マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2011年05月

設計者は管理員さん

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昨日、お話したゴミ置き場なのですが、設計の途中で組合の理事さんだけではなく。管理員さんとも何度も細かな打合せをしています。

「高齢な入居者の方が、雨の日にゴミを出すのに片手に傘を持つのは、風が吹いていると危険なんだよね。」

庇をマンションの裏通路まで延ばすと、雨の日にもぬれないでゴミが出せますよ。

「開きドアって使いにくいんだよね」

ハンガードアにすると、軽くて使いやすいですよ。

こんな感じで、いまのゴミ置き場に対する不満と改善策を詰めて行き。図面を完成させました。

設計の半分は管理員さんがしてくれたようなものです。

「現状の問題点を洗い出し。改善を行う方法を考える」のが、修繕設計です。

管理員さんもがんばる組合

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ある管理組合の管理員さんのたっての要望でゴミ置き場の大改装を大規模修繕にあわせて行いました。

これまでのゴミ置き場は前回の大規模修繕で手が付けられませんでした。

入り口には庇がなく雨の日にゴミ出しをする人がかさをささないと雨に濡れ

建物の中にも雨が漏ってきて、水浸しになり

照明が足りず暗く

棚が無いため床に雑然とゴミが置かれていました。

このゴミ置き場を毎日清掃して、組合の方が少しでも気持ちよく使えるように守ってきたのが管理員さんです。

管理員さんは長年このマンションに住みこみですから、とっくに「自分の住まい」という感覚で働かれています。

ゴミ置き場の改修要望は、ゴミを毎日捨てにくる主婦と管理員さんから出ていました。

ところが、予算の関係で今回の大規模修繕の工事項目からゴミ置き場の改修が外れる可能性がありました。

理事会の出席されていた管理員さんは主婦の理事さんと一緒にゴミ置き場の改修を頑なに要望し続けました。

そのおかげで、中棚があり清潔で雨の日にも濡れないでゴミを出すことが出来るようなゴミ置き場になりました。

設計事務所は誰を守るか?

先日ある管理組合で工事途中の設計変更についての会議がありました。

大規模修繕での設計変更は実数清算項目と言われる、コンクリートのひび割れやタイルのわれや浮き、の設計数量と実際の数量の差額の清算項目と追加工事、削除工事をそれぞれ一覧表にしてまとめることです。

そして、それぞれの金額の正当性を評価し、最終的な追加金額を決定するのが、主な業務内容です。

工事項目が多岐に渡ったり、設計数量と実際のい補修ほして数量におおきな差があると結構手間になる仕事です。

その組合では、3棟の工事なので、それぞれの棟ごとに施工会社が設計変更の金額をまとめ、我々がその数量と金額を確認していきます。

後輩が下チェックをしているときでした。

計算すると、施工会社からの請求金額が100万円ほど安く出ています。

「ちゃんと計算するように連絡しなくちゃ」

ここで私はどんな行動に出たか分かりますか?

