マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2023年03月

超高層ビルの建て直し問題の遠因

今回のような工事施工上の問題は、本来起きてはならない事です。

しかしながら、超高層ビルの建て直し問題の遠因がいくつかあると感じた大きな理由ですが、今の社会情勢の中で「手を抜いて儲けよう」とはだれも考えないからです。

一度「手抜き工事を行う会社」のと評判が付くと、全国的に展開している会社には、取り返しのつかない程の大きなイメージダウンとなり、会社が傾く程のダメージを受けるからです。手抜きによって得られる金額があったとしても、全く何の得にもなりません。

つまり、問題の原因が「単純な施工会社の手抜き工事」ではなく「会社、支店又は一担当者だけの問題ではないと想像できます。

なぜなら、現在の建設業界を取り巻く問題は、いろいろな要因が複雑に絡みあっていて、単純な問題ではないと感じているためです。

しかもそれは、これまで発生した数々の社会的な問題から関係者が建物ユーザーと建設業界で働く人のために良かれと思った施策と現実の間に生じた矛盾でもあるからです。

例えば「建設関係の事件、事故が起きるたびに建築基準法等の規制がどんどん強化されること」と「その規制が総合的な品質向上に結びつかない上に下手をすると品質低下の遠因となりかねない」矛盾であったり

「施工会社による職員労働時間の過剰労働から守るための勤務時間の厳しい管理」と「職員が一人前になるまでに必要な時間が圧倒的に不足してしまう現実」であったり

「社員の雇用を65才まで守る施策」が「役職定年によって社員の収入が大幅に減る事によって逆に現在所属している会社からベテラン技術者の離職する人が増えてしまうこと」

これらの矛盾は最終的に技術者に向かってしまい「建設会社の技術系社員の圧倒的不足」に繋がっている様な気がします。

経済的な要求から発生してしまう矛盾もあります。共にその立場になれば当たり前に要求してしまう内容です。

「材料、労務費のこれまでにない値上がり」と「施主からはコストダウン求められる」その上で品質は厳しく求められる。

工事会社は請負契約を結ぶことが大半ですから、一度、契約を結ぶとそれ以降に工事に係るコストが急上昇しても、増額が認められることは滅多にありません。

さらに建設会社だけでは、解決できない問題と矛盾もあります。

「職人さんの異常なまでの不足」と「強く求められる工期厳守だけではなく工期の短縮」その上で「品質確保の強化」

これらの問題が複合的に絡み合い、施工会社が品質が守れない状況に追い込まれ、結果として今回の超高層ビルの建て替えに繋がったのだと思います。

もちろんこの様な厳しい社会状況の中でも基準を満たす工事を行うことは当たり前のことなのですけど。

再発防止のためには、まず「無理のない工期」「無理のない工事費と実行予算」の社会的な理解と容認が必要だと思います。

超高層ビルの立て直し

先週北海道どころか全国規模の建築関係のニュースで最も驚かせたのは、スーパーゼネコンT建設による札幌市内の超高層ビルの建て替え問題です。

インターネットのコメント欄を見るとまるで、「高層ビルに倒れるほどの欠陥(傾き)があり、そのために建て替えることになった」このように受け止めた方多く、むしろ逆に私はそのような捉え方に驚いております。

もしも、建て替えになった原因が建物の安全性や建築基準法に抵触するものであれば、問題が生じた段階で施工会社が社内検査で自主的に工事をやり直すと思います。

そうしないと建物はかなりの期間残りますので、現段階で発覚しなくても、お客様に引渡し完成後に何か問題が起きた時に、問題の原因調査が行われ、建築基準法違反が発覚した場合に、それこそT建設の存続に係る程の大問題となるからです。

では、なぜこんな事に成るまで工事が進んでしまったのか?

ここに今回の問題の本質があるのだと思います。

報道されているように

使用された部材が設計通りではなく、施工精度が建築基準法、ディベロッパーの施工基準を満たさなくなる可能性があった。

T建設がディベロッパーに虚偽の報告をした。

このような事が重なったことが、建て替えになった理由なのですが、それだけでしょうか?

