マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2012年06月

うなぎが食べたい方へ

最近仕事が忙しくバテバテです。

先週くらいからうなぎが食べたかったのですが、稚魚不足でうなぎの値上がりがすごいことになっているという報道を聞きちょっと心配でした。

お邪魔した組合の近所のうなぎやさんに行くと・・・

表の看板には 松 4,500円 竹 3,600円 梅 2,800円とあります。

心配が的中し今年の初めに訪れたときより1,000円以上の値上がりです。

以前に梅を頼んで後悔しました。うなぎの松竹梅はうなぎの量ですから、松か竹にしたいところですが

お店に入るかどうか迷いましたが、もはや1食にかける値段ではなくなっています。

このときはあきらめて帰りました。

今週の半ば、とうとう我慢が出来なくなり現場監理の帰りに途中下車して、いつも行っているうなぎ屋さんの前まで行ってみました。

「ここなら1,000円上がっていても仕方がないか」と思い店に入り、値段をみると・・・・

なんと驚いたことに値上げをしていません。

松2,520円 竹2,100円 梅 1,890円(こんな感じです)

なかなか、できることではないですね。

早速、松を注文しました。

この店はうなぎだけがおいしいのではなく、いろいろなおつまみも充実しています。

近くへおこしの際にはお立ち寄りください。

銀座6丁目 ひょうたんや

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プレゼンテーションで何を伝えるか?

プレゼンテーションで管理組合から業務内容を説明してくださいといわれます。

このときに単純に何をするかをお話してしまうとどこの会社もやることに大差がなくなってしまいます。

と言っても、調査診断、設計、施工業者選定、工事監理でどのようなものを作るか?提出するか?といっても大差がつきません。

さらに管理組合はそんなものを求めているかといえば、求めていない場合もあります。

「管理組合が何を求めているか?」ではなく「管理組合が何を知りたいのか?」と考えた方がよいかと思います。

今回は自分でお話していても確証がないので、話がぶれます。

提案書と見積だけで設計事務所を決めることが出来るなら、プレゼンテーションなんかやる必要はないですよね。

書類だけではわからないことを知りたいのでプレゼンテーションを行います。

簡単に言えば、その会社や担当者が信頼に足る人物かどうか?を見定めるということですね。

では、信頼できるかどうかって何を見ればわかるのかといえば、これまでの実績もそのひとつです。

出来れば、過去のお客様の評判も聞きたいところです。

組合によっては、過去に担当したマンションの理事に会いたいとお願いされることもあります。

もう少し考えをまとめてからお話します。

価格競争にならないように

先日プレゼンを受けた物件とは別の件でも言えることですが、マンション大規模修繕の調査診断設計監理は価格勝負になると高い見積もりを出した会社はなかなか受注することが出来ません。

業務の項目が同じでもやることがまったく違えば、価格には大きな差が付きます。
業務に掛ける人件費(建築では人工、その他の業界では工数)を比較してみてください。
差が出るはずです。

業務量と業務内容の差がつかないと結局は価格勝負となってしまいます。

調査診断設計監理の見積を取ると、世間相場の半値以下というとんでもなく安い金額を提示する会社があるらしく、そのような会社と競合になったときに私は何度か涙を飲まされたことがあります。

管理組合さんもダントツに安い見積金額を不審に思ったらしく、「なぜ、そんなに安く出来るの?」とたずねると

「受注できなくて社員を遊ばせておくよりも、安くても仕事をした方が良い」といわれたそうです。

この言葉を聞いた組合では、これまでのその会社の実績からその言葉を多くの理事が信じざるを得なかったとのことです。

お電話をくれた理事は「常識で考えてもそんなバカなことはない」と猛烈に反対したそうですが、多数決で最安値の会社に決まったそうです。

そのときは、そのようなやり方をするライバル会社を恨んだものですが、今思えば、最大の原因は私に自分の仕事や会社の良さを伝える技術が足りなかったということにあります。

