マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2009年06月

部分補修を行う上での注意

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建物に部分的な劣化が見つかったからと言ってすぐに部分補修をしなくてはならないかといえば、そうとは言い切れません。

部分補修を全ての場合に勧めるわけではありません。

いくつかのマンションでは、中規模修繕として、築7年目程度で部分的に補修するマンションもありますが、その修繕範囲の判断は難しいと思います。

写真のマンションンでは、外壁のひび割れをひび割れ巾に関係なく、Uカットシール工法で修繕していました。Uカットシール工法はひび割れ周囲のコンクリートごと削ってしまうため、補修部分の塗装の模様がなくなります。

Uカットシール工法は部分補修の費用と時間を減らすためには、有効ですが、大規模修繕時にその部分補修の手間と費用が増してしまいました。

また、中規模修繕から数年で写真のようにシーリングが変色してしまい、組合員を悲しませる結果となります。

全体修繕計画から独立した部分補修は、やめておいたほうが賢明です。

劣化の範囲

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建物に劣化が発生していても、それが建物の局所てきな部分(ごく一部)なのか建物全体なのかによって、部分補修なのか?大規模修繕を行うのか答えが違ってきますね。

建物が全体的に劣化している場合は大規模修繕を選択しますが、局所的に劣化が発生している場合は、部分補修を選択する場合もあります。

なぜ、局所的な劣化が発生するか?

建物は全て職人さんの手作りです。職人さんに指示を出すのは建設会社の現場監督さんです。

ちょっとお話しにくいのですが、どちらも、今日から仕事を始めた人もいれば、その道30年の大ベテランもいます。

人が作るものですから、両者にミスが全くないとは言えません。

局所的な劣化の多くはそのようなミスが原因の場合が多いのです。

例えば、鉄筋の位置を間違えたためにコンクリートの爆裂が起きた

壁タイルの貼る手順に間違いがありタイルが集中的に浮いている

どちらも、区分所有者の皆さんからすれば、許されないミスだと思います。

小さなミスまで含めるとミスのない建物はありません。

この施工上のミスの部分が局所的な劣化として早い次期に表面に出てきます。

新築工事も修繕工事も竣工後1.2年目の検査を行うのは、このようなミスがないかを判断するために行います。

木工家のブログ

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日本人に一番身近な素材といえばなんでしょうか?

たぶん木ではないかと思います。ほんの百年前まで、建物も家具もすべて木で作られていました。

では、木についてどれだけ知っていますか?

私自身、建築に関わるものとして、お恥ずかしいのですが詳しくはありません。

建築に関わるものが、木に詳しくなくても仕事が成り立ってしまう世の中です。


こんな中で、木とは何か?をひたすら考えている木工家がいます。

毎日毎日、木と向き合い、

どうすればその木が一番個性を発揮できるか

どうすれば、人から愛用され、新たな命を吹き込むことができるか

と考え続けています。

おそらく、私がマンション大規模修繕に関して考えている以上に木に関して考えています。

大学に在学中から、毎日、毎日 木と向き合っているからです。

30年近くも木と向き合って感じたこと、考えたこと、学んだことを何か形に残したい。そんな思いでブログをはじめました。

以前ホームページをご紹介しましたが、ホームページだけでは、お伝えできることがまったく足りません。

このブログにリンクしました。

まずは、ご紹介します。
http://kunimoto.cocolog-nifty.com/blog/

現場見学会の実施

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5月から着工した現場の組合理事、修繕委員向けの現場見学会を開催しました。

写真は屋上防水について、現場監督が説明している様子です。

実際に工事の場面を見て頂くと、工事に関する理解が大きく深まります。

図面や写真でいくら説明するよりも、どの様な材料をどの様に施工するのか

実物に勝るものはありません。


5月に中止となった移動足場を使用した現場の見学会を7月25日(土)午後2時から実施いたします。

申し込みはinfo@urbanp.co.jp まで
7/26現場見学会申し込みと明記の上メールにて申し込み願います。

劣化の発生程度

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建物の劣化と一口に言ってもその状態は軽度なものから重度なものまで様々です。

