マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2016年09月

豊洲市場の怪 2

毎日のように豊洲市場のことが、報道されています。

一番の疑問は、建物の地下を発注者である都の幹部、職員、議員そして使用する立場にある市場の幹部、移転担当者の誰一人確認していていないということです。

我々設計事務所の感覚では、ありえないことです。

マンション大規模修繕であっても、管理組合検査は最低でも、バルコニー足場解体前と竣工検査の2回は行います。

大規模修繕工事の工期は平均すると5か月未満です。

土壌汚染に対する安全対策に800億円以上費やしたのですから、必ず確認する部分だと思います。

地下に空間を作っても、その下が砕石であるなら、地下水は水位が上がれば、建物内に入ってきます。

そうならないように、地下空間の床はコンクリートで固め安全対策を取った上で、地下水が入ってきてもすぐに排水できる設備を作るのが、一般的な設計だと思います。

現状は、なんとも中途半端な設計、安全対策工事だと思います。

安全性確保のために、新たに地下空間の床をコンクリートで固めるとなると、コンクリートの中に鉄筋を中に入れることが必要ですし、すでに地下空間は「配管ピット」という配管の通り道になって配管も設置されているので、難工事となり、かなりの工期と多大な費用が必要になると思います。

豊洲市場の怪

連日豊洲市場の「盛り土」問題がマスコミで取り上げられています。

建築関係者にしてみれば、どうにも納得のいかないこと、わからないことが多すぎます。

まず、工事前に敷地全体に盛り土がされ、整地されていたようでしたので、報じられているように「盛り土がされなかった」わけではありません。

建物の工事をするときには、一番初めに杭を埋設してから基礎を作ります。

このときに、基礎周囲の土は掘削と言って一度取り除きます。

通常は、この段階で建物の下の土をどうするかは決めてあります。

土を残すなら、基礎の無い部分の土は残しますし、豊洲市場のように地下に空洞を作るなら、土はすべて取り除きます。

つまり、建物を作る早い段階で、建物の下の空間を空洞にするのか、土を埋め戻すのか決めてあります。

土を埋め戻すのと空間にするのでは、工事費が大きく違いますから、設計と異なる状態にする場合は、設計変更をします。

設計変更は、口頭の指示ではなく、文章として残しますので、記録はあるはずです。

もしも、設計段階で土を埋め戻すことになっていたなら、その経緯が分からないわけはありません。ということは、設計段階から土を埋め戻さないで、空洞にする予定だったと考えられます。

となると、設計段階での断面図には、建物の地下に土が入っていない図面ができあがります。この図面は多くの人の目に触れるはずで、建物が出来上がってから、初めて気が付くのは不思議です。

もしも、基本設計の段階で、建物の下に土が入れられていて、実施設計(詳細設計)の段階で地下を空洞にすることになったのかもしれません。もし、そうであったらどこかで広くアナウンスをして、図面を修正するはずです。

今回のように、土壌汚染の危険性を防ぐ目的で建物の下に土を入れたのであれば、その方法をコンクリートに変えたとしても、市場関係者への周知や同意の取り付けは、必要な手続きと思います。

さらに、このような大規模な建物は、多額の費用がかかりますので、施主である東京都は設計段階から何度も審査を行います。

市場関係者にも、図面を見せながら、説明を行っているはずです。市場関係者は土壌汚染に対して、関心が高いので、建物の地下に土が入っていないことに疑問を持つはずです。

工事が始まってからも、東京都、設計・工事監理を行う設計事務所が行う検査は何度も行われます。

東京都の関係者、市場の関係者の視察は何度も行われたと思います。

どの段階でだれも気が付かないということは、通常考えにくいことです。

もう一つ気になるのは、地下の空洞に水が溜まっていることです。

地中からの汚染物質を防ぐことが目的であれば、地下にコンクリートを敷き詰めることが必要です。そのため空洞の床がコンクリートではなく、隙間だらけの砕石というのも安全性の面からは疑問があります。

地下の空間を配管スペースとすることが一般的であっても、建物内に水がたまることは、決して良いことではありませんので、通常は、コンクリートを敷き詰めて、勾配を付け一番低いところにコンクリートで箱を作り、水が溜まる「釜場」を作り、そこに水中ポンプを入れ溜まった水を排水します。

シーリングの軟化と外壁タイルの浮き

最近、このブログを訪れるか方の多くが

「シーリングの軟化」と「外壁タイルの浮き」の記事を読まれています。
シーリングの浮きは、一時期多くのマンションで問題になっていましたが
最近は、落ち着いてきたと思っていました。

しかし、現在工事中のマンションも軟化が発生しています。

原因は、材料に問題があり、一度硬化したはずのシーリングが軟化してしまいます。

そのため、以前は材料を支給したシーリングメーカーに申し出れば、そのメーカーの材料を使用するという条件が付きますが。少額ですが、撤去費用の一部を補てんしてくれたのですが、現在はそのような対応はできないようです。

施工会社は、シーリング1mあたり600円程度の撤去費用を請求します。

仮に軟化したシーリングが1,000mあれば、60万円ほど費用が掛かります。

30戸のマンションのシーリングの長さは4,000〜5,000mあります。
つまり、すべてのシーリングが軟化していると240万円〜300万円ほど撤去費が掛かります。

実際は、塗膜が掛った部分のシーリングは軟化しないケースが多く、塗膜のかからないシーリングに軟化の発生が顕著です。

又、同じ窓に使用されているシーリングすべてが、軟化しているわけではなく、部分的に軟化しているケースもあります。

撤去費を正確に出すのであれば、立面図に軟化してシーリングの長さを記入していき、設計監理者がその調査図の正確さを確認する必要があります。

この作業は、とても手間がかかりますので、シーリング全体の長さに撤去費を掛ける会社もありますので、ご注意ください。
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