まだまだ、改善点はたくさんあります。

これまで、弊社を支持して頂きながら、伝える技術が足りない弊社のためにご期待にこたえることが出来なくて申し訳ありませんでした。

消費税が上がります。

昨日、国会の衆議院で消費税値上げ法案が可決されました。

このままいけば22ヵ月後の2014年4月には消費税率が5%から8%に
その1年半後の2015年10月から、つまり34ヵ月後には10%に上がります。

現在築10年前後、前回の大規模修繕から10年経ったマンションはちょうどこの頃に大規模修繕工事を迎えることになります。

工事まで、まだ2年近くあるからしばらくはこのままで良いのではないか?
と思う方もいらっしゃるのではないかと思います。

ところが、大規模修繕は工事の準備に1年以上掛ける傾向が増えています。
また、駆け込み需要で工事が集中することも予想され、工事費が値上がりするといわれています。

今後このような事態が予想されます。

大規模修繕のコストを抑えるためには、今すぐ準備を始めて駆け込み工事が増える前に工事をしておくこともご検討ください。

実は最近、駆け込み需要前の工事を狙った前倒し発注の兆しがあります。

いっそのこと工事が大幅に減る消費税値上がり後に見積を行った方が、市場原理に従い工事費が下がるのではないか?という憶測も出ています。

日本代表と欧州選手権

サッカーのことです。

サッカーに関してまったく詳しくないので、サッカー自体のことは良くわからないのですが、ちょっと疑問に感じることがあります。

それは

日本代表の試合はワールドカップ予選に限らず国際親善試合であっても、ニュースで必ず大きく報道されますが、一方現在準決勝を迎えようとしている欧州選手権はほとんど報じられませんね。

テレビ放送も深夜27時からとか・・・朝の5時ですけど。再放送もありません。

サッカーの質で考え、FIFAの国際ランキングを考えれば欧州選手権のほうがはるかに上です。

試合の面白さは・・・たまたま、欧州選手権を見て私でもそのレベルの高さ驚きました。

つまり、サッカーの質と人気は比例しないんですね。

日本代表の試合がはるかに盛り上がるのは「日本代表試合ファン」が「サッカーファン」よりはるかにたくさんいるということです。

それはなぜか?

理由はいろいろとあると思います。

もちろん世の中で話題になっていることもありますが

そのひとつは「感動の共有」が出来ること

日本代表は自分たちの代表だと感じていること。つまり共感がある。

感動というのは、感情が動くと書きますから、共感も感動のひとつです。

このような理由があると思います。

なぜ、こんなことを考えているかといえば、昨日のプレゼンで「他社と業務内容では差がありません。あなたの売りはなんですか?」という質問がまだ心に刺さっています。

これまでの経験から考えても「会社として大きく、実績の多い会社」が必ず受注できるわけではないようですし「見積り金額が安い会社」「設計技術や知識が豊富な人」が選ばれるわけではないのです。

もしも、見積金額や会社の規模、技術力だけで設計事務所が選ばれるなら、私に仕事が廻ってこないかもしれませんね。

サッカー日本代表のことを考えると、プレゼンテーションにも感動や共感の要素が必要なのかもしれません。

プレゼンテーションに行ってきました。

今日、大規模修繕のコンサルタントを決めるプレゼンテーションに行ってきました。

3週間ほど前に組合内で推薦を受けたと管理会社から案内が送られてきました。

失礼があってはいけないので昨日の夜のうちに「床屋」に行って着ました。

「練習が先だろう!」と怒られるかもしれませんが、見た目の印象はやはり大切です。

というのも、理事長さんのお名前を見ると女性なので、不精、不潔な印象はNGですからね。

今週はこのプレゼンのためにスタッフ一同準備をしていましたので、ここまで来て失敗できないと言うのもあります。

それよりも弊社を推薦してくれた方の期待を裏切るわけには行きません。

プレゼンの知らせを受けてから建物の事前調査を行ったときにプロジェクターを投影する壁が見当たらず、投影用の移動スクリーンも購入しました。

さて、肝心のプレゼンですが、マンション大規模修繕を成功させるためのコツ、業務でどのようなことをするのか、このマンションの現状をパワーポイントにまとめてお話しました。

