マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2013年06月

管理組合への甘い誘惑−2

昨日の続きです。

私は電話で相談を受けた組合の理事に

「施工会社選定には、調査診断と設計をお願いした施工会社も業者選定加えるのですよね?」と伺うと

「それが無料で行う条件です」という答えです。

一旦電話を切って、いろいろ各所にヒヤリングをして私が出した答えは「この話はちょっと怪しい話」です。

設計事務所が行うと150万円掛かる仕事を無料で行って、施工会社選定を組合に任せてかなり高い確率で落選するかもしれないリスクを負う施工会社があるでしょうか?

何か「確実に受注できるしくみ」があってもおかしくないはずです。

この話を知り合いの設計者、施工会社、メーカー等にしたところ「確実に受注できるしくみ」がおぼろげに見えてきました。

そのしくみとは、調査が終わり業者選定がはじまった段階で施工会社選定に参加した施工会社に対して調査と設計を行った会社が「当社が調査診断と設計を管理組合から頼まれている物件なので今回は降りてくれませんか?」とお願いするらしいです。

施工会社が調査診断から設計、工事まで行う「責任施工方式」で行っているのであれば不自然な話ではありません。

管理組合が工事価格をチェックする意味で他社からも見積を徴収すると言うことは珍しいことでは無い様です。

施工会社が管理組合から直接調査、設計を依頼された物件ですから他の施工会社は無理に取りにいきません。というか行けません。

仁義というか遠慮があるようです。

各社とも、依頼を受ければ見積は作成してくれますが、高めの金額を出すのでしょうね。

ここで、決め手になるのが「この物件は管理組合からの依頼で調査と設計を行った責任施工方式である」という事実です。

ヒヤリングをした中でこれと似たようなことが以前に友人が住むマンションでもあったそうです。

管理組合への甘い誘惑−1

先日、大規模修繕セミナーに参加された管理組合の方から電話相談を受けました。

その組合は設計監理方式で大規模修繕を進めることを決めているそうです。

マンションは中規模でいくつかの設計事務所から調査診断と設計と工事監理の見積を取ったのですが、発注したい意中の設計事務所は総会で決議した予算よりも見積金額が少々高く予算を増やすかどうか理事の皆さんが悩んでいたそうです。

管理組合で見込んだ予算は管理会社から聞いた調査診断設計監理で250万円でした。

修繕積立金が決して潤沢ではないので、調査診断と設計で150万円、施工業者選定と工事監理で150万円合わせて300万円の見積金額は予算より50万円オーバーです。
この出費は管理組合にとっては大きな金額という認識です。

そんなときに修繕委員の一人からこのような「魅力的な申し出」があったそうです。

魅力的な申し出とは、大規模修繕を手がける建設会社に勤めている友人に、設計事務所の見積金額の話をして費用を下げる方法の相談をした時のことです。

その友人から「うちの会社は今キャンペーンをやっていて、調査診断と設計を無料でやれるけど?やってみないか」という申し出を受けたそうです。

調査診断と設計は誰がやっても大きな差が出ないと説明を受け、さらに施工会社の選定以降は管理組合で行って欲しい、そうすれば、施工会社選定の公平性と透明性は確保できるという話です。

こんな話があるのに、何も設計事務所に高い費用を支払う必要がないと思いませんか?もしもどうしても設計事務所が必要なら工事監理だけ頼めばよいのでは?という話をされたそうです。

理事の多くはその話に興味を持ち「とても良い提案ですね。その方法に賛成です」と言い出す理事も何人かいたそうです。理事長をはじめ理事の何人かは何か引っかかるものを感じその場での決断を避けて各理事と情報収集行うことになったそうです。

電話をくれた理事の方はとても不安そうに「世の中、只より高いものは無いですよね。この話はちょっと怪しくないですか?何か裏があるのではないですか?」と質問されました。

皆さんこの話しをどのように思われますか?

無料で調査診断と設計をやって頂けるなら得な話ですか?

それとも、何か怪しい話でしょうか?

