マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2014年01月

工事費を下げるために

このブログでも何度か取り上げているように増税前の駆け込みで、工事現場が混乱しております。

大規模修繕を間近に控えた組合の皆様は「今は高い買いものになる」と警戒し「しばらく様子を見よう」と思っていらっしゃるかも知れません。

ところが、施工会社の方にヒヤリングを行ったところ
「今はどの会社も忙しくても、今年の秋工事からは仕事がすくなくなるかもしれません。今から秋工事の仕込みに入りますので、工事費の削減を考えているならできるだけ早く見積もりを出した方がよいです。」

といった回答がありました。

通常秋工事の施工会社選定は4月頃から行いますが、今年は2月頃から始めようと思います。

なぜ、設計事務所に頼むのか?

昨日、この大混乱している工事の状況で公後悔しないためには設計事務所にコンサルをお願いした方が良いですよというお話をしました。

しかしながら、理事や修繕委員の皆様は組合員に対してなぜ、設計事務所が必要なのか?を説明する責任があります。

どんなメリットがあるのかを明確にしなくてはなりません。

この部分は大変難しい部分です。

でも、それは理事や修繕委員の皆様が考えることではなく、実際に仕事を行う私たちのような設計事務所が皆様に伝えるべきことでもあります。

責任施工方式、管理会社委託方式、設計監理方式のうちどれが優れているか?といった問題ではありません。

どれを選ばれても、大規模修繕が上手く行くこともあれば、上手く行かないこともあります。

そもそも、上手く行った大規模修繕とは何か?

ここからお話をしていく必要があります。

大規模修繕の現場の混乱を避けるために

現在の大規模修繕の混乱が何時まで続くのかは誰にもわかりません。

しかし、混乱に巻き込まれない方法がいくつかあります。

一つ目は余裕を持って工事の準備を行うことです。

なぜ、混乱するかといえば、施工会社が時間のない中で準備をしなくてはならないからです。足場の準備や職人さんの手配も前もって約束しておけば大丈夫です。

この混乱はいつか終わります。

今回約束を守れなかった会社は仕事が落ち着くと真っ先に取引先から外されるでしょう。

建設関係者は皆わかっていることです。

そうならないように義理を欠かさないのが建設業界関係者です。

二つ目は余裕のある工事工程を組むことです。

混乱が続いているので、キチキチの工程を組むとちょっとした天候の不順が大きく響きます。多少長雨が続いてもどこかで吸収できるような工程を組みます。小規模な物件でも3ヵ月半、ちょっと大きくなると5ヶ月程度の工程を見ておくことをお奨めします。

三つ目は設計事務所に調査診断、設計、業者選定、工事監理を依頼することです。
建物を調査し、工事内容を検討しコストコントロールやスケジューリング、適切な施工会社の選定支援、工事品質を確保する工事監理、そしてアフターフォロー

工事現場が混乱しているときこそ、不良工事を防止し、アフターフォローを大規模修繕の経験豊富な設計事務所に依頼すべきです。

ただし、大規模修繕工事は居住者の皆様が住みながら行う工事です。工事関係者しかいない敷地で行う新築工事に比べ居住者に対するいろいろな配慮が求められます。

居住者の安全、防犯、トラブル防止・・・管理組合や居住者と施工会社の意思伝達の支援、どれも新築工事では経験できないことです。

未経験の設計事務所、担当者に依頼するのは問題です。

原発には賛成できないけど、あなたには投票しません。

とうとう、元総理の一人が都知事選に立候補して、もう一人の総理が支持を表明しました。

「原発ゼロでも日本は発展できるというグループと、原発なくして日本は発展できないんだというグループとの争いだと思う」(小泉純一郎 元首相)

