マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

新築工事の忘れ物 実例

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Aマンション

平成5年、6年竣工
外壁塗装
分譲会社 全国展開大手
設計・施工会社 全国展開大手

現象
手摺根元の爆裂

原因
手摺支柱への凍害対策がされていない
同一敷地内に隣接する翌年竣工した建物
には凍害対策がされている

経緯
管理組合から分譲会社、施工会社に
文章にて申し入れを行う

経緯
施工会社からは、「当時はこの部分の凍害
は予見不可能であった」との回答

経緯
管理組合は納得できず何度か面談したが
施工会社「瑕疵(かし)は認めない」
理事長、修繕委員会が粘り強い交渉を行い

「好意として一部修繕を負担します」
と回答を受ける


経緯
工事が始まり、仮設足場が掛かり現地を
施工会社に確認してもらう
分譲会社を通して手摺根元の補修金額
の一部が大規模修繕を施工した会社に
支払われる。

設計事務所としての感想

根元の爆裂について調べると
平成4年頃は手摺の支柱の根元をコンク
リートに埋めると爆裂するということが
分かった時期でもあり以降、対策が
なされるようになった。

設計施工なので手摺根元の図面も
なく、施工ミスとはいえない。

管理組合と分譲会社から依頼された
施工会社との交渉の場に立ち会う。

前置き

今週は新築時の忘れものの実例
について書きますが諸般の事情もあり
マンション名とマンションが分かる
写真はできるだけ控えます。

また、分譲会社、施工会社を同業者と
して擁護する気はありませんが
一方的に非難することもできません。

管理組合の皆様におきましては分譲された
マンションを購入され、その建物に問題が
あったということですので全く皆様に一切
の落ち度がないことも承知しております。

ただ、分譲会社と施工会社のミスをあげて
揚げ足取りのようなことにはしたくないと
いうことです。

建設事業には、他の事業と同様莫大な資金
時間と膨大な数の人が関わっています。

他の事業(生産メーカー)との大きな違い
は、工場ではなく工事現場での単品生産が
基本ということです。

工場内で生産されるものは少なく天候、
気温といった環境に品質が大きく左右され
ますし、大量生産ではありませんので、
そのつど設計が行われます。

つまり、会社組織だけではなく、設計者と
現場監督の個人的な力量に品質が大きく
左右されます。

また、実際物を作る数多くの職人さんは
高度に専門化され、全ての生産過程を統括
管理するのは建設会社の現場監督だけです。

建設業界の構造的な問題なのでしょうが
分譲マンションでは、設計者が設計監理
(工事施工のチェック)する例は多く
ありません。

その全ての段階及び個人が、善良であり
準備万全であり、誠実であり、注意深い
ということはありえないと思っています。

またこれらは背景にある社会的な状況
(職人の供給量、工期、工事費)の中でも
ブレが生じるとも言えます。

木片のようにほんのちょっとした個人的な
ミスの結果が「新築工事の忘れ物」と
なって発見されていると考えます。

構造計算をごまかして鉄筋量を大きく減ら
した耐震偽装問題とは全く異質の問題です。

「ミスは必ず起きるもの」という建設産業
の現実から目をそむけ、パンフレットの
「万全な品質管理」といううたい文句が
「ミスはありえない」という幻想を購入者
に抱かせたトラブルかもしれません。

昔の宮崎駿はすごかった

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高校一年生の時に「未来少年コナン」
というアニメで彼の名を知りました。

それまで、長靴をはいた猫、ルパン三世
空飛ぶ幽霊船で彼の作品は見ていました
が監督の名に着目したことはありません
でした。

今でこそ日本全国知らない人がほとんど
いない宮崎駿ですが未来少年コナンの
あとルパン三世カリオストロの城
(劇場アニメ)の監督を務めましたが興行的
には奮わず、しばらく冷遇され、思うような
作品が作れなかったようです。