ところが、参加された理事の方からは「あなた達の前にプレゼンを受けた会社と言っていることはほとんど同じなんですけど、あなた達の売りは何ですか?」という質問を受けました。

私たちの売り・・・一瞬、答えに詰まってしまいましたが、これまで同じ管理組合のお客さまから連続して発注を頂いていることや業務の中で特に力を入れていることとその理由などをお話しました。

理事の皆さん良いコンサルを選びたいという気持ちがひしひし伝わってくるプレゼンでもありした。

次回のプレゼンに向けての改良点も見えてきました。(すごく良いヒントを頂きました)

良い結果が出ればと思います。





先立つものがないと・・・

マンション大規模修繕のコンサルを行っていて感じるのですが、どの管理組合の皆様も修繕資金で悩まれることになります。

ところが中には、「今村さん、うちの組合は積立金が裕福だから安心して・・・」言われる管理組合の方もいらっしゃいますが、長期修繕計画書の見直しを行うと「設備の大規模修繕時に大幅な不足」ということに成ることもあります。

このようなことになる原因のひとつは、分譲時の長期修繕計画書の計算年が20年しかなく、給排水設備の修繕がまったく考慮されていなかったというまったく困った長期修繕計画書をしか持っていない組合もありました。

また、修繕資金を確保する方法のひとつが修繕一時金で賄われている計画書もあります。

「築15年目に1戸あたり40万円の修繕一時金徴収がありますが、ご存知ですか?」と伺うと理事会、修繕委員会のメンバーでさえ「うーん。知らなかった」「購入時にそんな話もあったような気もします」という答えが帰ってくるケースもあります。

長期修繕計画書にわからないように小さな文字でひっそりと書かれているので仕方がないのですが・・・

結局、この組合では一時金を取らないという条件で積立金の見直しを行いました。

ところが、こんなときに多くの組合では「分譲会社に騙された」「管理会社がいい加減」とおっしゃいます。

しかし、当たり前のことですが「自分たちのマンションは自分たちのもの」です。

分譲会社、管理会社のものではありません。

マンションを所有されている方が「自分たちのマンションは自分たちで守る」と思い行動しないと根本的に解決はしません。

偉そうな言い方で、大変申し訳ないのですが「長期修繕計画書についても、自分たちの意思で考えて作るべきもの」です。

分譲時のままの見直しを行っていない長期修繕計画書ほど恐ろしいものはありません。

さきほどお話したように計算期間が極端に短かったり、修繕一時金が前提になっていたりと落とし穴が少なくないのです。

まずは、自分たちのマンションの長期修繕計画書をもう一度よくご覧になってください。

機械式駐車場の収支計算

図2


利用料の総計が維持費の総計を上回っていれば、機械式駐車場はマンションにとって必要な施設であります。

逆の場合は、組合員の負担を増すと施設いうことになります。

受益者負担ということを考えると、組合員の大きな負担にならない範囲で利用料の適正化を行うことが望ましいと思います。

月1万円の駐車場利用料を得るために月2万円の機械式駐車場の維持費を支払うのは合理的ではありませんよね。

もっとも機械式駐車場をそのマンションに導入した根本的な理由は駐車場土地の不足ですから、同じ敷地にある利便性や路上駐車の防止といった金額に換算できないメリットも多々ありますから単純な比較はできません。

機械式駐車場を撤去するという決断は駐車場の充分な利用が見込めない場合に限ります。

いずれにしても、建物と施設の形状を変えるのであれば、総会決議が必要です。

ただし、総会で決議するためには、いくつかの手続きが必要になってきます。

そのために、駐車場の需要予測のアンケートを行うと良いです。

3年後に駐車場を利用しますか? (はい、いいえ)利用したい台数は?(  台)

5年後に駐車場を利用しますか? (はい、いいえ)利用したい台数は?(  台)

10年後に駐車場を利用しますか? (はい、いいえ)利用したい台数は?(  台)

