マンション大規模修繕日記

マンション大規模修繕業務に係わる日記です。

2024年12月

建築業界のヤミ残業

働き方改革関連法を徹底させるために、業務に使っているパソコンに管理ソフトを入れて許可のない残業は一切させない様にパソコンにカギをかけてしまう会社もあるそうです。

現場の事情なんかはお構いなしにパソコンがシャットダウンしてしまうそうです。

ウワサでは、そんなときは現場監督は仕方なしに私物のパソコンを使って業務を行っているようです。

責任感のある現場監督は、会社にも知られることなく、残業手当も支払われずに会社から求められた責任を果たすにはそうせざるを得ないのが現状です。

そんな闇残業が常態化して、過労による体調不良が起きたらどうするのか?

「働ける時間を制限」して、「業務量が減らない」という矛盾した状態となるのであれば、そのしわ寄せは、当然、組織の弱い部分に来ます。

しわ寄せを経営幹部が負うはずもなく、現場を預かる現場監督に押し付けられます。

働き手を増やそうにも、今は空前の建築技術者不足でなかなか技術者を増やすことはできません。

多くの現場では、現場監督はたった一人で頑張っているのが現実です。

最悪の場合「現場監督は会社の管理外で勝手に働いたのだから、会社には一切責任はございません」となるのでしょうか?

そんな状態にするために働き方改革関連法が作られたのか?

本末転倒となりかねないのではないでしょうか?

また、世の中には、本業で頑張って頑張った分だけお金を稼ぎたいという人もいます。

働く時間が厳しく制限されるということは、その会社での収入が頭打ちになり稼げなくなります。

このような人は、働き方改革関連法の影響でどうなってしまうのか?

日曜祝日に仕事ができない施工会社が増えています。

もう、何年も前からですが、工事現場でも週休2日を導入するという流れが出ていました。

新築の大きな現場であれば、交代での出勤が可能ですので導入は可能です。

しかしながら、最近では大規模修繕工事でも週休2日の導入をする現場が出てきました。

いわゆる、建築の2024年問題です。

簡単に言えば、社員(被雇用者)は働き方改革関連法により、残業、休日出勤に大きな制約が課せられます。

働き方改革関連法により、時間外労働に対して罰則付きの上限規制が適用されるためです。

臨時的、特別な事情があり労使が合意する場合(特別条項)でも、既定の上限を超える時間外労働・休日労働ができなくなりました。

これまで建設業、運送・物流業は、その他の業界よりも5年間の猶予期間が与えられ、働き方の見直しが求められてきました。

しかしながら、実際は人手不足(工事の量が多いため発生している)が続きなかなか改善が出来ていませんでした。

2024年より時間外労働の上限規制や割増賃金の規定などが建築・建設業界に適用されています。

大規模修繕工事の工事現場は、通常月曜から土曜まで稼働しています。

週40時間労働が上限ですから、土曜日も工事を行うとそれだけで労働時間が8時間プラスになります。

残業時間の上限は45時間ですので、毎週土曜日4週出勤するとそれだけで32時間の残業扱いとなり、それ以外の日に残業はほとんどできなくなります。

大規模修繕工事は主に建物の外部の仕上げ材料の更新ですから、新築工事の現場に比べると短期集中の現場です。

短期集中ですが、着工時、竣工時は新築工事と同じように手間がかかり、どうしても残業時間が増えてしまいます。

現実には、大規模修繕工事の業務内容からすると、働き方改革関連法で求めている週休2日は取れそうもありません。

これまで、管理組合の仕事は理事会の都合で日曜日に打合せというのが少なくありませんでしたが、このような理由で、施工会社は日曜日の打合せ嫌がるというか、したくてもできなくなりつつあります。

もうすぐ年末年始の休みです。

しかしながら、最近は施工会社と設計事務所が年末年始を長めに取ってひと休みする時間もありません。

今は年末の竣工に向けて、仮設足場の解体をおこなっている現場がたくさんあります。

その一方、2025年の工事に向けて工事説明会の段取りがすでに始まっています。

来年は3月1日着工の現場が3件あります。

これらの現場は工事説明会は2月から始まり、遅くとも2月中旬までに行うことになります。

そのためには、1月中旬までに仮設の実施計画、実施工事工程といった工事概要をまとめ、管理組合と組合と打合せしなくてはなりません。

1月中旬に管理組合と打合せするということは、本年末から年明けまでに施工会社と設計事務所が工程と仮設を詰める必要があります。

現場監督にすれば、秋工事の現場が終わり次第、春工事の準備を始めなくてはなりません。

これまでは、早い現場でも3月後半から着工していましたので、年末から1月中旬位まで現場も設計事務所も多少ゆっくりすることが出来ました。

3月1日から工事を始めなくてはならない理由は、人手不足と工事費の高騰です。

これまでのように4月から工事を始めたのでは、まず、仮設足場を建てる鳶さんお確保が難しくなります。

特に大型物件、複雑な物件は1日も早く仮設足場の組立に着手したいというのが本音です。

仮設足場さえ立ってしまえば、他の現場に先立ちどんどん工事を進めることができます。

仮設足場が立たないうちは工事は進められません。

どの業種も人手不足は深刻ですが、特に深刻なウレタン防水工事がたの現場と重ならないようにするのが、工期内に現場を収められるポイントです。

社員をすりつぶす気なんて毛頭ない。

前回の続きです。

職人さん不足の現状を甘くとらえ無理な発注を受けることが「社員をすりつぶすこと」
になると書きましたが、施工会社の経営陣はそんなことになるとは毛頭思っていない
でしょう。

まさかそのようなことになると想像もつかないことにこの問題の根深さがあると思います。

はるか遠くの昭和の時代に社会に出た人は、皆、頭のどこかに「昭和の根性論」が残って
います。

「昭和の根性論」では、「多少の無理をさせないと部下は伸びない」となりますが、
部下が自発的に無理なことににチャレンジするならまだしも、強制的に部下に有無を
言わさず無理をさせることが果たして正しいのでしょうか?

上司が自分に対して「昭和の根性論」をやっているうちは良いのですが、立場上逆らう
ことが出来ない部下に「多少の無理」を強制するのは、やはり問題です。

若手の技術者が辞めてしまう会社は、辞めていく社員をどのように考えているのでしょうか?

辞めざるを得なくなった若手はどんな気持ちだったのか?

どこかで知らず知らずのうちに「昭和の根性論」を押しつけてはいなかったのかと思います。

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