マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2010年08月

新築のマンションなのに

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都内のあるマンションでは写真のように、バルコニーの水切りに鉄を用いており、そこがさび付いています。

写真をクリックすると拡大します。

写真を見てわかるようにこのマンションは古いわけではありません。

本来であれば、この部分はステンレスもしくはアルミを用いて作るべきな箇所です。

しかし、鉄を用いたため、写真のように錆びてしまいました。

材料費が多少増えても、鉄ではない錆びない材料を使うことが長期的な目でユーザーの得になります。

この部分を改修するためには、水切り上部のガラスブロックを一時的に取り外すか、鉄でできた水切りをウレタンのような材料で覆ってしまう必要があります。

いずれにしても新築時にほんの少しこの部分にコストを掛けておけば、防ぐことができたトラブルです。

こんな近くに

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都内のあるマンションにお邪魔しました。

バルコニーの一角にハトが止まっていました。

近づくと逃げるかと思いましたが、3メーターまで近づいても逃げません。

ずっとこちらを見ています。

ずうずうしいハトです。

彼らにしてみればは、そのバルコニーが自分のテリトリーで私たち人間が侵入者なのかもしれません。

その証拠にハトの止まっている付近にはフンがたくさん・・・

やはり、人間が侵入者なのです。

あなたのマンションにハトがやって来ても、居つく前に対策を取ったほうが良いですね。


もっと早く手を打っておけば良かった・・・・

現実的な話としては、設備関係の修繕時期がきたにもかかわらず、修繕積立金の大幅な不足に気がつく

工事を行うためには、修繕一時金の徴収を行うか、借り入れを行わなくてはならない。

借り入れを行うと、返済金額がかさむため、修繕積立金の大幅な値上げをしなくてはならないという悪循環になってしまいます。

ところが、そのときには区分所有者の大半が年金生活に入っており、支出金額が増えることに賛同しにくくなっているといった状況です。

中には「修繕一時金の徴収なぞとんでもない話だ」「理事会の不手際」と怒る組合員も出てきます。

このような状況に陥るのが、ちょうど築30年を超えたあたりです。

40歳でマンションを買ったかたが70歳

30歳でマンションを買ったかたでさえ60歳になっています。

また、修繕委員会を立ち上げようにも、高齢者が多く理事のなり手も固定化してしまい頑張りが利かなくなってしまう。

これから、初めての大規模修繕を迎えようとする管理組合の皆さんはこれから30年先、40年先建物と区分所有者に一体何が起こるのか?をイメージできますか?

では、そのような状況に対してどのように対応してゆけば良いのか?

お話していきます。

修繕積立金を値上げすることに賛成できない理由

屋上防水の劣化による漏水事故や上水道からの漏水事故といった今日、明日の問題であれば、居住者、区分所有者が一丸となってすぐに取り組まなくてはならない問題です。

しかし、修繕積立金の値上げのような二十年以上も先に行われる予定の大規模修繕工事のために今から備えることはできません。

しかし、「建物の老い」「住民の老い」この2つの高齢化は、目に見えないスピードですが、確実に進んで行きます。

これまでは「今住んでいるマンションにずっと住み続ける」と考える方が大多数派とはいえませんでした。

自分には関係のない問題と考えてしまいます。

「大規模修繕工事を行う時に住んでいる人が考えれば良いこと」

「資金が足りなければ一時金の徴収で対応する(俺は住んでいない)」

修繕積立金の値上げができない理由です。

このため、2つの高齢化問題はつい先送りしてしまう問題です。

ところが、あるときを境に日常的な修繕工事や漏水修繕が増えてきたときには問題が現実化してしまう

現実的な話としては、建築と設備関係両方の修繕時期が来たにもかかわらず、修繕積立金の大幅な不足に気がつく

大規模修繕を修繕したくとも資金がたりません。

もっと早く資金計画の手を打っておけば良かった・・・・


問題の原因はどこにあるか

しかし、修繕積立金が足りないことでディベロッパーを責め立てても、道義的な責任を問うことはできても何らかの保証を得ることはできません。

当たり前のことですが、マンションの維持管理に関しては管理組合に責任があるからです。

管理会社は管理組合から委託を受け業務を行っているだけです。

適切な修繕資金を確保するのは、管理組合の責任です。

分譲直後に修繕積立金を2倍に値上げしたというお話を聞きますが、値上げ幅が問題ではなく、いくらになったかが問題です。

マンションによって適正額は異なりますが最低でも月額1万円〜1万2千円は欲しいところです。

すぐ近くの修繕工事のためではなく、二十年以上も先に行われる予定の大規模修繕工事のために、積立金を値上げすることは、組合員になかなか理解してもらえないこともあります。

