マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2015年02月

1年目点検を行いました。

昨年の今頃竣工した物件の1年目検査を行いました。

大きな問題はありませんでしたが、鉄部が弱点です。

屋上の通気管、おなじみの消火栓ボックスの錆び

よく使われる鉄の扉には、傷がついています。

もう少し、よい改修方法がないかと考えております。

ただ、ゲリラ豪雨対策の排水グレーチングは役に立っているようです。

設置後、道路や隣地からマンションの敷地内に雨水の浸入は無くなったそうです。

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建物の現状について、組合が正しく把握する。2

多くのマンションでは、管理会社が「年次点検報告書」を作成し、提出しています。そこに建物の劣化状況と対応が書かれていますので、調査の時期、修繕時期の判断がつきます。

管理会社さんとそのような契約がされていないときは、大規模修繕に詳しい技術者と一度、建物を見て回るのが早いと思います。

ただし、建築士であっても修繕の経験がないと正しい判断ができない場合があります。

技術者にあてが無ければ、私でよろしければ、声をかけてください。

相談を受けた組合では、実際に建物を組合の皆様と一緒に見て回ると、確かに劣化はほとんど、ありませんでした。

ただし、竣工図を見せて頂だくと、建物の詳細部分の記載が無かったり、仕様が無かったりと分譲会社に確認して頂きたいことが山と出てきました。

まず、管理組合さんが建物の現状を正しく把握すること。

これが大切なことです。

外壁にタイルが張ってあっても、現場でコンクリート面に張るのと、工場でコンクリートに打ち込み、一体化したものは同じように扱うことができません。

コンクリート面に張ったものは、職人さんの技量しだいです。

タイルが上手くコンクリート面に張られて折らず、浮いていることもあります。

こんな部分を組合の方が情報として共有されているのといないのでは、建物の維持の上で判断がまったく違ってきます。

タイルの浮きがはっきりわかる状況

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組合は建物の現状を正確に把握しなくてはならない1

最近、こんな、相談が増えました。

「ほとんど、建物に劣化が見られないにも関わらず、管理会社が築10年目で調査診断を勧めて来ます。」

「一体、どうしたら、よいでしょうか?」

建物維持管理に責任のある管理組合として、調査を拒否するには、それなりの根拠が必要です。

通常は管理会社さんが「年次点検報告書」を作成し、提出してくれていれば、建物のこれまでの建物の劣化状況がわかるのですが、その組合は管理会社さんとそのような契約はされていないようです。

さして、劣化していないのに調査診断を行う理由を管理会社に伺うと

「築10年目で調査診断を行うことが、長期修繕計画に乗っているから・・・」という理由です。

このような理由で、ほとんど劣化が見られない建物に対し調査診断をお願いした。というと組合員の中には納得できない人も出てきます。

理事会、修繕委員会が管理会社と組合員の板ばさみになってしまうというのは、避けたいところです。

さらに、調査の結果、「修繕が必要な時期に来ています」と一方敵に判断されてしまうと、修繕工事に自動的に進み始める可能性もあります。

このような場合に一体どうすれば良いのか、一緒に考えてみました。

写真は、耐久性の高い屋上防水の押さえコンクリート写真です。

築12年目ですが防水層がコンクリートで保護されているため、劣化はさほど進んでいません。

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建物にはメンテナンスが絶対必要です。

当たり前のことですが、建物は、完成したときから劣化が始まります。オーナーがメンテナンス工事をしない限り、劣化は年を追ってどんどん進みます。メンテナンス工事に先だち、劣化部分を調査し、修繕工事を行うことによって、建物を新築時のコンディションに近づけることができます。特に怖いのが外壁のタイルや鉄製の看板、手すりといった外からの目視だけでは、劣化状況が分からないものです。

建物の劣化状況を正確に把握するためには、目視調査では不充分で、劣化状態を把握することができません。仮設足場を建物の周囲に建てて、目視だけではなく、打診、触診といった確認を行って建物の劣化状況を正確に把握する必要があります。

建物からの落下物のよって、通行人が怪我をした場合にその責任はすべて、建物の所有者もしくは管理者にあります。分譲マンションの場合は管理組合、つまりすべての区分所有者が責任を取ることになります。管理会社には、何の責任もありません。

