マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2015年11月

修繕積立金の値上げ その1

昨日、修繕積立金の値上げのコンサルを発注頂いている管理組合の定期総会がありました。

現在、屬△燭蠏邀曖隠械咳澆僚ち鏡冦金のままでは、次回の大規模修繕の時に4億円修繕資金が不足してしまいます。

業務を発注頂いた、一昨年の2月より、将来、組合に発生する問題について広報を始めました。

その一環として、機械式駐車場の問題の広報と組合員に向けた将来の駐車場利用アンケートを実施しました。

ちなみに、この屬△燭蠏邀曖隠械咳澆僚ち鏡冦金は国土交通省が公開している「修繕積立金ガイドライン」の金額屬△燭蠏邀曖横横輝澆鉾罎戮討發なり低額です。

早い段階から、修繕積立金の現状の問題点についても、広報を行いました。

解決方法として、次回の大規模修繕時に借り入れを行わないように値上げ金額を定めるA案と次回は借り入れを行い、その後の大規模修繕時に借り入れを行わないB案の2案を提示しました。

7月にこのA案およびB案についての詳しい説明を、組合員説明会で2回行いました。

計算した結果、A案は屬△燭蠏邀曖横毅険漾B案は屬△燭蠏邀曖隠坑怯澆箸覆蠅泙靴拭

説明会の直後にA案、B案のどちらを支持されるかというアンケートを行いました。

A案、B案以外にも、理事会一任という項目を設けました。

施工会社の選定と見積金額

来春の着工に向けて、弊社でも施工会社の選定が進んでいます。

来春は4件ほど、1月から3月にかけて着工するので、連日選定業務が続いています。

その中で、きを付けて頂きたいのが、見積価格を重視した選定です。

発注価格が施工会社選定での大きなファクターであることは、重々承知しておりますが、建築工事はいわば時価です。つまり見積金額は市場価格に大きく影響を受けます。

発注した金額以上のサービスは受けられません。

発注した金額以上の価値を受けることは、ほぼ不可能と考えてください。なぜなら、どの建設会社も利益を出さないことには、生きてはいけません。

受注した金額以上の工事はできるはずが、ないのです。

最近マスコミに取り上げられている。他社よりも大幅な低価格で大規模修繕工事を請け負う会社がありますが、受注した金額以上の工事はできません。

当たり前のことですが、安い金額で発注したなら、安いなりの工事となります。

また、「元請け工事会社を通さずに、専門会社に分離発注方式とすれば、元請けの会社のピンハネがなくなる分だけ、安く工事ができる」と言っている人もいますが、そもそも、元請けの会社は、専門会社の仕事が上手くできるようにマネージメント(調整)するのが、仕事です。

専門会社だけでは、調整役がいないため、スムーズに工事が進みません。

竣工後の工事保証の問題や居住者対応といった大規模修繕工事のキーポイントも元請け会社の重要な仕事です。

私のこれまでの経験から言えば、金額重視で施工会社を選定すると「安物買いの銭失い」となるケースが少なくありません。

お気をつけください。

青田買いは原因か?

最近、杭の施工不良によってマンションが傾いた事件の原因のひとつが「青田買い」にあると言われています。

しかしながら、建物が建つ前に、カタログとモデルハウスでマンションを販売する方式は、30年以上前から一般的な販売方法でした。

つまり、青田買いによって工期が狭められ、そのために、杭の施工不良が発生したと説明するのは、それだけでは不充分だと思います。

私は、ここ20年間で、建築業界に発生した大きな変化が原因と考えています。

その大きな変化とは、景気後退による仕事量の激減、建築業界の衰退

建築業界からの人材流失、さらに人手不足だと思います。

建築という仕事は、製造業のなかでも特殊です。

ほとんどの物件は、敷地の形状に合わせて建てられるために、単品生産です。

機械化が困難な仕事が多く、大きな建設会社であっても、現場監督の力量が品質に大きく関わってきます。

良い現場監督になるためには、多くの経験を積むことが求められます。

景気が後退すると、建物の建替えは行われません。

新人が経験を積むだけの新築工事の現場がないために、人材が育たない。

こんな状態が20年以上続いていました。

報道は何を求めているのか?

杭の工事についての報道が続いています。

建築業界のいる一人として、設計どおりの施工ができていないことに怒りと反省を感じております。

しかしながら、現在の報道に違和感を感じています。

それは「すべての杭が設計どおりではない」ことだけではなく、「施工記録データが偽造されていた」ことも同じレベルの大きさで報道されています。

極論を言えば「杭が設計どおりに施工されていないため、建物が傾いてしまった」という大問題

「杭施工のデータがなんらかの理由で上手く取得できなかったために偽造してしまったが、建物は傾いていない」

この二つの間には、とてつもなく大きな差があると感じます。

私は決して、杭施工のデータを偽造することを庇うわけではありません。杭という建築を構成する部材のなかでも、重要度が高く、地中にあり施工が設計どおりにできて確認することがとても難しい部分のデリケートな問題であることも問題であることも理解しています。

だからこそ、「もっと正確に詳細に事実を伝えるべき」だと思います。

たとえば、建築の構造計算では、安全率を見て設計を行い、施工をしています。

また、横浜のように、地中の支持地盤が狭い範囲で大きく異なるというのは、レアケースです。

極少数であれば、杭工事に何かの問題、間違い、ミスがあっても、建物が傾く結果になってしまわないような安全策はとられています。

官公庁が施工データの偽造箇所を大々的に発表して、それをマスコミが大きく伝えることも大切なことですが、それを行うのであれば、同時に建築物の設計段階での安全確保についても報じるべきではないかと感じたしだいです。

建築設計、工事に対して、必要以上の「不信感」「心配」を生むことに大きな危険性を感じています。

多くの組合の理事、組合員、居住者の中には、「自分のマンションが安全かどうか不安でたまらない」という方が大勢いらっしゃいます。

この問題が、特定の建設会社、杭施工会社だけの問題ではないとなると、収拾がつきません。

このままですと、この問題の行き着く先は、建物になんら沈下、ひび割れといった症状が全く出ていないのに、「国内すべての建物の杭について施工記録をチェックする」ところまで、行くことになります。
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