「設計事務所選定の怖い話」 本当の恐怖 

プレゼンを仕切っている管理会社さんに問い合わせをしたところ、今回のプレゼンテーションは会場の都合と1社当たりの説明時間の都合(説明20分、質疑20分)でプロジェクターを使わないで書面で行う方が良いという結論になりました。

実は私プロジェクターを使わないプレゼンテーションってほとんど経験がありません。

これには、困りました。

プロジェクターが合ってよい点は現在説明している内容とプレゼンテーションを受けている人が同じ画面を見ることによって共有ができることにあります。

そこで、提出書類をファイルに綴じて、営業担当と二人で伺い、話していないほうが、資料のどこを説明しているかを説明者の横で示すことにしました。

指定された時間に会場に着きましたが、我々の前の会社がプレゼンテーションを行っていました。

時々笑い声が聞こえ、盛り上がっています。

時間も10分過ぎていて、笑い声のうちに我々の前の会社のプレゼンが終了しました。

いよいよ、プレゼンが始まりました。

私は一生懸命自社を採用するメリットを説明しましたが、なぜか組合の皆さんの反応はいまひとつで、前の会社のような笑い声も出ません。

その後の課題の答えを熱心に説明しましたが、時間が淡々と過ぎていきました。

要所、要所で組合の皆様が説明にうなずいてくれましたが、なぜか質問も少なく、時間通りに淡々とプレゼンは終了してしまいました。

「あれれ、空振り?」

なぜか、冷えたプレゼンになってしまいました。

紙資料でのプレゼンテーションの練習不足?

これでは、頑張ってくれた事務員さんに申し訳が立ちません。

何時の間にか降り出した雨の中を営業担当者とトボトボと駅に向かいました。

お客様から選んで頂く立場に立った人にはわかるかと思いますが、力を入れて準備したはずのプレゼンテーションがなぜか盛り下がってしまう。

これは「本当に怖い話」です。

本当に怖かったのは「プレゼンテーションのお題」ではありませんでした。

設計事務所選定の怖い話の続き

結局、私がメリットとして思いつくことを上げて、事務担当の女性(マンション区分所有者)に「客観的に見てどう感じるか?」管理組合のメリットと感じるかの感想を聞きました。

私が上げた内容は

1. 施工業者の選定支援と工事監理という今回の委託業務と同様の物件の経験が豊富なこと。

2.修繕内容の適正化ができる。

3.多数の管理組合から信頼を頂いている。

4.公平で透明性のある施工会社選定ができる。

5.安心してお任せ頂けるノウハウがある。

6.大規模修繕に対する管理組合の負担を減らす支援を行うことが出来る。

7.事務所からマンションまで短時間で行くことが出来る。

このような項目にまとめてみました。

事務の女性は納得した部分もあれば、時には首をかしげながらも説明を聞いてくれました。疑問点については適切なアドバイスもくれました。
それを含めた提案書にまとめてそれをファイルに入れてくれました。

具体的なことはライバルに知られてはいけないのであえて今回は記載しませんが(ライバルはこのブログを見ていないと思いますが念のため)

このブログをごらんの同業者、施工会社の方(いらっしゃればの話ですが)も一度このような「管理組合のメリットの棚卸し」をしてみてはいかがでしょう。

これで、準備はバンタンです。

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恵比寿のついていない1日

打ち合わせへ行く前に恵比寿で食事をしました。

先週末にうれしいことがあったのと現場監理で検査が続いて疲れているので久々にうなぎでも・・とうなぎ屋さんを駅に近いお店をネットで探しましたが、うな重の真ん中の値段のものが3,500円とものすごく高い割にはさっぱりおいしくありません。

うなぎもご飯もいまひとつ。うなぎは小さく薄く、ご飯はべたっとやわらかいので、うなぎだけ食べご飯はほとんど食べずに店を出ました。

打ち合わせの帰りにお腹が減ったので駅前に「札幌ラーメン」の有名店の恵比寿支店があったので、ちょっと寄ってみました。

なんとラーメン850円 高いですね。

しょうゆを頼んでみました。

うーん。はずれです。

炒めた野菜がたくさん載っているのが札幌ラーメンの特徴ですが、その野菜がほとんど載っていません。

この店の特徴かも知れませんが、これだけ暑いのに、スープの表面をラード目いっぱいで覆わなくてもよいと思いますけどね。スープを飲むときにラードに負けてスープの味がしません。上手くスープを飲めた時はすごくしょっぱい。麺と具だけ食べてスープは残しました。

札幌の店もしょっぱかったですが・・・いつもお客さんでいっぱいでした。

札幌とすべてを同じにすることが東京で商売をやる上で正しい選択なのでしょうか?
そのせいかどうか、お客様はポツポツしか入っていませんでした。

リピーターが少ないのか?

