マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2010年01月

i-phoneに教えられました

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大阪出張に行ったときのことです。

訪問先へ向かう途中約束の時間ぎりぎりであったため、タクシーに乗りました。

運転手さんに行き先を告げ、運転手さんはカーナビに行き先を入力して走り出しました。

訪問先に近づいたら誘導しようとi-phoneのマップを見ていましたが、なぜか一向に訪問先に近づかないのです。

いつの間にか訪問先とは、まったく別の方向に走っているのです。

5分も走れば着くはずでしたので、いったんタクシーを止めて確認したところタクシーのカーナビが壊れているようでした。

仕方がないのでタクシーをi-phoneのマップで誘導し約束の時間に何とか訪問先に伺うことができました。

もしも、i-phoneを持っていなかったら・・・・

初めての土地で迷子になり、約束の時間に間に合わないところでした。

また、資料写真を撮るときにデジカメを忘れてしまいました。

i-phoneのカメラで何とか間にあわせることができました。

これらのことはGPS機能のついた携帯電話ならi-phoneに限らずできることだと思います。

でも、「使いにくさ」「マニュアルを読むめんどくささ」があり、私は以前持っていた携帯電話を使いこなすことができませんでした。

「わかりやすいこと」「使いやすいこと」がないといくら高性能の機能がついていても、結局は使われないことがよくわかりました。

これからの仕事に「わかりやすいこと」「使いやすいこと」を取り入れてゆきます。

大阪からの帰りに・・・

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大阪で2つのマンションを見学しました。

ひとつは昨日お話した震災復興後のマンション

もうひとつは築35年になる府内のマンションです。

こちらは手入れが行き届いています。

築年数に比べても新しく感じます。

管理組合の方々の努力と熱意を深く感じました。

ただし、以前も別のマンションで書きましたが、外部に使われている鉄部を今後どうやって維持してゆくかが問題です。

錆びない材料に変えてゆくことが解決策のひとつなのですが・・・

屋外鉄骨階段のように大規模なもの
鉄扉のように数が多いもの

いずれも多額の費用が掛かります。


さて、どうしたものかと思っていたところに社長から電話が入りました。

「新幹線が止まっている」

情報収集をするにも、JRの駅、会社、みどりの窓口の電話番号がインターネット上に一切記載されていません。

やがて午後5時過ぎに復旧したニュースが入って来ましたが、状況はさっぱりわかりません。

大阪駅のみどりの窓口でたずねても、東京行きの新幹線が大幅に遅れていることはわかってもJR東海の管轄なので新大阪まで行かないと詳しいことがわからないそうです。

結局新大阪に行き、何とか新幹線に乗ることができました。

午後8時半すぎの「のぞみ」に乗って、品川に着いたのが12時近くになっていました。






震災復興後のマンションが大規模の時期に来ています。

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大阪に出張しております。

今月で阪神大震災から15年が経ちました。

震災後に復興したマンションの多くがが大規模修繕の時期にさしかかっています。

機会があり、そのマンションのひとつを見学してきました。

建物を失った管理組合の方が苦労に苦労を重ねて復興したマンションです。

見学した建物は1997年竣工ですから築13年目です。

復興したマンションの管理組合の方は「自分たちのマンションは自分たちで守る」ことを実践された方です。

建て替えにまつわるさまざまな困難を克服し建てたマンションですから建物に関する思いはとても深いものがあるはずです。

設計事務所は建築に関する技術者というよりは、コンサルタントとしてその思いに答えてゆかねばと感じました。














耐震診断の実際

いくつかの管理組合から耐震改修についての質問を受けています。

私もいろいろなセミナーに参加するだけではなく、構造設計事務所を打ち合わせをしています。

なかなか書きにくいのですが、構造設計事務所はマンションの耐震診断や耐震設計をやりたがりません。

その理由は、計画倒れになる可能性が高い・・・

つまり、管理組合に提示した耐震診断、耐震設計、耐震補強工事の費用を見ると計画が頓挫してしまうとこぼすのです。

マンション大規模修繕であれば、築年数、戸数と現地を簡易診断すると誤差が3割前後の工事費をお伝えすることができます。

調査診断を行えば、1割5分前後の誤差、設計を行えば1割をきるぐらいの誤差で工事費のめどが立ちます。

その理由は、会社には200棟以上建物の大規模修繕工事費のバックデータがあるために一戸あたりの工事費が誤差を少なく出せます。

しかし、耐震改修は耐震診断時に綿密な構造計算を行わないと工事費のめどが立たないのです。

建物の形状や築年数、戸数、調査現地だけでは、おおよその工事金額はまったくわかりません。2倍、3倍になることや半分、3分の1になる可能性もあります。

管理組合としては、組合員に対して耐震改修工事について広報するためにできるだけ早い時期に工事の予算を明確化したいという希望があります。

「耐震診断をやってみないと一体どの程度費用がかかるのかわからない」

「費用が積立金の範囲内で納まるかどうかわからない」

「決して安くない金額をかけて耐震診断を行った結果、構造上の問題がわかると結果としてマンションの資産価値が下がる」

これでは、管理組合は耐震問題の解決を先送りしてしまいます。

管理組合の物事の進め方と構造設計のの耐震設計の進め方がうまくかみ合っていないのが、一番の原因です。

耐震診断を困難にするもの

もし、あなたのマンションが耐震の面で不安になって、耐震診断を実施したとします。

万が一耐震性に問題ありと言う評価が出てしまったとします。

耐震診断の閣下に基づき耐震改修を行った場合に、予想を超える費用が掛かることが判明し、資金が貯まるまで工事を先延ばしにした場合あなたのマンションの評価はどうなると思いますか?

