マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2017年08月

超高層マンションの現場見学会

工事監理している超高層マンションの現場見学会がありました。

工事の概要を集会室で説明した後に、屋上、駐車場、1階の順番で回りました。

それぞれの場所で、参加者から色々な質問が出て盛況でした。

質問内容は主に

特に特殊ゴンドラとその工事の方法について

ゴンドラの運用基準について

塗装の試験施工について(手順と目的)

鉄部塗装の方法について

です。

特に、超高層建物の上階は地上よりもはるかに風が強いため、施工会社の担当者はこまめに風圧計で風速をチェックしています。

固定式にしないのは、強風時に風速計が飛ばされる可能性があるためです。

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今日もバルコニー検査

今日もバルコニーの完了検査でした。

工事を行った会社の検査のチェックは緑テープ、設計事務所の検査のチェックテープは黄色テープです。

これだけのチェックがついて、ひどい現場だと感じる方がいるかもしれませんが、この現場はとても優秀な監督がついていて、出来が良い方です。

これくらいのチェックテープが付くのが、当たり前です。

先日、お話ししたようにブランコで工事を行い、現場の職人さんを信用して、現場任せにするということは、これだけのチェックが行われないということです。

工事費が安いということには、当然ながらリスクがあるということです。

個人の住宅でそのリスクを負われるのは、全く自由だと思います。

しかし、分譲マンションの場合は、個人の財産ではなく、全組合員の共有財産です。

個人の「安物買いの銭失い」は理事、修繕委員の自由ですが、組合での「安物買いの銭失い」はお辞めください。

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音楽の未来は厳しい

盆休みに音楽関係の仕事をしている弟と話したのですが、最近は若い音楽を目指す若者には、非常に厳しい状況だそうです。

というのも、ビックネームとなったバンドやミュージシャンの寿命がこれまでに比べると大幅に伸びてしまい、新人が割り込む隙間が無くなっているそうです。

ビックネームとなったバンドのファンの多くは、バンドが存続しているため、年と共にそのまま持ち上がり、新人や新しいジャンルに手を出さなくなります。

また、少子化のため、ミュージシャンと同世代のファンの数は減っています。

新人がイブを開いても、小さな会場での開催が多く、そこから生活できるだけの収益を得ることは難しく、ライブを支える音響等のスタッフに支払うことができる金額が極端に少なくなっている(支払うことができても相場の4分の1程度)

そのため、興行の主催者、プロのミュージシャンや音響技術者は、ビックネームのバンドやミュージシャンのコンサートが確実に収益の上がる事業となり、それが中心に仕事が廻るようになっている。

確かに私は50才半ばですが、行くコンサートによっては、観客のなかで最も若い世代となっています。

このままでは、新人や中堅のミュージシャンは生活ができないためにどんどん減って行き、今のビックネームのバンドやミュージシャンが引退、亡くなった時にそれに代わる人がいない状況になりかねません。

出来るだけ、新人や中堅のミュージシャンのライブに行くようにします。

工事費が安いというだけで施工会社を選ぶ前に

工事費が安いことで、注目を集めている無足場工法を採用している会社の大規模修繕工事の現場がありました。

仮設足場が無く、上階から吊ったブランコで養生シートの張り替えを行う様子を見ていると、とても大変そうです。

設計事務所に限らず、工事監理をする人や現場監督はどうやって工事の検査を行うのかと考えても、検査ができる部分は工事範囲の一部だと思います。

そう考えると、工事の品質はすべて職人さん任せとなります。

多くの場合、職人さんは施工会社の社員ではありません。

仮設足場がある現場で、現場監督と工事を監理する設計事務所工事が検査を行うと、検査箇所はチェックテープだらけになります。

この現場の職人さんの技量が劣るわけではなく、複数の人間の目でいろいろな方向から工事をチェックするとそうなるのが、当たり前だと思います。

そのように考えると、たとえ工事費が安くて評判は悪くないという話を聞いても、私は職人さん任せとならざるを得ない工事を行う会社は、組合の方にお勧めできません。

更に言えば、この施工方法では、組合の現場見学会や組合の検査もできません。

それでも、この会社に工事をお願いしますか?

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視線を下げると見えてくるものがあります。

春に着工したマンション大規模修繕の現場は8月末から9月上旬の竣工に向けて設計事務所検査が続いています。

北星1級建築士事務所の検査の特色として、バルコニー床のウレタン防水検査は、床を雑巾で拭きながて行うというのがあります。

床のウレタン防水に巻き込まれたごみの発見が主目的だと思っていましたが、実はもっと大きな効果があることに気が付きました。

それは、検査を行っている人の目線が大きく下がることです。

目線が高いとみることができない、壁と床の境界付近の状況も目線が低いとよくわかります。

写真のように高い目線では、わからない施工の汚れも、目線を下げることによって良くわかります。

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T字路,s 札幌ライブ

昨日T字路,s札幌ライブ行って来ました。

相変わらずのど迫力ボーカルとド迫力ベースでした。

素晴らしかったです。

お気に入りの「泪橋」「ホームにて」「少年」そしてアンコール2曲目最後の最後に「愛の賛歌」も聞けて感無量でした。

8時10分から10時過ぎまでほぼ2時間休みなしで歌い続け、弾き続けるワンマンライブでした。

オールスタンディングはキツイ年になってしまいました。

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設計事務所はどんな施工会社でも適切に工事監理できるか?