私はこの2本とラピュタがそしてナウシカの
漫画が彼の最高ランクの作品と思っています。

写真のマニア向けの資料も買い漁り(高校
生には高かった)分かったことは

良い物を作るためには、作り手に過剰な
エネルギーが必要不可欠ということです。

彼の魅力の源泉はアニメーションでしか
表現できない動きにこだわり続けるだけ
ではなく、ストーリーを作り出すための
膨大な設定資料つくりと偏執狂的な
クオリティへのこだわりがありました。

プロの仕事とは、どのようなものなのか
といったことも学んだ気がします。

又いつの間にか悪役を含め登場人物
全てが善人になってしまうといった
矛盾した思いが伝わってくるところ
も魅力です。

トトロのヒットの影響かもののけ姫
以降の作品は以前の過剰なエネルギーと
矛盾した魅力がなくなった様に感じます。

やはり平和、環境問題といった予定調和的
なテーマに束縛されているような気がして
なりません。

新築工事の忘れ物 

どうすれば、お互いの信頼関係を失う前に
スムーズに建物の不良箇所を直すことが
できるのか?

出来れば「交渉ではなく、話し合いで解決」

少なくとも「争いではなく交渉で解決」

これは管理組合だけではなく、分譲会社
施工会社全てが望んでいることです。

そのための留意点は

1.相手を尊重し、高圧的な態度をとらない

2.「瑕疵(かし)」「手抜き工事」
 「保証対象外」といった相手の立場を
 否定する言葉は控える

3.区分所有者の不安、不満を的確に伝え
お願いすることのポイントを絞る

4.相手に非礼があった場合も許し、お互い
の目的達成のための共同作業の方向へ導く

5. スケジュールを建て見通しをつける

6.口頭ではなく、文章で伝え、文章で回答
 を頂く

7.技術的に分からないことコンサルタント
に相談する

一般的にコンサルタントに依頼すると
大きな費用が発生します。

私としても単独では歓迎できない業務です。
費用が発生すれば、成果を求められるから
です。

上記の留意がされず、お互いの信頼関係が
ない中で成果を求められても困ります。

大規模修繕の調査診断、設計中であれば、
できるだけの協力は惜しみません。

来週は、「新築工事の忘れ物」について
解決した例をお話します。

新築工事の忘れ物 

昨日お話したように瑕疵(かし)と
いう言葉は大変重く、分譲会社、施工
会社の関係者はその一言で氷つき
「瑕疵(かし)は認められない」
となります。

私が担当した物件で、分譲会社と
施工会社が「ご好意で不良箇所を直す」
ことはあっても「瑕疵を認めた」
ことはありません。

「瑕疵と認められなくても」建物が
直ればほとんどの管理組合は満足します。

しかし、建設事業には多くの人が
携わっており担当した分譲会社、建設
会社の技術者が悪いところを直したく
ともいろいろな事情で直すことが出来
ない場合もあります。

そうなると建物の不具合に関する
話し合いがなかなか進展しません。

分譲会社と施工会社の担当者が仕方なく
のらりくらりとした対応を行うと管理
組合の不満が募って行きます。

「瑕疵(かし)の責任は問わないから
悪いところを直してくれればいいよ」
と言っていた管理組合の態度も硬くなり

「建物の悪いところは直す」といった
前向きな話し合いのはずがいつの間にか
重たい交渉ごとになってしまいます。

交渉のためのスケジュールを立てます。

相手方の誰と交渉してゆくか
何時までに誰が何をするか
何時までに回答をいただくか

私たちにも、協力を要請されますが
本音を言えば、あまり気が進みません。

管理組合にとって交渉には莫大な時間と
労力が掛かりますが残される問題は
それだけではありません。

度重なる交渉の過程で管理組合の中には
「不信感」だけが蓄積してゆきます。

長い交渉の末、建物が直ったとしても
管理組合と分譲会社、施工会社の間に
あったはずの「信頼関係」はすっかり
失われます。

目前でだんだん信頼関係が失われてゆく
様子を見ることは非常に虚しいです。

「そういう、言い方はやめて・・」
と思っても声には出せません。

そうなる前に管理組合と分譲会社、
施工会社が協力して
「建物の悪いところは直そう」を前提に
話し合いを進めて欲しいと感じています。
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