マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2013年03月

調査診断業務の仕様書(大規模修繕の準備8)

弊社が所属する大規模修繕協議会ではこのような仕様に基づき調査診断を実施しています。

これを元に調査診断費用の見積もりを取ったり、調査診断の実施をお願いしてもらっています。

ここまではっきりと記載すれば後を継いだ設計事務所が困ることはないはずです。

建物調査・診断業務の見積要領

調査項目

・バルコニー立入り調査(戸数の10%)

・外観目視調査(外壁、屋根、防水、鉄部)

・共用部目視調査(共用廊下・階段)
 劣化数量を算出し工事概算金額書に反映してください。

・塗膜引張り試験 4ヶ所(各面)

・コンクリート中性化試験 4ヶ所(各面)

・アンケート調査(組合員の建物に対する意向)

調査診断報告書・・・調査結果に基付き作成ください。(提出1部)

・総合所見、部位別の劣化度の評価

・修繕標準仕様書

・修繕工事概要

・工事概算金額書(数量、単価、価格の提示)

組合員への周知

・組合員に調査結果を伝えてください

こんな調査診断報告書には要注意(大規模修繕の準備その7)

管理組合さんと大規模修繕の調査診断設計監理の話をする中で、調査診断報告書があるのでそれを使って欲しいといわれた場合は出来るだけその報告書を使いたいのですが、事前にその調査診断書の内容を補完する形で追加調査や追加業務を行う形にしています。

ところが、その調査診断報告書の中身が千差万別です。

こんな調査診断報告書にはご注意ください。

ヾ蔽韻聞融,販化写真集だけのもの

▲▲鵐院璽箸あっても劣化アンケートだけで組合員の意思が汲み取れないもの

9事の概算工事金額書がないもの

つ敢困侶覯未呂△辰討眥敢鎖量(どの面積を調査したか)が明確ではないので、建物全体の劣化予想数量がわからないもの。

ツ敢差猝椶反量がでていてもが項目が大まかなため再調査が必要なもの。

このような調査結果を元に予算を組むと修繕項目、修繕数量ともに実際との離れが大きく工事終了後に大幅な費用の増加が懸念されます。

適切な予算を組むためには再調査を行い修繕項目の見直しと修繕数量の算出が必要です。

弊社が所属する大規模修繕協議の仕様を明日お話します。

大規模修繕の建物調査診断でよくある問題(大規模修繕の準備その6)

調査診断といってもいろいろと問題があります。

大規模修繕の時期が近づくと管理会社さんから「建物調査診断を行いましょう」と申し出があるケースが多い様です。

これまで、このブログのなかでお話したことを集約すると

…敢困量榲は劣化項目と劣化数量を把握し修繕項目と修繕数量を算出することにあります。

調査診断によって大規模修繕工事にどれくらいのお金がかかるのかわかるようになります。

D敢鎖巴任汎瓜にアンケートを行うことによって組合員の建物に対する希望や不満を把握し関心を高めます。

このようなことをお話しています。

上記の 銑にしたがって調査診断を行うかどうか決めるのは管理組合さんです。

でも、初めて迎える大規模修繕で何をどうするかなんて建築関係の方でもなかなか分からないですし、建築に対してまったくの素人には絶対分からないのが普通だと思います。

残念なことに、いろいろな管理組合さんに相談を受けるとこんなお話を伺います。

「調査診断がどのように行われ、どのような結果報告が提出されるか説明も合意がないまま調査が行われてしまいました」

「調査報告書がいつの間にか提出され請求書が来たままお金を支払ってしまった」

「提出された調査診断報告書を元に設計事務所に設計を行って欲しいとお願いしたけど、設計事務所からはこれでは厳しい(使えない)と言われ、結局再調査や追加調査が必要と言われた。」

せっかくプロに頼んだはずなのに残念な結果になってしまうこともあります。

つまり、どの会社に頼んでも同じ仕様で調査診断が行われるとは限りません。

というより上記の 銑がなくても調査診断報告書として有償で納品された報告書がたくさんあります。

調査診断報告でどのようなことをしてもらうかあらかじめ決めておかないのも原因のひとつでこれは大きな問題です。

他の会社、設計事務所では不満足な調査診断報告書を受け取ってしまった管理組合の理事、修繕委員にすれば大規模修繕のプロに任せたのだから安心していたという思いもあります。