どうも、恵比寿とは相性が良くないようです。

施工会社の選定 その7

選定の本質とは「どのように施工会社選定を行うのか?の手順を公開してもらい、各社の方法を比較検討を行うこととプレゼンテーションの場で施工会社の選定方法を説明してもらい納得できる設計事務所と契約すること」ではないでしょうか?

最初のセミナーで質問をされた組合の皆様も「見積業者をどのように選ぶのか?」で合意が取れていれば、設計事務所とのトラブルは避けることができたはずです。

設計事務所から推薦をしないことや募集条件を一元化して判断すること。特別枠を設けないこと。

選定は話し合いありきではなく、まず理事、修繕委員の投票結果を見てから話し合うこと。

選定に入る前に選定のルールも決めてください。

「選定の不透明さ」はセミナーで質問があったように設計事務所だけではなく、残念ながら組合内でも良く聞きます。

組合内の「ボス」が「お目当ての会社をゴリ押しする例」もあります。

このような中でどのように、公平性と透明性を担保していくか?

「公平性、透明性を持った施工会社選定システム」を持っている設計事務所と担当者と付き合えばよいだけの話です。

設計事務所の選択を見積もり金額が安いことや会社の規模や実績だけで判断すると「こんなはずではなかった」となります。

管理組合内の推薦を受けたときにその会社が選に漏れると「不公平」を唱える人がいます。

中には「組合員(理事)の推薦なのだから見積もり参加させるくらい常識だろう」という選定の根源を崩しにかかる人もいます。

「そもそも募集条件自体が厳しすぎる」と言った意見や「特定建設業登録さえあれば良い」という極端な意見も出ます。

理事、修繕委員の皆様はこのようなゴリ押しに負けないでください。

設計事務所の担当者の気が弱ければ、ここでごり押しに負けてしまいます。

設計事務所選びのときに担当者が重要だと言ったのはこのような場面が多々あるからです。

ダークな話ですが、施工会社選定で特定の会社に便宜を図るために理事・修繕委員になった人、悲しいですがそれが目的で理事長、修繕委員長に立候補した人もいます。

中には理事・修繕委員に取り入り「組合内の実力者」として、設計事務所や施工会社から便宜を図ってもらおうとする人もいます。

施工会社から聞いた話ですが、さらに驚くことに自分の経営する会社に相場よりかなり高い金額で大規模修繕工事を誘導する理事長もいます。

設計事務所が入っていて、事務方をやっていればこれらの方の思惑や活動に多少なりとも制限を加えることができます。

公平性・透明性を担保できるシステムを持った設計事務所と力を合わせてこれら「不逞の輩」から組合を守ってください。

施工会社の選定 その6

施工会社の選定の話がいつの間にか設計事務所の選び方になってしまいました。

選定の時には、設計事務所という会社組織を比較することも重要ですが、担当者の経験と資質も後の施工会社選定においては重要になります。

設計事務所を選定する際にはかならず担当者の面談を行ってください。

設計事務所を選ぶときに一番のネックは見積の価格差があると、安い設計事務所を選ぶことになりやすく、見積金額が高い会社は選ぶことが困難になりやすいと言うことです。

設計事務所から見積を徴収したときにどうしても見積金額の差に目を奪われがちですが、金額についてもちょっとだけ広い視野で考えてみてはいかがでしょうか?

たとえば見積もり金額が1.5倍違うと言っても、大規模修繕プロジェクト全体で考えてみてどの位の差でしょうか?

大型物件 350戸の大規模修繕において、ある設計事務所の見積金額が600万円でもう一方の設計事務所の見積金額が400万円だったとします。

この金額だけを比べると200万円の差はとてつもなく大きいように見えますが、想定される3億6千万円の工事費を基準にして比較すると3億6千600万円と3億6千400万円の違いです。

200万円の差であっても全体からみると「たった200万円の差」になります。

工事費と比較すると600万円が1.67% 400万円が1.11% その差は0.55%でしかないのです。

想定工事費が4,000万円の場合設計事務所の見積もり金額の差40万円が総予算に対して1%の差でしかありません。設計監理費見積の200万円と240万円の差は2割の差ではなく1%の差と考えればいかがでしょうか?