皆さんが自分たちのマンションの劣化状況を知りたいときは、お気軽に声をお掛けください。まず、私たちと一緒に建物の劣化状況を確認しましょう。

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図2

落下事故後の対応

落下事故後の対応

建物と看板の点検の実施には、スピードが重要です。

新宿区は先日の外壁落下事故を受けて、職員が外壁と建物の緊急点検を行っています。

http://www.sankei.com/region/news/150216/rgn1502160059-n1.html

これが、行政の本来、あるべき姿と思います。

しかしながら、故郷の札幌市役所は、市役所の外壁崩落事故があったにもかかわらず、看板の定期報告がされていない建物については、報告の催促しかしていませんでした。

報告のない建物と看板ついては、自分たちで見に行く(莫大な数でしょうけど)気構えが必要ですね。

築年数が古いものは、目視に頼らず(目視だけでは、腐食の程度は分かりません)打診を行う指導も必要です。

調査写真と調査員名(有資格者)の提出を義務付ければ、事故防止ができる確実な点検が進みます。



札幌での看板落下事故2

札幌市では、2年前の2013年2月に市役所の外壁が落下しました。

新聞記事

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2505R_V20C13A2CC1000/

当ブログでの記事

http://blog.livedoor.jp/imamuraharu/search?q=%BB%A5%CB%DA%BB%D4%CC%F2%BD%EA

幸いにも死傷者はありませんでした。

このときに札幌市は、市内建物の外壁と看板に対する一斉調査は実施したのでしょうか?

少なくとも、ビルやマンションの持ち主に対して、点検の依頼をして、点検が実施されていれば、今回の事故は防ぐことができたはずです。

市役所の外壁落下事故で被害が全く無かったことは、いわば、神様のご加護です。

それを、契機として、同様の事故が起こらないように、早急に対応策を行うのが行政の勤めだと思います。

札幌市は、1972年のオリンピックで建設ラッシュがありました。

その頃建てられた建物が、築40年を越えています。

これまで、ほとんどの建物では、改修が行われていると思います。

しかしながら、20年以上、建物に足場を掛けて、点検や改修工事が行われていない建物も多く存在していると思います。

1990年近辺のバブル景気から、早くも25年が経ちます。建設資材不足、人手不足で、大急ぎで作った建物が多く、品質が良いかといわれると素直に肯定できません。

また、その後に建設単価が急落した時の建物も築20年を迎えようとしています。

ローコスト化を図りすぎている危険性があります。

この頃建てられたマンションの多くはすでに大規模修繕工事を終えているので、安心できるのですが、事務所ビルや飲食ビルで、これまで、一度も本格的な調査や修繕工事がされていないものは、注意が必要です。