まず、もう一度計算を確認するように指示を出し

「もしも、請求金額で組合が得になることが確定したなら、施工会社には、過小請求ですなんて余計な連絡するな」

後輩はとても不満そうでした。

「間違っているものは、間違っていると言っちゃまずいんですか?」

これが逆に過剰請求なら、絶対に訂正してもらいます。

しかし、先方の会社が責任を持って出てきた安い請求金額に文句をつけるほど我々は「中立」ではないのです。

我々の雇い主は管理組合のお客様です。

いわば、飼い犬と同じです。

お客様が吼えろと言えば、吼えますし

噛みつけと言われれば噛み付きます。

そのために契約して頂いています。

「正義」を遂行するために契約を頂いているのではありません。

弁護士を考えれば分かると思います。

たとえ、どれほど明確な悪人であっても、自らの権利を代弁してくれる人が必要です。

検事は法に照らし合わせ、適切な刑罰を求めます。

その時に被告側の弁護人は命がけで被告の権利と主張を守ります。

もしも自らの調査の中で被告に不利な証拠が見つかったからと言ってそれを進んで法廷に持ち込む弁護人はいないと思います。

「正義のためにやっている」と言うのはフィクッションの中だけでたくさんです。

ところが、同業者の中には、自らを弁護士の立場ではなく判事や裁判官の「裁く立場」と勘違いしている人が少なくありません。

大変残念なことだと思います。

ちなみに、施工会社の計算ミスの件は、管理組合に報告して指示を仰ぎます。

よくやってくれた施工会社に対しては「人は誰でも、ミスをするんだから、それは正直に指摘してください」となります。

それ以外の施工会社に対しては「よく、見つけてくれました。黙っていましょう」となります。

つまり、大切なのは管理組合の得にならないことを管理組合の許可無く行わないことです。

判断するのは管理組合の権利です。

パッケージも大事

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先日、札幌に帰省したときに羽田空港で気になったお土産がありました。

資生堂パーラーのゼリー詰め合わせです。

中身より、この美しい缶に惹かれました。

価格は1,000円ほどです。

ブルーのほかにホワイトがあります。

同じデザインでクッキーやチョコレートがあります。


仕事に自身がある人ほど「中身で勝負だ」と言います。

でも、同じゼリーがあまりぱっとしない化粧箱入りだったら、たとえ半額でも誰も気に止められないと思います。

ところが、この宝石箱のようなきれいな缶に入っていることで、まずお土産を探している人の目を引きます。

まず、お客様の目を引き、これは何なんだ?と思ってくれない限り中身について考えることもありません。

いくらゼリーの品質や味にこだわっても、だれも注目してくれません。


このときに、気が付きました。

管理組合が発行している掲示書類も同じですね。

まず、はっと見て、その掲示を読む気になるかどうか

ここが大切です。



現場見学会を行いました。

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松戸市で現場見学会を行いました。

写真は屋上防水の現状を確認している様子です。

屋上防水と言えば、建物の要とも言える大事な部分です。



屋上防水の痛みが激しく、漏水のあるマンションの修繕委員会の皆様は大変苦労をされています。

漏水で悩む居住者からは「何とかしてください」とお願いされ、建設会社、ディベロッパーと折衝しますが。なかなか色良い返事がもらえません。

そのような状況で大規模修繕工事を迎えると、担当する施工会社に期待が集まります。

ある組合では理事長が、またある組合では修繕委員長が施工会社に対する図面説明会への立会いに自ら名乗りを上げて、マンションの漏水に対する切実な改善への願いを訴えています。

どのように、防水を補修するか?

一見当たり前のようですが、大変奥が深く、一度漏水が発生してしまうと原因がなかなか分からず、大変根が深くなる危険性を含んだ問題です。

施工会社はその訴えにどこまで真摯に答えることが出来るかで、受注の可否が決まると考えても差し支えありません。

「この方法なら絶対に自信を持って推薦でき、二度と漏水を起こさない」こんな施工会社を心の底から待ち望んでいます。

施工会社の皆様よろしくお願いいたします。

網倉先生のこと

5winについて教えて頂いた網倉先生が書かれた本です。

今回の社員研修で伝えて頂いたことの多くがこの本の中に書かれています。

是非、読んでください。

http://www.improbic.net/con/shikumi/

http://www.weekly-net.co.jp/rensai/cat120/post-78.php

網倉先生のHP

http://www.amikurahiroshi.com/

私が2011年にチャレンジすること

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写真は私が作ったシートです。

写真をクリックすると拡大します。

このシートを添付するのは、時間が経つとどんどん忘れていってしまうからです。

忘れることがないようにブログに書きます。

お恥ずかしい話ですが、これまでの私にとってこれまで一番欠けていたものは、愛情と感謝です。

メタボも自分に対する愛情が無いから運動もしないで放置できるのだし

充実した精神状態のために必要な釣りやコンサートに行き音楽を聞くことが必要だと分かっていてもやらずじまいです。

家族に対する感謝の気持ちが無いから、スケジュールを調整して毎月1回会うことが実現できません。

目標が達成出来ないのは、仕事が忙し過ぎるとか人のせいにしていました。

もっと真剣に改善を図らなくてはなりませんが根本の部分が間違っていたために、誰も協力したくても、協力できない状態に自分で追い込んでいました。

お客様に対してももいつもイライラしていて頼りたくても頼れないという形でご迷惑をお掛けしていました。

本当に申し訳ありませんでした。

これを改善するためには、たとえ困難であっても、講師の先生の言葉をお借りするとあえて「チャレンジ」と言うポジティブなことばを使うことによりネガティブな感情を消します。

