マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2013年04月

爆弾低気圧の憂鬱2 恐れていた事件発生

恐れていた爆弾低気圧のとばっちりがありました。

月曜日の朝に現場の所長さんから電話がありました。

疲れ切った声で

「実は土曜日の大雨の中、現場で漏水事故が発生しました。」

状況を聞くと

「バルコニーに大量の水が溜まり、部屋の中に漏れ出し、深夜に対応した」とのことです。

理由を聞くと

前回の大規模修繕のときのウレタン防水材がバルコニーの排水口の中に流れ込み排水パイプをふさいでいました。

とのことです。

早速、その写真を送ってもらいました。

写真のように排水パイプは前回の大規模修繕工事のときに誤って流れ込んだウレタン防水材にほとんどふさがれています。

運悪くこの排水パイプには屋根からの雨水も流れ込む構造となっており、1時間に100mmを越す雨水が流れ切れずにバルコニーにあふれ出たとのことです。

管理会社の緊急コールセンターからの電話で現場スタッフが大雨の深夜に現場に駆けつけました。

浸水のあった部屋のオーナーはカンカンに怒っていたそうです。

「一体どんな工事をしてくれたんだ」と開口一番に怒りをぶつけられました。

詰まっている排水パイプを切断してみると、写真のような状態であり、理由を説明したところオーナーにもご理解頂き、怒鳴ったことへの謝罪とねぎらいの言葉があったそうです。

それにしても、前回の大規模修繕では、どんな会社が、一体どんな工事を行っていたのでしょうか?

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屋上点検がなかなか出来ないマンション

建物の現状を見せて頂くということで先日あるマンションにお邪魔しました。

管理員さんに屋上を見せて欲しいので「屋上へ行く鍵を貸してください。」とお願いしたところ

「私たちも怖くて屋上はあまり行けないんだよね」と言われました。

でも、屋上防水は建物の重要な要素ですので、強くお願いをしました。屋上へ行くにはハッチで行くことになります。梯子を借りていきましたが、この屋上のハッチというのが曲者です。

ハッチの入り口は60cm角ほどの空間しかありませんので太めの人やご高齢の方には点検は困難です。

ちなみに私は糖質制限をしているのでおなかがハッチにつかえずに屋上に無事登れました。

管理員さんはずいぶんの間登っていないようですが、屋上防水が大きく膨れていました。

写真をご覧ください。

排水口にも草が茂って排水口が半分ほど土砂で詰まっていました。

これはちょっと、危険な状態です。

ここで問題なのは点検を行い難い建物形状と点検をあまり行えない管理体制です。

点検を行わないということは大手管理会社が行っているような定期的な建物状態のリポートが組合に伝わっていないということです。

漏水だけではなく、排水口が詰まっていると先日のような爆弾低気圧で集中豪雨が発生すると排水が追いつかずに防水層の上まで雨水が来てしまいます。

そうなると室内に雨水が浸入し大きな被害が出ます。

連休を過ぎると梅雨の季節になります。

その前に皆様のマンションの屋上排水口を一度点検してください。

屋上点検が管理内容に入っているのであれば、理事会から管理会社に強くお願いしてください。

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糖質制限の謎

先月来、食事の糖質制限を行っております。88キロあった体重が84.5キロまでおちましたがその付近で落ち着いております。

謎の一つ目は体重がすとんと一度落ちたきり、その後体重が落ちないことです。
謎の二つ目は糖尿病の知人に糖質制限の話をして勧めてみたところ、彼の罹りつけのお医者さんからは拒否されたことです。

お医者様の答えは「欧米人には合っているけど、日本人は古来から穀物を中心に食事をしてきたので、糖質制限食は健康を失うのでやらないように」とのこと。

穀物といっても、庶民がまともに白米を食べられるようになったのは江戸時代の江戸からですから、歴史的には非常に浅いはずです。

白米だけではなく小麦といった糖質を多く含む食品を必要以上に恒常的に大量に摂取することが糖尿病の一因ではないのか?と疑問に感じるのですが、どうなのでしょう?
一部で言われているようにカロリー制限をしないでも大丈夫というのはちょっと眉唾ですね。

先日あるアメリカのドキュメンタリーを見ました。

補助金によって安く作られた小麦ととうもろこしによって食肉を含む大量の食品がファストフードのように安価に供給され、それを購入するあまり裕福ではない層が糖尿病に掛り高価な薬代で苦しんでいる現実を伝えていました。

