マンション大規模修繕日記

2009年01月09日09:50

雪庇への対策

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雪庇の発生のメカニズムは
吹き溜まりと似ています。

数多くのメーカーから雪庇が
発生しないような製品が発売されています。

タイプ別に大きく分けると
①雪溜まりが出来ないように風を利用する
②雪庇が大きくなる前に自重で落下させる
③雪溜まりが出来ないように雪を溶かす
この3つの方法があります。

写真は①と②を合わせた方法の例です。
写真のように雪庇の発生予想箇所に設置し
します。

コストは1メーターあたり￥50.000～
￥100.000以上になります。

肝心の効果は・・・

週初めの写真は、大規模修繕工事に伴い
この装置を設置した、マンションの例です。

残念ながら、想定外の強風と大雪には
対処できませんでした。

高価なものですから、安易に設置せずに
試験的に一部に設置し、その建物の特性を
見極めてから全面的に設置したほうが
良いでしょう。

又、雪庇落しを頼んだ場合でも、マンション
の年間管理費の中で占める割合
が小さい場合は、雪庇が出来たら
落す予算を見込んでおくのも
ひとつの方法です。

2009年01月08日08:42

雪庇の被害

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雪庇を放置することによる
一番大きな被害は、落雪に
よる人的、物損の被害です。

添付写真のように駐車場の
車の上に落ちると屋根が凹みます。

車の所有者の方には申し訳ない
のですが、「車でよかった」です。

なぜなら、車は修理が出来ます。
保険に入っていれば、保険が利きます。

しかし、これが、人の上に落ちたことを
想像すると・・・・・

恐ろしい結果になりかねません。

良くて軽症、ひとつ間違えると入院の
大怪我、最悪の場合もありえます。

雪庇対策として確実な方法は
「雪庇が出来たら、すぐに落す」
しかありません。

落雪事故の責任は建物の管理者で
ある管理組合にあります。

雪庇は先延ばしにするとどんどん成長
してしまいます。

週初めの写真のように小さな雪庇も
気象条件によっては、たった1日で
大きく成長します。

安全対策に充分気を付けてこまめに
落としてください。

除雪業者に依頼する事をお勧め
します。

2009年01月07日09:34

雪庇の危険性

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この写真は昨日お話した
雪庇を落す前に写した写真です。

雪が少ない地域の方は、信じがたい
写真だと思います。

こんなに屋根から出てしまいます。
建物側からみても屋上に一面雪が
積っているので気がつきません。

マンションに限らず、戸建て住宅でも
雪庇を落すときは細心の注意を
してください。

このマンションでも毎年このような
雪庇ができるわけではありません。

なぜ、こんなに雪庇が伸びるのか
を推測すると

冬季間、搭屋の長手方向に平行に
一定方向の風が吹いている

このマンションの屋上には搭屋が
あり、搭屋で分断された風が合流
する位置で吹き溜まりとなる。

気温が低いとサラサラの雪となるが
気温が高く、湿気のある雪は固まり
やすい。

いくつかの気象条件が重なると
このように大きな雪庇が出来ます。

2009年01月06日09:19

雪庇を落す

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写真のように雪庇は吹雪きと共に成長し
2メートル近く屋根から飛び出します。

雪庇の直下が居住者の通路に隣接しており
危険性と緊急性が高く、前年に大規模修繕
を行った管理組合の理事長さんからＳＯＳ
の電話がありました。

前年に大規模修繕工事をした施工会社の
担当者と共に駆けつけたのですが・・・・

階段室から屋上へ出ようとしましたが、
屋上の扉の外側にも積雪が溜まり、凍結
していたため外に出られませんでした。

何とか、氷雪を割って外に出て雪庇を
落とす事が出来ました。

どれほど、緊急性が高くとも事前に自ら
の安全と直下部分の安全の確保を忘れ
ないでください。

昨年も札幌市内で雪庇を落とそうとした
管理員さんが屋上から転落する死亡事故
がありました。

自分には万が一の落下に備え命綱となる
ロープを付け雪庇の落下予想範囲には
コーンとバーで危険を明示し、安全員
をつけ、歩行者を誘導してください。

雪庇を落すときは、先端部よりかなり
手前からスコップと雪中に差して、
雪庇の先端部を探ってください。

又、直下の安全員とは携帯電話で連絡
を取りながら、落雪作業を行わないと
安全員さんが危険に巻き込まれます。

屋上の出入り口はいつでも屋上に
出られるように整備してください。

このマンションでは融雪マットを出入口
に設置しました。

2009年01月05日06:50

寒冷地に建つ建物の冬季間の問題

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今日から仕事始めです。
本年もよろしく御願いいたします。

今年も遅かった本格的な冬の訪れが
ついにやってきました。

寒冷地のマンションには、暖かい地域から
は想像が出来ないような寒冷地の冬季間
特有の問題がいくつか発生します。

写真のような雪庇（せっぴと読みます）が
代表的な例ですがこのほかにも、

共用廊下、階段の結露と凍結、落雪、
バルコニードレンの凍結と破損、専有部への
浸水、手摺支柱根元の破損、ポーチ・通路の
凍結、駐車場の除雪、堆雪場所の問題、
ロードティーティング・・・
と寒冷地特有の問題点はかなりの数が
あります。

直接的な死亡事故や車両等の物損事故の
原因だけではなく間接的な事故の遠因にも
なっています。

今日からその実例と原因そしてその対策を
お話してゆきます。

写真の雪庇は4年前のドカ雪つまり集中的な
積雪と強風が重なった時に発生したものです。

写真では分かりにくいかも知れませんが
雪庇の出は1メーター以上あります。

14階建てのマンションの屋上に発生したもの
です。