特に昨今の経済状況の中では、月間1,000円の値上げの承認を得ることも容易ではありません。

深刻な問題

先日のお話したマンションからの2つの高齢化に対する問いに、頭を抱えてしまいました。

この2つの高齢化に対して、どこのマンションも同じ悩みを抱えています。

それは、資金計画が定まらないことと修繕資金の不足が最大の悩みです。

その遠因には戦略的に安く抑えられた修繕積立金ととても荒っぽい長期修繕計画書にあります。

今でこそ、月間3,000円の修繕積立金はなくなりましたが、ほんの10年前では、当たり前の金額でした。

分譲時の一時金徴収もありませんでした。

その後遺症として、修繕積立金を話し合う場においても「このマンションは修繕積立金が安かったから買ったんだ」と主張する人が必ずいます。

「自分の家を直す費用が足りないから対策を立てましょう」という話し合いがいつの間にか「修繕積立金の値上げ反対」に押し切られてしまいます。

さらに、分譲時の長期修繕計画もずさんなものが多く、たとえば計算期間が20年というものも珍しくありませんでした。

資金的に一番苦しい築25年以降の給排水管の改修を見込んでいないことになります。

20年間修繕積立金は大丈夫なのだから、ずっとそのあとも安心と勘違いしてしまうのも無理のないことです。

適切な修繕積立金の金額を定める指針である長期修繕計画書に不備があれば、積み立て金額が正確に算出できなくなります。

お金が余る方向に間違えれば、深刻な問題にはなりませんが、お金が足りなくなる現実を見なかったことにしては、問題を先送りするだけです。

そばや

東京に来て感心したのはそばのおいしさです。

平均しておいしいです。

事務所のある五反田にもたくさんのそばやさんがあります。

ただし、この季節になるとおいしいそばやさんほどお昼前から人が並び、なかなか食べられないんですね。

新馬場にある砂場というそばやさんも結構気にいっています。

調べてみると藪・更科と並んで砂場が古くからの老舗だそうです。


耐震診断への関心の高さ

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先日都内のあるマンションに打ち合わせに伺ったときに管理員さんから教えていただいた区のポスターです。

区の会館前に貼られた「耐震診断」をアピールするポスターです。

さすが、東京です。

東京都は、耐震診断、耐震改修工事に関心が高く補助金も充実しています。

マンションに対しても補助金が出ます。

補助金の額は各区で異なりますが、診断で200万円、工事で最大1,000万円の補助を受けることができます。

管理組合にとっては、充分やる気になる補助金額です。

しかし、日本全国にこのような制度があるわけではなく、マンションの耐震診断を行うにしても全額自己負担となってしまうのでは、組合はやりたくてもやりようがありません。





着実に進む2つの高齢化

分譲マンションに住む人にとってもっとも頭の痛い問題は2つの高齢化です。

ひとつはマンション建物の高齢化

もうひとつは、マンションに住む人の高齢化です。

当たり前のことですが、この2つの高齢化は目に見えないくらいゆっくりと、しかしながら確実に徐々に進行して行きます。

この2つの高齢化にどのように対処してゆくか?

管理組合だけではなく大規模修繕に関わるものすべてに解決を課せられた大きな課題でもあります。

そのような中で先日首都圏にあるマンションの設計事務所選定のときの提案課題ですごい課題が出ました。

「建物の老い」「住民の老い」というマンションの2つの老いにどのように対応しますか?

今、行うこと
今、決めておくこと
今、考えておくこと

をどのように考えますか?

プレゼンテーションのときにお答えをお聞かせください。」

いやはや、なんとも難しい課題です。

挨拶ひとつで大規模修繕が成功する?

先日100歳を超えた祖母の話をしましたが、祖母の居る高齢者施設は、私の目から見てまさに至れり、尽くせりのすばらしい施設です。施設名はアートヒルズといいます。

建物もきれいですが、それ以上に職員さんたちのサポート体制の充実、帰省した折にたまにうかがうとすべての職員さんがいつも笑顔で挨拶をしてくれます。

とても感じがよく、いつも感心させられます。

大規模修繕の工事現場でも、評判の良い現場は、すべての職人さんが居住者の皆さんに元気よく挨拶をしています。

最初のうちは、遠慮がちだった居住者の皆さんもしばらく立つと大きな声で挨拶に答えてくれるそうです。

「おはようございます」「こんにちは」たったそれだけで、職人さんたちも「今日一日頑張ろう」「お客さんに喜んでもらおう」という気持ちになります。

事故は当然ですが、トラブルもなく、仕上がりも良いハッピーエンドな大規模修繕工事となります。

このようなお話を監理者として、工事が始まる前の修繕委員会のなかで現場監督さんにしています。

修繕委員の皆様も、現場監督さんもはじめのうちは半分信じられないという顔をしますが、工事が無事に終わり、笑顔のご苦労さん会となると

「職人さんの挨拶が良かった」というお話が出てきます。
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