都心部でもつい、最近まで1家で2台の車を所有することは珍しくありませんでした。

利用者が減るより一家で複数台の利用があったほうが組合は裕福になります。

図3


ただし、駐車場の待ちがずっと続いたマンションでもほんの数年で駐車場の空きが目立つようになってしまいます。

居住者の年代が似通っているため、定年や家族から免許の返却を強要され車の利用をしなくなる時期が重なっているためです。

また、マンション周囲に民間駐車場が多い地域では、もしものときは外部に借りることも視野に入れておく必要があります。

一番大切なことは、駐車場の現状を知り、多くの組合員で情報を共有し、議論を行うことです。

たとえ、理事や役員であっても少数の組合員の一方的な思い入れで行動すること

人に任せきりで自ら考えることを放棄してしまうこと

この二つは絶対に避けてください。

機械式駐車場の適正な利用料は?

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いろいろな管理組合で機械式駐車場は維持と入れ替えで問題を抱えています。

一番大きな問題点は

入れ替えのための工事費用が手元にないことです。

1台あたりに直すと入れ替え費用が100万円に上る例も少なくありません。

50台で5,000万円・・・

簡単に用意することが出来る組合はありません。

中には「機械式駐車場は入れ替えせずに撤去し平置き駐車場としよう」という過激な理事長や修繕委員長もいらっしゃいます。

組合員の皆さんが心配するのは、「機械式駐車場の入れ替えにそんな多額の費用を掛ける価値が本当にあるのかしら?」ということです。

少なくとも、掛けた費用の回収が出来ないと納得できないですよね。

そこで、質問ですが機械式駐車場の原価率って考えたことがありますか?

機械式駐車場の維持管理に掛る金額の総計が期待される駐車場収入より上回っていれば駐車場のあり方を検討する必要がありそうです。

機械式駐車場の維持管理に掛るお金は
維持工事費+パレットのメンテナンス費用+土地の使用料+電気代ということころでしょうか。

たとえば、長期間の総計を1月・1台あたりになるように算出してみてください。

この金額は現在の利用料収入に比べて安いのか高いのか?ということを比較されてはいかがでしょうか?

修繕積立金の見直しをするチャンス

長期修繕計画を見直さなかった理由について意外な答えが帰ってきました。

理事長いわく

「なんとなく、いままで見直しする機会がなかった」

修繕委員長いわく
「誰に相談すればよいかわからなかった。いなかった」

副委員長いわく
「入居時に積み立てを行ったし、積立金は当初の設定の2倍に上げたから大丈夫だと思った」

元理事長いわく
「修繕積立金の値上げを歓迎する組合員はいないので、歴代の理事会では先送りにした」

やはり、大規模修繕のような特別な機会があれば長期修繕計画書は見直されますが、通常は見直しが行われないのですね。

相談する相手がわからない。いないという点については多くのマンションでは、管理している管理会社から値上げの提案は無かったようです。

実は管理会社から長期修繕計画書の見直し、修繕積立金の値上げの話を持ち出すと理事会では「その前に管理費をさげてください」「委託内容を見直ししましょう」と言われるケースが多いらしく、管理会社はあまり修繕積立金に積極的には触れないようです。

組合員にとって管理費と修繕積立金は「毎月かかる支出」という認識があります。合計金額が変わらなければかまわないというのが組合員の本音ですから、積立金が足りないなら管理費を下げてその分積立金に廻してほしいということになります。

しかし、管理組合は組合員が自ら運営するものですから、すべてを管理会社任せにするわけにはいきません。

大幅な積み立て金不足が明白になった管理組合では、修繕積立金を「世間並みに」値上げすることによって不足分を解消できる見通しが立ちました。

それは、長期修繕計画書を見直したのが、1回目の大規模修繕のときだったので、給排水設備の更新工事までに15年以上時間があったことが幸いしました。

また、平置き駐車場からの利用料収入が豊富であり、そのほとんどを積立金に回すことに変えたことも不足金を減らす大きな一因になりました。

いずれにしても出来るだけ早い時期に長期修繕計画書の見直しをすることをお奨めします。
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