造計算をごまかして鉄筋量を大きく減ら
した耐震偽装問題とは全く異質の問題です。

「ミスは必ず起きるもの」という建設産業
の現実から目をそむけ、パンフレットの
「万全な品質管理」といううたい文句が
「ミスはありえない」という幻想を購入者
に抱かせたトラブルかもしれません。
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