残念ながらおそらく資産価値は下がってしまいます。

耐震診断を行ったこととその結果は重要事項で説明しなくてはなりません。

これを防ぐためには、あらかじめ余裕のある工事予算を確保しなくてはなりません

しかし、耐震診断を受けずに放置しておくことを選択してしまう管理組合も少なくないでしょう。

耐震診断の費用は、新築時の構造計算書がない場合は、構造検討費用がこれから新しく設計する新築建物並みに掛かることがあります。百万単位の金額が掛かります。

さらに構造計算書と構造図がない場合は悲惨です。

一体どれほどの金額が掛かるか・・・想像できません。



耐震改修の問題点

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マンションの耐震改修で一番問題となるのは、建物を耐震的に補強する要素(耐震壁や柱、梁の補強)をどこに入れるかの制限が大きいことです。

簡単に説明しますと地震の力は建物に対して水平に掛かります。

その水平に掛かる力を建物のどの部分で受けるかと言えば、多くは壁や筋交いで受けることになります。

耐震補強で建物に後から筋交いを入れると写真のような形になります。

しかしマンションは東面、南面、西面のいずれかの居間を設けます。

居間の前には大きな窓をつけます。

この大きな窓があるために建物が地震に対して弱くなっています。

この窓がある部分を補強するには、コンクリート製もしくは鉄骨製の筋交いが必要になります。

しかし、居間の前にコンクリートや鉄骨でできた筋交いがあったら皆さんはどう思いますか?

大変うっとうしいですよね。

また、構造計算をした結果、自分の家の前には筋交いが入るけど、両隣には入らなかったらどうしますか?

納得できませんよね。

筋交いを入れるだけでは、足りずに柱や梁に炭素繊維または鉄板を巻くと専有部である部屋の内装を壊さなくてはなりません。

工事中はとても生活できません。

その中で生活している家族は一体どこへ行けば良いのか・・・

事務所ビルや商業施設に比べるとマンションの耐震改修が進まない理由はこんなところにあります。








耐震問題

土曜日のセミナーの中でマンションの耐震化が大きなウエイトを占めていました。

関東地方ではきたるべく震災を意識していましたが、阪神淡路の大震災の惨状を目の当たりにし、また姉歯の耐震偽装問題もあり、常にマンション管理組合の大きな関心を集めています。

一方札幌では、姉歯事件の直後はあれほど、管理組合の関心を集めていた耐震問題が現在ではまったく関心がもたれていないという現状があります。

地震の頻度は各地によって大きな隔たりがありますが、マンションの安全、安心を保つためには、避けることができない問題のひとつです。

ただ、セミナーの中でもお話がありましたが、新耐震基準以前に建てられたの建物の耐震改修のためには、公的な援助が必要です。

昨日のセミナー

昨日は、マンション計画修繕の施工協議会のセミナーに参加しました。

テーマは管理費等分別管理の政令改正について

これからのマンション改修工事

管理組合の施工管理チェックマニュアルの活用

マンション大規模修繕の融資制度です。

他団体のセミナーに参加すると、それぞれの良いところ、参考になるところに気づかされます。

4月のセミナーの参考にすべき部分がたくさんありました。

これも亜鉛めっきです

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皆さんのマンションのバルコニーにある縦といの多くが亜鉛めっきの鋼管を使っています。

塗装との密着(くっつき)がいまひとつ良くないため、写真のような状態になります。

写真のように亜鉛めっきされた部材は塗装がはがれても管が錆びていないことがわかります。

本当は、機能的には塗装を塗らなくても良いのですが、塗装がはがれた部分の管の表面を見るとこのままで仕上げとは言いにくい状態です。

やはり、美観上塗装を塗らないわけには行きません。

亜鉛めっき用のプライマーを塗ってから塗装を塗ればこのように塗装がはがれてしまう状況にならないはずです。

バルコニーは日当たりの良い面に設けられているため、そこにある縦といは日光に照らされると膨張し、冷やされると縮みます。

しかし、塗装は硬く伸び縮みしませんから縦といの膨張と縮みに付いてゆけません。

そのため、塗装がはがれやすくなってしまいます。

鉄部に塗る塗料で伸び縮みする材料はないようです。



亜鉛めっきの弱点

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建物に使用される鉄製の部材を錆びから保護する方法のひとつとして亜鉛めっきがあげられます。

耐久性が高い錆び止めの方法です。

亜鉛めっきの部材が使われている建物は、グレードが高いともいえます。

組みあがった部材をそのまま大きなめっき釜に入れてめっきをかけるため、継ぎ目のないさび止め処理ができます。

ただし、亜鉛めっきにも弱点があります。

それは

めっきの仕上がりがあまりきれいではないため、めっきの上にさらに塗装を塗らなくてはならないこと。(銀色とよりはねずみ色に見えます)

しかし、めっきの上の塗装が付着しにくい(くっつきにくい)ので写真のように塗装がはがれやすい。

塗装の付着を良くするために、亜鉛めっき面にサンドペーパーをかけると、めっきがなくなってしまいます。

塗装の付着の良い部分と塗装がはがれた部分に塗装の段差が生じやすい。

塗装が不要な面に塗装を行う費用が掛かり合理的ではない。

めっきを掛けたあとに溶接を行うとめっきがはがれてしまい写真のようにさびが出てしまう。

溶接をおこなった部分はさび止め等の処理を行えば、錆びは進行しにくくなります。


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