そもそも、反原発なのか原発容認なのかは国政レベルの判断ですので、原発の是非を問うのは国政選挙で行うべき問題です。

なぜ、東京都知事選挙という地方公共団体の長を選ぶ選挙にこの争点を持ち出す必要があるのかまったくわかりません。

自民党元総裁は郵政改革を争点として大勝した過去の成功が忘れられずに都知事選でも原発反対の支持を訴えるとは都民をバカにしているとしかと思えません。

狂気の沙汰です。

この二人には、とても強い嫌悪感があります。

やっと初詣

明治神宮に初詣に行きました。

まだまだ凄い人出です。

毎年、ここへ来ると身が引き締まる思いがします。

祖母と母の分もお参りをしました。

そしてお守りをいただきました。

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「脱原発」だけでは選べない。

東京都知事選に「脱原発」を掲げ元首相が立候補しようとしています。

でも、「脱原発」を都政の中心に掲げるとは真意を測りかねます。

ただ、当選したいから「脱原発」を掲げているのではないのかと勘ぐってしまいます。

「原発に反対なら投票すべし」「投票しないのは原発容認どころか原発推進派か?」

このようなロジックで都知事選を原発に対する意識を計る試金石とするのはやり方があまりに姑息です。

そのような不毛な判断を要求する元総理は「単に権力が欲しいだけ」なのかもしれません。

果たして、そのような人間が知事にふさわしいのか?大きな疑問です。

「国民が望むことを実現するのが政治」「民意を国政に反映させるのが政治」と言う人もいるでしょうが果たして本当にそうですしょうか?

政治の最大の目的とは第一に国民の安全に生きるために国家が生き残ることだと思います。

国家の安全と国民の望むことが一致すれば良いのでしょうが、そこは一致しない場合が多いと思います。

マンションに例えてみると「修繕積立金を下げたい」「できるなら修繕積立金をゼロにして欲しい」というのが組合員誰しもが思うことです。しかし、修繕積立金を下げると当然ながら修繕の実施が困難になります。そもそも管理組合や修繕積立金の存在意義は共有財産である建物の維持です。

これを考えると理事会として、現実に組合員から要望があっても修繕積立金を下げることや取りやめることは容認できないと考えるのが普通です。

ところが、「修繕が必要なときは、そのときの組合員が一時金で修繕を行うこととして修繕積立金をすべて取りやめる」という決定をした管理組合があるそうです。「その時点での積立金は組合員ですべて分配する」というおまけもつきました。

この案を推進した理事長は決定後、修繕積立金の分配金を手にして新築マンションへと引越しをしたそうです。

このマンションは修繕時期が来ましたが、大規模修繕の実施目処が立っていないそうです。修繕積立金だけではなく管理組合存在の根底を覆す決定をしたため、建物の存続の危機が訪れる日も遠くないと危惧されます。

今回の脱原発候補の話を聞いたときにこのエピソードを思い出しました。

そういえば5年ほど前に「税金の無駄使いをなくし、税金を下げ、国民への給付を増やし、国民の生活を豊かにする」こんなことを言っていた政党もありましたね。

大規模修繕工事の現場が大混乱している理由

今回の消費税増額のように建築現場が大混乱した時期はいくつかあります。

1990年前後のバブル期には好景気で職人さんが足りなくなりました。

その直後には、バブル崩壊で大手の建設会社が倒産しました。

2000代前半まで失われた10年という建設不況が続きました。
就職氷河期といわれ、建設会社は採用を控えました。中堅の現場監督不足の現委員はここにあります。

少しずつ、景気が回復してきたと思った矢先の2008年リーマンショックが起こり、多くの分譲会社が倒産しました。高齢の職人さんや現場監督が建築の世界から退き、新人の採用を控えました。そのため、職人さんと現場監督の人数はそれ以前の約半数にまで減ってしまったそうです。

現場監督も職人さんも一人前になるまでは、長い年月が必要です。不足しているからといってすぐに養成はできません。

建築業界では、景気がよくなると人手不足が生じて工事の品質確保が難しくなり、悪くなるとマンションが売れなくなるため、販売価格を下げるために無理なローコストが始まりそれによって品質に弊害が発生します。

景気がよくても悪くても問題があり、ソコソコのときに品質が安定します。

完成後12年後に大規模修繕工事を迎えるわけですが、新築時の頃の景気によって建物の品質が変わります。問題のある箇所は大規模修繕でできるだけ直さなくてはなりませんので、1回目の大規模修繕にかかる費用も工事内容も新築時の出来によって変わってきます。

さらに、明らかに新築時の工事ミスがあれば、新築時の分譲会社と施工会社に補修をお願いしなくてはなりません。こんなときに、建築の専門家がいないと工事にミスなのか建物の劣化なのか判断もつきませんね。組合の皆さんはどうすれば良いかわかりません。逆に専門家がそばにいてそうすればよいかアドバイスしてくれればココロ強いと思います。