なんだか、マッチポンプという言葉を思い出しました。

このお話も一緒ですね。

血糖値が下がリにくくなる病気でありながら、血糖値上昇の原根本因を取り除こうとしない。
どう考えても科学的とは思えない理由をつけ実行を阻む。

私が以前ご相談した糖尿病の専門医の方は薬を使わずに済むならその方が良いですと、同じ考え方のお医者さんを紹介されました。

血液検査を行うと「薬を使わずに改善しましょう」といわれました。

その先生に糖質制限の可否を伺ってみたいものです。

爆弾低気圧の憂鬱

又も春の嵐です。

各現場には、強風対策を徹底してもらえるように確認の電話を昨日のうちから入れてあります。

どの現場もすでに対応していました。

写真の様に養生シートを一部外して風の逃げ道を作ります。

このような対策を事前にとっておけば、万が一にも足場が倒れることはありませんが、強風が続くと仮設足場のゆるみや養生シートがはずれ騒音が出ることがあります。

そんなときには遠慮なさらず、現場事務所、現場監督の携帯に連絡してください。

どの会社の所長さんも夜中でも飛んで来て、直してくれると思います。

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黒メッシュシートはいかがですか?

バルコニー面(写真右)だけ施工会社の提案で黒いメッシュシートにしています。

黒いメッシュシートは白いメッシュシートと比べると若干高いです。

全面黒いメッシュシートにすると圧迫感がありますので、使い分けも必要です。

これが全面黒いメッシュシートなら相当の圧迫感です。

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幻想的な仮設足場

現場定例を終えて帰り道に建物を見上げると

仮設足場が幻想的に美しく見えました。

とうとう私も足場マニアになってしまったのでしょうか?

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なぜ、こんな調査診断報告書が横行するのか?(準備その9)

よく、管理組合の方が「調査診断は終わっているよ」と言われ見せて頂く調査診断報告書で多いのが塗装メーカーや施工会社さんが無料サービスで作ってくれる調査診断報告書です。

ページ数にして10ページくらいのものです。

劣化写真と簡単な劣化の評価で構成されています。

塗装の引っ張り試験結果がある場合もあります。

これは、マンションが大規模修繕の時期を迎えているかどうかの判定の目的で作られたものでいわゆる「簡易診断」と言われるものです。

次によく見るのが管理会社さんで作る調査診断報告書でページ数で30ページくらいのものですが、一言で言うと劣化写真集の範囲に留まるものです。

塗膜引張り試験、コンクリート中性化試験の結果はありますが

組合員の建物に対する意向がわかるアンケート調査

総合所見、部位別の劣化度の評価

修繕標準仕様書

修繕工事概要

工事概算金額書(数量、単価、価格の提示)

このようなものがありません。

この調査診断報告書の目的は理事会、管理組合の皆様に建物の状況知ってもらい、組合内のコンセンサスを得て大規模修繕工事に着手するためです。

つまり、両者とも「調査診断の目的」が違うため、同じ「調査診断報告」でも必要とする内容が違ってきます。

協議会で提案している調査診断報告書の目的は

「組合員の意向を踏まえ、工事の内容や予算について理事会、修繕委員会内で検討を行うのであれば、その基礎資料となるもの」

という見地ですから以下の資料が必要です。

組合員の建物に対する意向がわかるアンケート調査

総合所見、部位別の劣化度の評価

修繕標準仕様書

修繕工事概要

工事概算金額書(数量、単価、価格の提示)

ところが管理組合の総意として、全て管理会社さんや施工会社さんにお任せしたいというのならこれら資料は施工会社選定までの期間に準備できれば工事に支障はでません。

どのように大規模修繕に取り組みたいのかという管理組合の意向は重要です。

もっとも、一番困るのは、設計事務所に有償で発注しながら出てきた資料の中でこれらの資料が不十分で、結局調査のやり直しという事態になってしまうことです。

管理組合さんの出費は2重になり、時間のロスも少なくありません。

他社の批判はちょっと控えますが、一体何のための調査診断なのか?

管理組合によく説明したのか?

引き継いだ設計事務所は大変困ってしまいます。

繰り返しになりますが、管理組合(理事会)としてどのように大規模修繕に取り組みたいのかという意向が大規模修繕を進める上でたいへん重要になります。


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