大きな金額のコントロールを支援してもらうために支払う金額なのですから、設計費の差に固執してしまうとダンピングをしている設計事務所に発注する形にしかなりません。

設計事務所選定がすべての選定の一番初めにきますので、組合としてはどうしても慎重になるのはわかりますが、工事金額と比べると、実は設計費の200万円の差は比較するまでもないわずかな差です。

つまり、「設計事務所の選定の中で見積金額はさほど大きな問題ではない」と考えると、より本質的な点が見えてきます。

施工会社の選定 その5

マンション大規模修繕に対してほとんど詳しくない管理組合が施工会社選定のときに頼りになるパートナーであるべき設計事務所。

その設計事務所がなんらかの理由で信頼できないとなると管理組合は誰を頼りにすればよいのでしょうか?

やはり、管理会社?それともマンション内の建築に詳しい人?

そもそも、管理会社を100%信頼しているなら設計事務所に相談はしませんね。
これは間違いではありません。

管理会社に何らかの不満や不信感があるので、設計事務所という選択肢を選んだわけです。

その設計事務所を頼れないなら?・・・では、マンション内の建築に詳しい人?

建築に詳しいといっても大規模修繕に詳しい人なら良いのですが、新築に詳しい人やインテリア、構造設計、設備設計、施工会社、ハウスメーカーに勤めていたから・・・と言ってもマンション大規模修繕を知らない人が的確な大規模修繕についての判断やまして施工会社選定が出来るとは思えないのです。

その理由は自分たちで施工会社選定をやってみたけど、どうにもならないので支援して欲しいという業務が毎年複数以上あります。

また、マンション内に居住者が住みながら行う工事、つまり建物を使いながらの工事というのは建築業界的には少数派になります。

新築であれば、工事現場内には工事関係者しかいません。居住者に対して気遣いをしなくてはならないというマンション大規模修繕の大前提の経験がないと、何を基準に施工会社を選べばよいのかが、わからないはずです。

ところが、同じ建築にかかわることだから・・・と軽く気持ちで引き受ける人もいます。

組合内の建築関係の方も最初のうちの考えはこの様な考え方です。

「この程度の工事に設計事務所なんかいらない。俺がやってやる。」

「うちの組合は貧乏だから設計費は払えない。しっかりした施工会社に頼めば上手くいく」

「大規模修繕だから設計者も施工会社も新築の経験がなくてもよい」

これはすべて、実際に組合の理事長や理事、修繕委員から言われた言葉です。

このように大規模修繕を非常に軽く考えているというか悩まないという言葉がぴったりの言動もよく耳にします。

ところが、いざ施工会社を選ぶための見積を取ったときに、新築と同じような見積の取り方では、修繕工事の内容、数量、仕様・・・とすべてがバラバラで比較が出来なくなってしまいます。

この段階で会社に相談電話が入ります。

やはり、施工会社選定には、設計事務所が必要なのではないかと思います。

では、どのように信頼できる設計事務所を選べばよいのでしょうか?

施工会社の選定−4

ちなみに設計事務所をどのように選びましたか?

セミナーの質問の中で出た設計事務所ですが、この管理組合ではどのように選んだのでしょうか?

大手で、実績があって、見積価格が一番安いから?

一番よい会社を選んだということなのでしょうけど、これは正しい選択ではなかったということですね。

私どもも何度もこの会社には煮え湯を飲まされています。

これまでも私たちの出す見積もり金額の5〜6割の金額で受注していきます。

私たちが受注できなかった管理組合の方に選定の決め手を伺うと「見積金額が安かったから」という答えです。

「そんな金額は怪しいと思い質問をしたそうです。

帰って来た答えは「私どもにはたくさんの社員がいて、遊ばしておくより安くでも仕事を受注したほうがよいです」といわれました。

それで、多くの理事が納得したそうです。

できればこのあたりで「この会社あやしいぞ」「何か裏がある」と思って欲しいのですが、多くの組合は「安いことは正しい」という判断でその安い設計事務所と契約してしまいます。

「只より高いものはない」「安物買いの銭失い」という言葉もあります。

「高いものには理由がないが、安いものには必ず理由がある」ともいわれます。

チューリップ満開

札幌では祖母と母を連れ「滝野すずらん公園」に出かけました。

祖母は花を見ると喜ぶので出来る限り花を見に行くようにしています。

今回はチューリップが満開でした。

丘一面に咲いたチューリップを見てとても喜んでくれました。

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