札幌市に限らず、行政機関が率先して、建物の点検を建物のオーナーに働きかけてもらいたいと思います。

マンション管理組合の皆様も、マンションの外壁、鉄部の点検をよろしくお願い致します。

看板落下事故

昨日、札幌市で店舗の看板が落下し不幸にも通行されている方に当たり、大怪我をされたという報道がありました。怪我をされた方の1日も早いご回復をお祈りいたします。

札幌は私の地元ですので、なじみのある場所でこの看板の下は何度も通っています。

場所は駅前の人通りのある通りです。

看板落下の直接の原因は昨日の強風です。

しかしながら、一番の原因は看板を固定している部分が鉄でできていて、ここが錆びてしまったことにあります。

この看板は私の記憶ですとかなり昔、ひょっとすると30年以上前からあります。

これまでに、点検や改修がされたかどうかはわかりません。

マンションの外壁のモルタルやタイルの落下の危険性をお話してきましたが、古いマンションの手すりや階段、装飾物、看板とで鉄でできた部分はまだまだたくさんあります。

参考までに鉄部の腐食写真を載せます。

手すりのアップ、廊下の防犯柵、手すり支柱の根元の写真です。

調査診断時の状況です。

これらは修繕で直しましたが、修繕が行われるまではこのような状況で使われていました。

鉄部についても、外壁とともに点検を行う必要があります。

北海道新聞 記事

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/592590.html

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写真 125

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外壁落下事故の原因

新宿と五反田2つの外壁落下、浮きに共通する原因があります。

本来なら、コンクリートとモルタルは簡単にはがれないように密着しています。

しかし、なんらかの要因で表面のモルタルがコンクリートから浮いてしまいました。

その証拠として、2つの建物のモルタルがはがれたコンクリート部分は、平滑に見えます。

コンクリートの表面に凹凸を付けて、モルタルとコンクリートが一体になるようにしていれば、防ぐことができたかもしれません。

また、モルタルの表面にできたひび割れから、雨が染み込み、モルタルを浮かせる手助けをしたかもしれません。

モルタルの浮きが発見されたら、浮きの隙間に接着剤を注入して、ステンレスピンで補強し、落下しないように固定する方法が一般的です。

浮きが発生しているかどうかの確認は定期的に打診するしかありません。

厚塗りのモルタルの場合はタイルの浮きに使うものよりも、ハンマーに近いものでないと音がわからない可能性があります。

今回は幸いにも、落下によって、人的、物的な被害がありませんでした。

もしも、万が一被害が出たときは、その責任は建物所有者にあります。

つまり、建物のオーナー、分譲マンションであれば、管理組合です。

建物を定期的に点検することは法律で義務付けられています。

しかしながら、点検は義務付けられていても仮設足場を掛けて、修繕を行うことまでは義務つけられていません。

図1 (2)

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新宿でタイルが落ち、五反田では外壁が・・・

昨夜、新宿の繁華街で建物の外壁タイルが落下しました。

昼食を取りながら、お店のテレビでお昼のニュースを見ているとそんなニュースが流れてきました。

映像や写真を見る限り、落下したのは、タイルだけではなく、タイルを貼り付けるモルタルと一緒のようです。

30年以上昔の建物では、外壁の表面を平滑にするためにコンクリートの上にモルタルを付けていました。

この部分は3センチが普通でしたが、場所によっては5センチ程度あります。

落下した外壁タイルは、大きさは縦約50センチ、横約30センチ程度です。

そのニュースに続いて、「東五反田では、マンションの外壁が崩れ・・・」というニュースが聞こえ、隣のテーブルの家族連れが「さっき、やってた奴だ」と話すのが聞こえました。

急いで、テレビを見るとどこかで見たことがある建物の外壁を消防のクレーンで下ろしています。

確か、この建物は目黒川沿いにあったはずです。

お店を出て目黒川の近くへ行き、建物を探すとその建物がありました。

最上階の斜めの外壁の一部が無くなっています。

さらに驚いたことに、取り除かれた外壁が建物の前に置かれたままです。

これも、コンクリートの上に塗られたモルタルのようで、厚さが5センチくらいあります。

このマンションは、分譲物件ではなく、賃貸物件のようです。

もしも、分譲物件なら組合の方が出てきて大騒ぎになると思います。

テレビ朝日のニュースです。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000044260.html

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長期修繕計画の説明の難しさ

只今、長期修繕計画書の見直し業務を何件か進めております。

これまで、長期修繕計画書を見たことがない方に長期修繕計画書の成り立ちを説明することはなかなか難しいですね。

まず、長期修繕計画書の目的から説明を始めます。

そこで、こんな文章を添付しています。

長期修繕計画書の目的についてご説明いたします。

皆様のマンションを今後も良好に維持するためには、当マンションの特徴に合わせた適切な長期修繕計画書は欠かせません。
直近の工事だけではなく、その後の大規模修繕工事も視野に入れた長期的な計画を作成することにより、適切な建物の維持管理と資金計画が成り立ちます。

本来、修繕積立金の額はこの長期修繕計画から算出し決定されるべきものですが、現実はそのようになっていない例が多いです。
長期修繕計画の目的は将来に必要な工事費をあらかじめ予測することと、その予測工事費用に対して、大きな一時徴収金を発生させないような資金計画を作ることにあります。

分かったような、分からないような説明ですが・・・

一般の組合員の皆様はさほど、マンション管理に対し興味がある訳ではなので、長期修繕計画書といっても、何のことやら?という方が珍しくない。という前提で説明します。

購入時にもらったはずの、長期修繕計画書なんかすっかり存在すら忘れているのが、当たり前。と思ったほうが良いですね。
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