評価シートを使わない場合に最悪の場合は「声が大きい人の意見が通る」といったことになります。

「私はA社が良かった、○さんもそう思うだろう?」という誘導が公然と行われるようになります。

こうなってしまうと、選定基準や提案書の評価はどこかに行ってしまい、「政治力」で業者選定が進んでしまいます。

ちょっと悲しい話ですが、理事や修繕委員になった理由が自分の知り合いの施工業者に大規模修繕工事をやらせたいからと言う方が居ないわけではないのです。

自分が推薦する業者が選定から漏れた時点で、委員会に参加しなくなります。選定の過程で「ごり押し」が行われます。こまったことです。

建築業界の景気が良くないので、このようなことはこれから増えていきます。

私は、同じ業界にいるものとしては、仕事がない時の切なさが身にしみているので、こうした行為を一方的に「悪いこと」とは言い切れ無いのです。

もしもその会社が管理組合の皆さんを満足させるだけの技術力と経営の安定性があり、居住者への心使いができるのであれば、逆に管理組合から紹介を求められます。

そのため、組合員に向けて施工業者の推薦や公募をお願いしています。

建設業界にはまだまだ「困っている仲間をなんとか助けたい」という「義理人情」が残っています。

これはこれで、大切なことですから否定は出来ません。

組合によっては、公平性にこだわり、それを認めない組合もあります。

それはそれで、正解ですから否定は出来ません。

問題なのは、技術力、経営の安定性、居住者への気遣いに欠ける施工会社に何とか仕事を発注しようとする場合です。

実はこんなお願いされた理事もいろいろなしがらみがあり、断りきれずに非常に「せつない」気持ちでいっぱいだと思います。

でも、このような状況に誰かがブレーキを掛けないと「安かろう、悪かろう」「施工業者の倒産」「手抜き工事」最も避けなくてはならないことが現実になります。

管理組合の誰かが、「ごり押し」をする理事にブレーキを掛けると後々、お互いに気まずくなるかもしれません。

だれも傷つかず、それを防ぐためには適切な業者選定を行える「選定システム」が必要となってきます。

施工会社を同じ土俵に乗せて、技術力、経営の安定性、居住者への気遣いができる施工会を公平かつ適正に選定していくためのシステムです。

「義理人情」を頭から否定しないで受け入れ、その会社に力があることを組合の皆さんが納得できれば、受注できる。

実力が無ければ受注できない。

このやり方に文句を言う人は居ないはずです。

「ごり押し」のもうひとつの問題は露骨な誘導で業者選定を見てしまうと、それまで熱心に選定を勧めてきた理事、修繕委員がやる気を失ってしまい、大規模修繕工事だけではなく、管理組合活動すべてに無関心となってしまうことです。