マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2012年03月

春の嵐

皆様、本日の強風で被害はありませんでしたか?

今回はある程度事前に予測できていたのですが、やはり実際に強い風が吹くと対応が後手後手に廻ってしまいます。

午前中に現在担当している3現場に電話して状況を確認しました。

さすがに3現場とも対応をしていたので安心しました。

日曜日も強風が残ったときにすぐの対応が出来ないとお客様にご迷惑をかけてしまうので

屋上に置いてある物品の固定の確認もしくは屋内への移動

足場のシートの固定確認

を再度お願いしました。

台風の多い秋もたいへんですが、春も注意が必要です。

コンクリート中性化

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先日ある管理組合へ行き、コンクリート中性化試験の結果を聞いて驚きました。

中性化試験の結果はが22ミリです。

いくらコンクリート打放しだといえ、中性化が本当なら由々しき問題です。

普通なら写真のようにほとんど中性化していない例が多いのですが・・・

さらに、中性化試験は1箇所でしか行われていないため、この結果は信頼性に大きく欠けるます。

報告書の結果を信じると、これ以上の中性化を抑制するために打ち放しコンクリートの上に塗料を塗ることになります。

壁、柱、天井で2,000岼幣紊△蝓仮設足場まで考えると1,000万円以上の工事費が掛かります。

結局、数箇所での試験を行うことになりました。

赤坂プリンスホテル

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昨年の今頃閉館となった赤坂プリンスホテルは当初の予定より遅れ、そろそろ解体に着手するようです。

ある意味、バブル経済の象徴でもあった西武グループの勢いを象徴するのがこの赤坂プリンスホテルと六本木プリンスホテルでした。

設計者は昭和の日本を代表する建築家丹下健三と黒川紀章です。

新築当時、新建築という建築雑誌の表紙を飾ったこの建物は光り輝いていました。

このあと、丹下健三はいくつかのプリンスホテルを設計し東京都庁を設計して最後の輝きを放ちました。

当時建築工学科の学生だった私だけではなく、同世代の建築関係者にとって輝ける未来の象徴となる建物でした。

丹下健三自身、自らが設計したこのホテルがたった30年で取り壊されるとは夢にも思わなかったと思います。

赤坂プリンスホテルは解体後に建替えが行われ、東京都の審査を経て容積率(敷地に対する建物の延べ床面積の比)を2倍にし、300%から600%に事務所ビル、ホテル、賃貸住宅、商業施設といった大型複合施設に建て替えられる。建物の高さも140メートルの制限から180メートルへと緩和されます。

つまり、莫大な金額が掛り改修費用を回収しにくいホテル改修よりも、施設を大型化し資金の回収をしやすい建替えを選定したということです。

同じことを分譲マンションで出来れば、建替えは飛躍的に進んでいきます。

もしも、マンションの建替えを行政が真剣に考えているなら、容積率の緩和この方法しかありません。

特に耐震性が劣り、耐震改修に莫大な費用が掛り、耐震改修ができない古いマンションだけでも、特例的に容積率を緩和して、建替えをしなければ、新耐震前のマンションの耐震化は進みません。

とても悲しい事故

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マンションの修繕現場でとても悲しい事故が起きてしまいました。

テレビでこのニュースを見ると胸が締め付けられます。

小さなお子様を不慮の事故で亡くされるというのはこんなにも苦しいものなのか

怒りを通り越してしまった悲しみが画面から伝わってきます。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120319-OYT1T00676.htm

19日午後0時40分頃、埼玉県東松山市幸町のマンションで、外壁に組まれていた鉄製の足場(高さ約10メートル、縦横約1・8メートル)が、倒れ2人が下敷きになった。

 東松山署などによると、園児計22人と保育士の女性2人が、ドッジボールをするため、近くのグラウンドに向かって2列で移動していた。足場はこの日の午前中、外壁タイルの張り替え作業のために組み立てられたばかりで、列の真ん中付近に倒れてきた。当時、現場に作業員はいなかった。

 熊谷地方気象台によると、事故があった時間帯、周辺で強い風が吹いていた。同署は倒壊防止措置が適切に行われなかったため倒れたとみて、業務上過失致死傷容疑で設置業者から事情を聞く。業者の男性社長(54)は取材に対し「作業は適切に行った」と話した。

(2012年3月19日23時14分 読売新聞)