建物に発生するひび割れを例に挙げると、その巾は0.2ミリ未満の髪の毛程度の巾のヘヤラインクラックから巾が数ミリになるものまで様々です。

一般的には、巾0.2ミリ未満のひび割れは、コンクリートの劣化を促進させる水、空気を通さないといわれています。

そのため、調査段階でもひび割れの巾によって、その数量を分けて集計しています。

巾0.2ミリ未満

巾0.2ミリから1.0ミリ未満

巾1.0ミリ以上

この3種類に分けて集計します。

1.0ミリ以上は修繕方法が異なりますので、集計も分けます。

巾0.2ミリ以上のひび割れは放置しておくと、水、空気がひび割れを通ってコンクリートの内部に入り込み、コンクリートを劣化(中性化)させ、鉄筋を錆びさせます。

当たり前の事ですが、壁面の表面に巾の広いひび割れが多数ある建物の劣化の発生程度が「重度」であるといえます。

同じようなことが、屋上防水、コンクリートの爆裂や塗装の状況、シーリング、床防水にもいえます。

劣化が「ほとんどない」「軽度」「中度」「重度」を見極める必要があります。

建物の修繕時期 3

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漏水事故の危険性

屋上の防水層の破損だけではなく、外壁にある大きな巾のひび割れ、シーリングの劣化といったことが漏水事故の危険性となります。

多くのマンションの屋上防水で採用されているアスファルト防水は完成度が高くめったに漏水事故はありません。

屋上防水不具合の原因としては、写真のような排水ドレン周りの不具合が多いです。

この部分で、防水層が金属で出来た排水パイプの接続されるため、接続部分が劣化してしまうと、漏水が発生しやすくなるためです。

この部分を補修しても、漏水が止まらない場合は厄介です。

漏水事故の原因の特定が厄介となります。

とくに断熱防水といわれる、防水層の上に断熱材を敷きこんだタイプの屋上防水は、断熱材の下面を水が横に移動するため、漏水箇所と浸水口の位置が一致しません。

我々だけで手に負えず、防水の専門業者を呼んでも、浸水口が分からない場合もあります。

しかし、これだけではなく、特に寒冷地では結露が思わぬ大きな漏水の原因となります。

屋上防水不具合、排水ドレン周りの不具合シーリングのはがれを疑って対策を講じても効果が無い場合には、原因として結露も考えてください。

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建物の修繕時期

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昨日お話した中で、修繕時期を決定する3つの要素を順番にお話してゆきます。

1. 落下事故、漏水事故危険性

落下事故 写真のようなモルタル片が建物から落ちてくることがあります。

30年以上経った建物の場合は現在に比べると建築技術が未発達なため鉄筋コンクリートで壁面を作るときに型枠だけで、表面が平らにできないために、モルタルを表面に塗って平らに仕上げています。

経年劣化によりそのモルタルと、コンクリートの間に浮きが生じてしまい、落下が発生します。人だけではなく車にも甚大な被害が生じます。

壁面タイルのはがれによる落下も同様に危険です。

手すりの支柱の根元の爆裂

このような現象が見られた場合、「落下の危険性がある」と判断される部分です。

また、修繕履歴をつけている管理組合は多いですが、できれば建物管理履歴もつけると過去にどれくらいの頻度でこのような建物からの落下物があったのかが、わかるようになります。

建物の修繕時期

管理組合さんからの質問の中で多いのが、建物の劣化程度と修繕時期を知りたいということです。

すぐに答えは出せません。

どんな建物でも、新築直後から劣化は始まります。

外壁にひび割れのない建物はないですし、浮きがないタイルの建物もありません。

建物の修繕時期をどのように判断するかはとても難しい問題です。

一般的に築12年目を一つの目安としていますが。12年より短い時点で修繕を行う場合がありますし15年以上経ってから実施する場合もあります。

建物の劣化状態に合わせて修繕時期を判断することが大切です。

修繕を行わずに建物を放置した場合に劣化が加速すると判断した時点が修繕時期です。

大まかな目安としては

1.建物の劣化による落下事故や漏水事故の危険性がある場合

2.建物の維持に重大な影響のある劣化が見られた場合

3.部分的な劣化ではなく建物全体の劣化が見られた場合

この3点を総合的に判断して修繕時期を判断します。

しかし、調査診断のためには多額の費用が必要になりますので、予算措置が必要になります。例え簡易診断と言っても費用が必要です。

ということは、建物診断の前年には、予算措置を行う必要があります。

マンション大規模修繕という不思議な仕事 2

コンサルタントという言葉に、アレルギー反応のある人達がいます。

どうも怪しい・・・口ばかりで何もしてくれない、金だけは人並み以上に請求する。

実は私もそう感じるひとりです。学生時代の友人からは「名刺のコンサルの肩書きには要注意」と言われております。世の中あまりにもコンサルを名乗る人が多いのかもしれません。

そのせいもあって自分から「マンション大規模修繕コンサルタント」とは自分から名乗り難いのですが・・・

現実は、管理組合と相談しながら仕事を進めない限り大規模修繕はうまくは行きません。

新築のように、「まっさらな土地に自分の思い描いた空間を作る」仕事ではないからです。

私たちに取っては、設計と施工から少なくとも10年以上たった建物を今後どうするのが管理組合(オーナー)にとってベストなのかを管理組合と共に考える仕事です。

しかも新築の建物のようにワンオーナーではなく、オーナーが集まって管理組合を作っています。

建設関係以外の方には、信じがたいことでしょうけど、設計者の中には「自分の作品を作りたい」という考えを持った人も少なからずいます。そのような人からマンション大規模修繕はつまらない仕事に見えるかもしれません。

ここまで書くと、大変なだけで報われない仕事のように見えますが、工事が終了すると新築の建物の竣工と同じように、いやそれ以上の喜びがあります。感謝状を頂いたり、完成のパーティもあります。

何より、お客様のうれしい笑顔を見ることが出来ます。しかも、ワンオーナーではひとりですが、管理組合の仕事ですと、何十倍もの人の笑顔を見られます。

ちなみにこちらが会社のHPです。

http://www.urbanp.co.jp/
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