提出した会社にしても、調査診断報告書はこんなものだと思っていれば、悪気が無かったのかもしれませんし、組合から抗議されても心外と困惑しているかも。

みんながすっきりしない原因は「調査診断報告書」の基準というか仕様が決まってないことにあります。

本日コメントを頂きました。

ご紹介いたします。

2010年05月01日の記事 「専用庭を借りている方」へのコメントです。

記事そのままの体験者です。
修繕工事で専用庭に足場を組まれ、大事に育てていた植物が枯れてしまいました。

海外の品評会でも賞をとった特別な株で、金額の問題ではなく、自分にとっては取り返しの付かないものでした。

薬品がかかってしまうことが分かっていれば、移植出来たのにと思うと悔しくてたまりません。

芝生も作業員の方々に踏み固められてしまい、枯れてしまったのに張り替えして頂けませんでした。

居住者の方々とトラブルになりたくないので、全て事後の泣き寝入りで、実費で芝も張り替えました。

こちらを読んで、次回の修繕の時には、足場を組む前に事前にきちんと段取りをして頂ける様に条件を出して交渉しようと思っています

たいへん残念な結果になってしまい慰める言葉もありません。

通常、施工会社は工事に先立つ工事説明会や仮設足場を設置する前に専有庭所有者に「お願い」にあがり大切な草木の移動をお願いします。

ところが工事を行う施工会社が決まってから実際に工事が行われるまでの期間があまりに短いとお留守などで上手く周知が出来ないことがあります。

私が監理するマンションでは居住者の方に「もっと早く知らせてくれれば何とかなったのに・・・」こんな思いはしてもらいたくありません。

設計事務所が入っていれば写真のような広報の作成をお願いしてください。

理事会、修繕委員会ではなかなかこのような広報は作ることができませんので、出来るだけ早い時期にお知らせが必要です。

工事は1月中旬からスタートしましたがこのお知らせを各戸に配ったのが10月末でした。

広報

予防的な意味で計画的に修繕を行うことも必要

建物・設備は、その仕上げ材料や仕様、施工方法によっても違いがありますが、基本的には時間を重ねるごとに日射による熱や紫外線、空気中の酸素、排気ガスによって少しずつ劣化してしまいます。

劣化は、最初は目に見えないほどゆるやかに進みますが、ある程度の年月がたつと急激に劣化が進む傾向にあります。

あなたが目で見てはっきりと分かるほど劣化していると感じた場所は、実はすでに劣化が相当進んでしまった状態です。

劣化が進むと、その部分だけを修繕すればよいというものではなくなります。

そのような状態になってしまうと、修繕工事が大がかりとなり、費用も多額となります。

劣化が深刻になる前に修繕計画を建てることが重要となります。

計画修繕は、建物・設備の劣化が目で見えるほど進んでから行うのではなく、そうなる前に、予防・保全的な実施が必要です。

(東京都発行の「分譲マンション長期修繕計画・計画修繕ガイドブック」より)

何を計画的に修繕して何を先送りするか?

この判断を的確に出来るのは大規模修繕に慣れた建築技術者です。

さらに重要なことは

管理組合の立場で考えることができること

そのためには、工事費の寡少が自分の報酬をリンクしないこと

この2点は非常に重要なポイントです。

工事が増えれば自分の報酬が増えるのであれば、工事を増やす方向の判断が優先されてしまいます。

いずれは修繕するのですから、今工事をしても間違いではないのです。

何故、10〜12年周期で大規模修繕工事が必要なのか?(準備その5)

外壁タイル、塗装、廊下やバルコニーの床材といった建物の仕上げ材料には、建物を美しく飾る装飾的な意味合いもありますが、それ以上に大切な役割があります。それはマンションの骨組みである鉄筋コンクリートを劣化から守るという役割です。

また屋上防水材料は建物の内部に水が入ることを防ぎます。

言わば、仕上げ材料は建物を劣化から守るバリアのようなものです。

もしも、建物に仕上げ材料がないと、建物の骨組である鉄筋コンクリートは年月とともにどんどん劣化してしまい建物が使用に耐えられなくなってしまいます。

そうなる前に仕上げ材料を定期的に更新して鉄筋コンクリートを健全な状態に保つのがマンション大規模修繕の第一の目的です。

屋上防水、外壁塗装、鉄部塗装、シーリングといった仕上げ材料の耐用年数と屋上防水の保証期間も考慮した修繕周期が10〜12年となります。

この中で一番寿命の短い鉄部塗装の保証は3年間です。寿命は5年程度ですから、修繕周期を6年として大規模修繕工事の間に一度鉄部塗装工事を計画されると鉄部が長持ちします。