そろそろ、来春の大規模修繕工事の施工会社選定に入る時期です。

施工会社選定で良く出る質問で「設計事務所は、管理組合が選んだ会社はどんな会社であっても適切に工事できますか?」というものです。

この答えは、大変難しいです。

建前上はYesですが、本音はNoです。

マンション大規模修繕工事の経験がほとんどない会社けれど、やる気があって工事金額が他社よりもかなり安い会社を選びたいというのが、このケースです。

そもそも、設計事務所の工事監理は、施工会社に工事を一から十まで指導するものではありません。

設計通りに工事を行っていることを検査、確認することです。

「どのように工事を行えばよいのか?」を教えるものではありません。

施工のノウハウと検査は全く異なりますので、設計事務所は粛々と工事の仕様に従って検査をするだけで、仕様通りにできていないもの、出来の悪い工事には、手直しをお願いするだけです。

それによって、工期が遅れることまで責任はとれません。

むしろ、工期を守るために中途半端や仕様通りにできていない工事を合格とすることは、管理組合から委託された業務を誠実に実行したことになりません。

何年か後に不良工事が行われた場所は、形となって現れてきます。

大規模修繕工事は「安物買いの銭失い」という言葉どおり、安くて良い工事はありません。

「安物買いの銭失い」を防ぐ方法は、複数の会社の工事金額だけではなく、工事単価も含めて比較検討し、安全な範囲の中で安い会社と契約するしかありません。
また、工事単価は建物形状、規模、受注状況によって頻繁に上下するので、「安全な範囲」は、その物件ごとに異なります。

工事の検査が終わらない

今年の春工事も終盤に入り、足場解体前検査や竣工検査が目白押しです。

今年の現場は、順調なのですが、年によっては天候不順が続き工事が予定通りに進行しないケースもあります。

こんな時であっても設計事務所検査では、不良個所は指摘しますし、そのため、次の工程に移れなかったり、工事が完了しない場合もでてきます。

弊社は、各工程ごとの検査を施工会社の自主検査、設計事務所の検査、管理組合の検査と3段階に分けて実施するようにしています。

その理由はそれぞれ違う目で工事を評価するためです。

一番の問題は施工会社の自主検査です。

自主検査と書いてしまうと、工事現場の職員が自分たちでチェックすれば良いと思っている会社もたまにありますがそれは違います。

工事現場の職員が自分達でチェックするだけではなく、社内の品質管理を担当する部署もしくは、社員がチェックすることです。

このステップがキチンとできていれば、設計事務所の検査、管理組合の検査はほぼ、大きな問題がなく通過します。

ところが、現場担当者が碌にチェックもしないで、設計事務所に検査を依頼する場合があります。

自主検査記録と現場をチェックすれば、ほんの数分で自主検査がされているかどうかはわかります。

このような場合、設計事務所として検査を続行するのか、再度施工会社に自主検査をお願いするのか判断が難しいところです。

多くの場合、設計事務所は施工会社のチェックマンではないので、施工会社に自主検査をお願いします。

ここで、設計事務所検査を続行してしまうと、検査で指摘した部分しか直らないという恐ろしいことになります。

同じような不具合が、ある場所では直り、ある場所では放置されてしまいます。

これが、何度も繰り返され、再検査と手直し、再々検査と手直し・・・ いつまでたっても工事の検査が終わらないということになります。

そのため、施工会社に検査の着目点を伝え、自主検査で不具合箇所を拾ってもらい、その後に設計事務所再検査を行います。

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特注タイルでも100%再現できません。

外壁がタイル張りの大規模修繕工事に使うタイルはほとんどが特注品となります。

その理由は、すでにそのタイルが製造中止となっていることや、同じ品番であってもロット(製造日)が異なると色が大きく違う為です。

これまで、タイルの建物を30件以上担当しましたが、大規模修繕時に外壁タイルが製造されていたのは、たった1件だけでした。

外壁タイルの流行り廃りのサイクルは意外と早いのです。

特注タイルは、一度の色合わせで、色が合うことはまずありません。

3回程度の色合わせで、なんとか近づきます。

しかしながら、タイル表面の光を反射具合まで、近づけることは、不可能と言っても過言ではありません。

今春に大規模修繕に着工したマンションの仮設足場を解体することができました。

しかし、タイルの光の反射具合は明らかに違います。

写真にも、はっきりと写っています。

特注タイルといっても100%の再現は不可能であることをご理解ください。

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北星1級建築士事務所の足場解体前検査への同行

4月から着工し、工事監理を行っている大規模修繕工事も8月に入りいよいよ大詰めです。

工事が完了すると管理組合の足場解体前検査を行います。

事前に設計事務所検査を受けて、指摘箇所の修正を経てから組合の検査を受けます。

まず、組合の修繕員、理事と一緒に屋上に上がり屋上防水や笠木、塔屋の塗装、階段の防水状況のチェックを行います。

大切なのは、その時に組合の皆様に今回の工事の要点や既存時にあった問題点とその解決を私たち北星1級建築士事務所が説明したり、疑問点に対する質問を受けることです。

それは、後々、理事、修繕委員の皆様が組合員から質問が出た場合にお答えする立場になるからです。

屋上の検査が終わった後は、仮設足場に上がって、バルコニーや外壁の修繕状況を説明します。

ここでも、私たち設計事務所は工事の要点や既存時にあった問題点とその解決を説明し、質問にお答えいたします。

会議の席で写真を見ながら説明するだけではなく、現地で現物を目の前にして、ご説明した方が理解は深まりますし、組合からの質問も周囲と関連づけやすく、活発に出てきます。

足場から降りた後は、会議室で指摘事項を再度確認します。

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