まず自分から変ること。「チェンジ」です。

これは私にとって大きな「チャレンジ」です。

これからは、お客様は当たり前のことですが、チーム(会社のスタッフ)、協力会社へ愛情と感謝の気持ちを常に持って一緒にがんばることが、私の2011年に行う目標です。

そのためにチームメンバー一人ひとりが輝くためのステージを準備し、輝くためのスキルをともに身につけて行きます。

ここに書くということは、今すぐ始め、忘れない、あきらめないためです。

追伸

このセミナーの講師を務めて頂き、心のカラを破って頂いた網倉さん

このセミナーに参加する機会を与えてくださった 米澤社長、米澤専務

私が、このセミナーに出るために仕事を代わってくれた東京事務所の伊藤さん、村上さん、高崎さん、阿部さん

このセミナーの裏方を勤めてくれた本間さん

そして、いろいろな気付きのヒントをくれた同僚の皆様

心から感謝致します。

5winになるためのファーストステップ

研修は2日間に渡って行われました。

一日目はまず、5winの概念を講師から説明してもらいました。

私にとっては、まさに目からうろこ・・・

昨日書いたように実に深くてよい話でした。

その後講師の質問に対して答えをひたすらノートに書いていきます。

質問は

この研修になぜ来ることになったのか?から始まり

あなたが欲しいもの

仕事をしていて最高にうれしいこと、悲しいこと

経営者と社員の根本的な違い

あなたのことを叱ってくれる人は?

とヘビーな質問が続きます。

すぐに答えが出る質問があれば、なかなか答えが出ない質問もあります。

その後お酒を飲みながら、社員同士でこの件について話しました。

普段聞くことが出来なかったいろいろな考えが聞けました。

そして2日目にA0サイズの(たたみ半分位の大きさです)模造紙を渡され

「2011年あなたが楽しく仕事をするための目標」

「2011年に達成する個人目標」

を3時間でまとめていくことになりました。


5winという考え方

今週社内研修がありました。

社内のベクトルをひとつにするための研修です。

その中で、5WINという考え方を学びました。

これを説明する前にWIN-WINという言葉を聞いたことがありますが?

2者で取引をする上でお互いに利益がないと長続きしないという考え方です。

自分とお客様、会社と自分、会社と協力会社・・・2社というのはいろいろあります。

5WINと言うのはその考えをさらに進めて、自分、お客様、家族、チーム(会社)、協力会社すべてに利益が出るようなビジネスなら絶対成功する。
という考え方です。

自分に関係しているすべての人が上手く行って、笑顔になることをビジネスであれば成功というのですから真理です。

私は今まで、お客様と自分 お客様と会社 会社と自分という枠組みでした物事を捉えていませんでしたので、熱心に応援してくれる人もいる反面、お恥ずかしいのですが、社内ですら敵となってしまう人も少なくありませんでした。

自分の仕事を5WINの枠組みで考えていくと、自分やお客様だけ良くてもチーム(会社)、家族、協力会社が上手く行かないのでは、ビジネスとしては上手く行っていなかったのです。

つまり。本人はWIN−WINのつもりでも、この5WINとはほど遠い状態になっていたのです。


そのため、不平、不満が出ていたのだと思います。

深く反省し改めなくてはならないと感じました。(続く)

バルコニー調査の時間

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先週末バルコニー調査を行いました。

調査に1戸あたりどれくらいの時間がs掛かると思いますか?

30分、1時間?・・・・

実は15分から20分です。

どんなマンションもそうなのですが、一番最初に伺うマンションには時間がかかります。

20分くらい掛かっていたマンションが、戸数を重ねると15分、10分に短縮していきます。

決して手を抜いているわけではありません。

目が慣れてくると言うか、劣化箇所がわかってくると言うか、時間が余るようになります。





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