震災ではがれたタイルを補修するための工事だと思います。

工事費の関係から建物に全面的に足場を掛けるのではなく、タワー状に掛けた足場を移動して補修をする計画だったかもしれません。

いずれにしても、有資格者が仮設足場の計画を行い、規模によっては労働基準監督署に届出を行います。

でも、一番の問題は仮設足場を固定していなかったことです。

さらに、現場には工事関係者がだれもいなかったことも挙げられます。

もしも、工事関係者がいれば、強風による転倒の予兆があるので、

通行人、居住者が仮設足場に近づかないようにカラーコーン等で区画をする。

本社に応援を頼んで、足場の固定を行う。

このような処置が取れたと思います。

さらに、居住者が強風で危険を感じたときに工事関係者にすぐに連絡が取れていれば、最悪の事態だけは避けることが出来たと思います。

事故が起きてしまってから、悔やんでも事故の前に戻ることは出来ません。

私もきを引き締めて工事監理を行ってまいります。







大規模修繕に立ちはだかる 3つの困難

3月25日に開催される座談会サロンのテーマです。

どこの管理組合でも

1 大規模修繕工事をどのように進めれば良いかわからない

2 組合員合意ができない

3 修繕積立金値上げができない

この3つ困難が理事会と組合員を苦しめています。

この3つの困難をなんとか解決できないと大規模修繕が進みません。

逆に言えば、この3つさえ解決できれば、大規模修繕はそれほどたいへんなイベントではありません。

多くの組合ではこの中のひとつないしふたつの解決が出来ずに非常に悩んでいます。

今回 座談会・サロンでお話いただく理事長の管理組合は

組合員がバラバラで、過去に管理会社任せの大規模修繕工事は何回か否決されてきました。

管理会社が作りなおしてきた長期修繕計画は修繕一時金だよりで、組合員が到底納得できる内容ではない。

まさに上記の3重苦状態でした。

普通であれば、これは投げ出したくなるような状況です。

私もこの組合さんから相談を受けたときには、これは工事まで途轍もなく、時間が掛る組合だと思いました。

ところが、この状況を憂いた組合内の有志がたちあがり、この3つの大問題をたった1年間で解決してしまいました。

その1年間でこの3つの困難をどのように解決したのかを具体的にお話して頂きます。



安田佳生著『私,社長ではなくなりました。―ワイキューブとの7435日』

昨年のはじめに安田佳生さんと彼が経営するワイキューブが経営の窮地に追いやられていると言う噂を聞いていました。

ワイキューブと言えば新卒採用コンサルタントで一世を風靡したベンチャーでした。

結局会社はダメになってしまいました。

実は数年前から彼の著作を読んでいました。

「成長とは今までと違う人に変わることである。」
「人は基本的に変わらないので、成長しない」

と書いてあり、とても納得できました。

それ以来、ほほすべての著作は買っています。

安田さんのファンの一人です。

この本は彼が率いるワイキューブが経営不振に陥りとうとう民事再生した経緯を書いた本です。

でも、はっきり言えば、この本に中身はありません。

今までどこかの本に書かれていた内容がほとんどです。

さらに、安田さんの失敗から学ぶことは残念ながらほとんどありません。

この失敗は安田さんの失敗であり、あまり一般的なことではないからです。

安田さん、ワイキューブのように成果を出す前に社員の給料を大幅に上げたり、待遇を信じられないくらい良くしても社員はそれに見合った働きはできません。たぶん。

そして、この本は安田さんの懺悔録のようなものです。

同時に安田さんは「天才」なんだということもわかりました。

でも、そこが安田佳生さんのファンにはたまらないと思います。

ファンにとって「アイドルのダメさ」と言うのも魅力のひとつだし、是非知りたいことなんだと感じました。


設計事務所もうひとつの役割

昨日のコメントを見て、もうひとつ設計事務所の大切な役割を思い出しました。

管理組合の中には、腕に覚えのある建築関係に勤める方たちが「大規模修繕くらい自分たちで出来る」とおっしゃる理事、修繕委員の方がいます。

それは、たいへん立派なことですし、特に小規模のマンションで費用を削減するには有効な方法だと思います。

ところが、ここに大きな落とし穴がひとつあります。

それは、万が一のときの設計ミスと監理ミスです。

施工会社と契約する前に「どの部分をどのように直す」と決めるのが設計です。

ここで、材料の指定ミス、工法の選定ミス、工事確認のミスなどのいくつかのケースが重なり、不幸にも漏水等の不具合が出たときに施工会社がすべての責任を負ってくれればよいのですが・・・

何しろ自分たちで大規模修繕を行うというくらい、腕に覚えのある方々の集まりですら、マンション大規模修繕の経験者が多いわけではありません。

ほとんどの理事、修繕委員は新築工事を中心にお仕事をされています。

改修工事であっても、人が住みながらの工事に慣れていないケースがすくなくありません。

たとえば、屋上防水の改修方法もオーバーレイ工法が主流と言うことを説明しても「全面撤去が正しい」「オーバーレイ工法なんて俺は知らない」と主張される方が出てきます。中には「土木の世界ではそんなやり方はしない」と土木の考え方を持ち出す方もいらっしゃいます。

工事を行う施工会社は出来るだけ良い工事を心がけていますが、彼らも商売ですからお客様である管理組合が「この工法、この材料でないと認めない」と言われるとしぶしぶ従ってしまいます。

オーバーレイ工法ではなく、全面撤去工法を選択した場合に考えられるリスクは工事中に想定外の大雨(ゲリラ豪雨)が降って、下階に漏水事故が発生することです。

施工会社は当然このリスクを管理組合に説明し工法の変更を求めますが、それでも管理組合が強行にこの工法を主張した場合には、施工会社は「工事のこの部分に関しては責任が持てない」ということになります。