ただし、新築時の分譲会社や施工会社が倒産しているのでは、どうしようもありまえん。

大規模修繕工事の現場は大混乱

年も明けて、消費税の値上げまであと3ヶ月を切ました。

昨年9月末までに工事契約を行っていれば、工事の完成が4月以降となっても消費税は5%でした。

しかしながら、3月末までに工事を終え、消費税率を5%に抑えようと考える方も多いらしく、工事現場では職人さんに奪い合いとなっているようです。

さらに悪いことには、職人さんの確保ができないため、工事が遅れて仮設足場の解体ができないため、これからスタートする工事現場で使う仮設足場が不足しているようです。

このような状況では、工事を終えることが現場監督の最大の目的となってしまい、工事の品質まで手が廻らないといったことになりかねません。

大規模修繕工事を行っている管理組合の皆様は工事の品質に気をつけてください。

使用する材料は契約どおりのものが使われているか?

契約どおりの工法で行われているか?

塗装は決められた回数塗られているか?

ウレタン防水は規定の厚みが確保されているか?

こんなときこそ、品質管理が大事になってきます。

このようになった原因はこれまで続いた建設不況のせいで職人さんが廃業したり、転職してしまい、職人さんの人数が10年前の半分までに減ったところに消費税値上げのために仕事量が例年よりも2倍以上増えたためです。

そのような職種であっても職人さんはすぐに一人前にはなりません。

そのため、このような状況がどれくらい続くかまったくわかりません。

「契約どおりの材料、工法、回数、厚み なのか素人にはまったくわからない」と嘆かれるかたも少なくないかと思います。

そんなときのために設計事務所が管理組合の皆様に代わり品質管理を行います。

大規模修繕工事の設計監理費は工事の規模にもよりますが、たいていの場合3%から5%程度です。

1億円の工事で400万円

5000万円の工事で300万円

3000万円の工事で200万円

といった感じです。

消費税よりも安いと思いませんか?

設計事務所の選び方と誕生日

1月5日に51歳となりました。

正直、とても信じられない年齢です。

馬齢を重ねるとはこういうことなんでしょうね。

そこはともかく、こんな私でも昨日は社内の非公認組織で、寿司をこよなく愛する同好会「寿司部」でお祝いをして頂きました。

五反田ランチ寿司ランキング1位の「阿部」へ出かけ、ランチをご馳走になりました。

もっとも、このランキングは私が五反田駅周辺のランチのある寿司屋さんを廻り実食して作りましたので、寿司部の皆様に喜んで頂けるかちょっと不安でしたが、とても気に入って頂けました。

良かったです。

ランチの寿司でその店の実力というか味の傾向が大体わかりますので、「今度お客様との食事や社内での行事にも使えるよね。」という話になりました。

そこで、ちょっと頭の中の電球に光が灯りました。

時々「大規模修繕で設計事務所を選ぶときにどのように選べばよいのですか?」という質問を受けます。

見積金額で選んでも大丈夫か?と聞かれます。

実は見積金額では何もわかりません。

ランチ寿司で寿司屋さんを選ぶように何かお試しで候補の設計事務所から話を伺う機会を設ければよいのではないかと。

実際にその店で寿司を食べないで会食や社内行事には使いません。

大規模修繕に対するテーマを決めて設計事務所から説明して貰えばその設計事務所の実力がわかります。

例えば

大規模修繕のサポートで設計事務所どのようなことを行ってくれるのか?

大規模修繕のサポートで特に大切なことは何か?

施工会社をどのような方法で選ぶのか?

このマンションの現状と修繕に対する提案を聞いて見るのも良いかと思います。

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今年はこんなに雪が降りました。

今年の正月は札幌に帰省していましたが、例年に比べ積雪がかなり多いです。

上の写真が12月27日のもので下の写真が今日、1月5日のものです。

たった1週間でこれだけの雪が積もりました。

以前はお正月にこんなに雪は降らなかったような気がします。

それにしても、降り過ぎです。

地球温暖化だから、雪が少なくなるのではなく、逆に雪が増えています。

雪が増えると、春先の大規模修繕工事の着工が遅れます。

札幌では4月から(雪解け)から着工してお盆までが春工事の工期です。

年間工事量のうち7割が春工事となります。

秋工事は日々気温が低下し雪が降り始めるので、大型物件では敬遠されます。

春工事も積雪が多い年は、工事会社が費用を持ち出しても除雪をしないと着工できません。

施工会社選定はタイルの試し焼き期間を取るため前年末までに終えます。

設計者はそのあたりを見越して、多少なりとも除雪費用を見込んでおくと良いのですが、なかなか予算化が出来ない場合もあります。

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