逆に鉄部の修繕周期を大規模修繕工事に合わせると塗装費用だけではなく鉄部の修繕工事費がかさんでしまいます。

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理事会、修繕委員会の男と女の話

別に艶っぽい話とか色っぽいではありません。

いやいや、良く考えたら色の話です。

何のことかといえば、大規模修繕に使う塗料や材料を決めるときに男性ばかりで決めないで、女性の意見も良く聞かないと上手くいかないということです。

男性ばかりだと好む色の傾向はどうしても偏ってしまいます。

グレー系やブラウン系を選択しがちに成ります。

逆に女性ばかりでっも偏ってしまいます。

やわらかい色、淡い色を選びがちになります。

出来るだけ、両方の意見を聞くことが大切です。

塗装のマンションでは組合員へ向けアンケートを行い決定の参考とします。

特にマンションの場合は住空間ですから、女性の意見を尊重しないとなりません。

下の写真の様に現状の色だけではなく、周辺と調和した色も候補としてあげ、色の調和も大切になります。

設計事務所は組合員のかたに「どの色を選びますか?」と聞くのではなく

数ある中から最良と思われる案をあらかじめ用意しておく必要があります。

ちなみにこの部分の色はタイルとの調和を考え、現状の色よりも濃い、一番上の色を選定しました。

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マンション大規模修繕は管理会社が主動するものなの?(準備その4)

マンション大規模修繕の準備をどのように進めているかいろいろな管理組合で伺いますと
「築10年目ころに管理会社から「来年から再来年に大規模修繕を行いますと知らされました」という声をよく聞きます。

中には「調査診断を行いましたところ、工事にこれくらいの費用がかかります」とか「私たちが設計監理を行いますとこれくらいの費用が掛かります」といった話が出てきます。

このような流れの中で、

いつの間にか調査診断が進んでしまったり(有償です)

設計が出来上がってしまったり(これも有償です)

何も言っていないのに3社分の施工会社の見積もりが出てきたり・・・

もう、後戻りが出来ないような状態になったかのように感じてしまうが、どうもおかしい・・・

こんな悩み相談のお電話を良く頂きます。

組合の皆様は管理会社さんとケンカする必要はありませんし、そんなことを私は勧めませんが、

まず、大規模修繕の主役は管理会社さんではなく、管理組合つまり理事会さんです。

こんな話を聴いたことがあります。

管理会社さんは、決して無理に、強引に大規模修繕を進めない。

ところが、管理組合が迫り来る大規模修繕に無関心だったり、すべて管理会社にお任せするような態度をとると、親切心からどんどん話を進めざるを得ない。

後になってから管理組合の方から「組合に相談無く管理会社が強引に進めた」と言われるのは心外です。
一方的に管理会社を責めるのも、どうかと思う」

また、今時の管理会社は管理組合が「大規模修繕は設計監理方式で進めたい」という意思表示をすれば、それを最大限に尊重するのが普通の管理会社です。

というお話も聞きます。

ただし、設計監理方式で進めるときに、管理会社が設計事務所として手を挙げることもめずらしいことではないとのこと。

一度、原点にもどり、管理組合として、どのように進めるのか?

設計事務所をどのように選ぶのか?

どのような設計事務所を選ぶと良いのか?

組合が主体となって考えることのような気がします。


どうしてマンションには大規模修繕工事が必要なのか?(準備3)

皆さんのマンションはどのくらいの寿命があると思いますか?

コンクリートの建物は60年持つとかいや100年持つと言われていますが、これは鉄筋コンクリートの寿命であって仕上げ材料の寿命ではありません。

いわば、仕上げ材料がコンクリートを保護していて、仕上げ材料がないとコンクリートの建物の寿命は30年くらいかも知れないのです。

では、仕上げ材料の寿命はどれくらいの長さだと思いますか?

10年、15年、20年?

実はマンションに使われている仕上げ材料の寿命(耐久性)はどれも意外と短いのです。

一番長いものは屋上に使用されているアスファルト防水で保証期間は10年間で耐久性は15年程度です。

それ以外の材料、たとえば外壁の塗装は5年保証で10年くらいの寿命、鉄部塗装は2〜3年の保証で6年の寿命、シーリングも長くて5年保証で10年の寿命と保証期間も寿命もそれほど長くはありません。

塗装の表面が白く粉を吹いていたり、シーリングが硬くなっているのを見たことはありませんか?

そのため、建物は一般に、建築後10年〜12年程度経過すると、建物に何らかの劣化が進んでいると考えられます。

したがって、築後10年以上たっているのに修繕工事を全く行っていないのであれば、早急に専門家に依頼して劣化診断を行い、修繕工事の実施のための準備に着手することが必要です。

(東京都発行の「分譲マンション長期修繕計画・計画修繕ガイドブック」より)

外壁(タイル張)の補修・修繕周期は、10〜15年

(国土交通省発行の「改修によるマンションの再生手法に関するマニュアル」より)

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現地での確認

現在工事中のマンションでは2週間に一度、組合の修繕委員会と定例会議を開きながら工事を進めています。

工事について写真の説明だけでは分からないこともたくさんあります。

そんなときには、現地で説明を行います。

そうすると、写真だけでは分かりにくかった問題点が皆様にご理解いただけるようになります。

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