ここで、不幸にも万が一の屋上からの漏水が発生すると、施工会社と管理組合の間で責任の押し付け合いになりかねません。

最悪のケースでは、管理組合負担で工事をやり直すことになります。
漏水被害のあったお宅への補償も必要です。

また、理事や修繕委員から材料メーカーの指定を行う方がいます。

一般的なものであればまだしも、聞いたこともない外国のメーカーのものの採用を業者選定の段階で指定される方がいます。

万が一のときにどう対処するのか非常に不安になります。

設計事務所が入っていれば、大規模修繕を行う設計事務所は管理組合と契約を行います。

その中で、万が一設計ミス、工事ミスがあった場合に設計事務所が保険を使い自分たちのミスに対する保障を行う契約にします。

基本的にリスクを背負う工法は選択しませんし、リスクを説明します。

最悪でも設計事務所の保険が組合員と管理組合をお守ります。

設計事務所の役割

修繕委員さんからコメントを頂いたので
ご紹介いたします。

その節はお世話になり、ありがとうございました。
私はあの時、デニーズにいた修繕委員でした。
設計事務所を入れて、大規模修繕を行ったメリットとして経験者として語りたい事があります。

キチンと監理してくれる とか、管理組合の味方である とか もありますが、設計事務所の方が修繕委員や理事長の重責を和らげてくれるというメリットがあります。

修繕委員会、理事会ってマンションの複数のメンバーで活動しますからその長になるひとだけに大きな責任があるようには当初は思いませんでした。

しかし、実際に活動すると、委員の出席状況もマチマチで、なんらかの判断を要する時には、理事長単独の決断が必要になる事もありました。

設計事務所の方、施工業者の方はそれぞれの立場で最善のアドバイスをしてくれます。
でも、最終判断は発注者である管理組合がしなければなりません。

マンションの住民の中には、総会にも出席せず、アンケートにも答えないけど、自分に影響があった時には大きな声で理事会に意見をする方もいます。

そんな時に、設計事務所の方は、専門的な立場から区分所有者への説明文書を作ってくれたり、時には矢面に立って理事会を守ってくれました。

こういう点でも、大変感謝しております。
でも、営業下手の皆さんだから、アピールしていないんだろうなぁっと思いコメントしました。

以上コメント

ありがとうございました。

こちらこそ、お世話になりっ放しで、恐縮しております。

理事会、修繕委員会のサポートも設計事務所の重要な仕事のひとつです。

特に大規模修繕が進行中の現場では建築の知識が必要な場面が多数出てきます。

そんなときの資料つくりは私たちにとって当たり前の仕事のひとつです。

耐震化セミナーに出席しました。

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開始時間が早かったせいか参加者は高齢者が多かったです。

約70名の参加でした。

昨年大規模修繕と一緒に耐震改修を行った物件です。

構造設計の担当者の説明は専門的な内容も含んでいましたがとても丁寧な説明で、参加者の評判はとても良かったです。

どのような物件なのか

どのようなスケジュールで進めたのか

どのような設計内容と補強内容か

どのような工事を行ったか

補助金のこと

組合員はどのように感じたか

がとてもよくまとまっていました。

ところが気になったことがひとつありました。

「耐震改修すれば、震度7でも大丈夫ですか?」という質問に対しては

「耐震改修はIS値0.6以上の確保が目標です」という答えにならざるを得ない。

「簡単に言えば震度6強でも建物が倒壊しないという目安です」という補足がありましたが 改めて、専門的なことを建築に詳しくない人に伝える難しさを感じました。

あっ、このお店でした。

昨日五反田のデニーズで立てこもり事件がありました。

奇しくも、昨日のブログに書いた「商売っ気が感じられない」と言われたのもこのデニーズでした。

そのマンションからいろいろと大規模修繕に関わる相談を受けていて、フォローをさせて頂いていたのですが、ある日、一部の理事と修繕委員で「設計事務所を大規模修繕に入れる会議」を開催しそこに呼ばれました。

理事さんから
「いろいろと相談に乗ってくれるのは、ありがたいけど、そろそろ設計事務所を入れるかどうか決めるタイミングです。」

「今村さんは仕事がしたいならもっと自分で営業をしてくれないといつまでも契約にならないよ」

「理事会は設計事務所を入れるか入れないか半々に分かれていて、何度話し合っても結論が出ないんだ」

「プレゼンテーションの場を与えるから、大規模修繕に設計事務所を入れるメリットをアピールしてください。」と言われたのです。

ありがたいやら、営業が出来ていなくて理事や修繕委員の皆様にご迷惑を掛けて恥ずかしいやらとても困惑しました。

結局、全組合員参加の臨時総会が開かれ、そこで、設計事務所を入れるメリット、業務内容を説明し設計事務所を大規模修繕に入れるかどうかの投票が行われました。

投票の結果、なんとか、設計事務所を入れることになり契約を結べることになったのですが、その影に多くの方の支えがあったことは明らかです。

今でも、このデニーズを利用するたびに、あの日のことを思い出し、胸が熱くなります。

自分が理事の立場なら、あそこまで他人のために熱くなれるか?

なかなか、答えることができません。

感謝の気持ちは仕事で返すしかありません。
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