もっと他に何か理由があるような気がします。

色決めを行います

仮設足場が建ち始めると、各部位の色決めを行います。

外壁が塗装の物件は、色を自由に選ぶことが出来ますが、外壁がタイルの物件は、タイルの色を変えることが出来ませんので、よほどのことが無い限り、現状色で塗ることになります。

現状色を基に見本板を作り、現状に合わせて合っているかどうか?もう少し濃くするか、薄くするか検討します。

見本板が現状色に合っていれば、理事会の了承を得ます。

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春物件が次々と着工しています

今年は、雪融けが早いためか市内のあちこちで、マンション大規模修繕工事が着工しています。

私達の工事監理している現場も次々と仮設足場が建ちはじめています。

仮設足場は下層から組み立てて行きますので、最下段を決めるのに時間が掛かりますが、その後はスピードアップして、仮設足場を組み上げて行きます。

道路や建物の周囲にカラーコーンとバーで工事区画と歩行部分を分けて安全確保を行って工事を行っています。

建物の内部も職人さんが通る部分には、床にシートを貼り養生を行います。

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2023年春着工最後の工事説明会

11日に2023年春着工物件の工事説明会を行いました。

2月から始まった2023年春工事の工事説明会も最後の物件となりました。

この物件は4月1日に着工します。

以前なら4月1日に着工する工事は、その年の春に着工する物件の中でも早い着工時期に分類されましたが、最近では遅いほうになってしまいました。

昨今の職人さん不足から、できるだけ早く着工して、できるだけ早く終わらせたいという考えの現れです。

それは、できるだけ、工事に手間を掛けたくないという意味ではありません。

100戸を超える大型物件では、どんなに工事が遅れても雪が降る前に工事を終わらせたい。


又、小型物件では、何とか秋工事までには終わらせ、秋工事の着工に間に合わせたいという目標があります。

そのため、工事の中で職人さん不足で、職人さんを待つロス時間を考えると、どうしても早めの着工として、職人さんを待つ時間を減らそうとなってしまいます。

3月1日から着工した現場 その2

こちらの現場も大規模修繕工事が1日から着工しております。

着工前に除雪を行っているため、仮設事務所の設置が終わり、クレーンをつかって仮設足場を設置しています。

この調子で、仮設足場の設置が進むと、4月中旬には、外壁タイルの劣化数量が出そうです。

10年前は4月中旬にならないとここまで進まなかったと感じております。

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3月1日から大規模修繕工事が着工しております。

今年は例年に比べ、降雪、積雪は少な目でしたが、着工時にはまだ雪が残っていましたので、まず、除雪を行い、仮設事務所を設置します。

着工前に除雪を行っているので、すでに仮設足場が設置され始めております。

居住者向けに工事専用の掲示板を各玄関に設置し、工事情報を掲示しています。

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今年はじめての現場図面説明会

今年はじめての現場図面説明会を行いました。

現場図面説明会とは、施工会社に見積依頼の書類を渡した後に、一緒に建物を確認する作業です。

施工会社に2024年着工予定の工事の見積もり依頼を行いました。

今年は、昨年より雪が少なく気温も高いため、屋上の雪はかなり融けていました。

去年に比べると現地確認も行い易くなっています。

2024年工事の施工会社選定補助業務(公募、見積依頼、プレゼンテーション支援)はこれから本格化していきます。

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代替え駐車場に対する新しい考え方

とある大規模修繕工事を行うマンションで仮設足場、仮設建物と干渉して敷地内に駐車している4台が敷地外の代替え駐車場に移動する事になりました。

通常であれば、対象となる駐車場を借りている方へ施工会社と管理組合が移動をお願いします。

しかし、代替え駐車場がマンションから離れるに従い「なぜ、うちの車だけが移動しなくてはならないのだ、不公平ではないか?」と移動に難色が示される方も増えてきます。

「移動する車は1ヶ月交代にしてください。」(移動する車の入れ替えタイミングの調整が難しい)

「抽選で選んでください」(全利用者に抽選に参加して頂くのが困難)

「理事が率先して移動してください」(怒りだす理事がでてきます)

移動対象者からは、実現が難しいいろいろな提案も出て、組合員同士が険悪な雰囲気になってしまう事もあります。

その組合では、全ての駐車場使用者に対して「敷地外の代替え駐車場に移動にご協力頂ける車に対して駐車代金を無料にする」という条件で、車を移動して頂ける方をアンケートで募集することにしました。

アンケートの結果、7名の方から「移動しても良い」とのご返事を頂きました。

移動期間中、管理組合には、駐車場使用料が入りませんが、車の移動が原因で組合員同士の不仲や対立の心配がなくなり、安心しております。
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