ビーチボーイズ スマイル
このアルバムは1967年のプロジェクトの中止以来34年を経てやっと出ました。
史上最も有名な未完成アルバム
絶対に日の目を見ることがないアルバム
といわれてきました。
その割りに、莫大な量の録音テープがあり、流失音源もたくさんあって、コアなファンならその内容を誰もが知っている不思議なアルバムでした。
その理由はこのアルバムを製作したリーダーが、精神的に追い詰められ莫大な量の音源を録音はしたものの編集段階で投げ出してしまったからです。
その後リーダーであるブライアン・ウイルソンはこのことが原因で心に大きな傷を負いポップミュージックの第一線から退いてしまいました。
そして、長い長い闘病を経て1988年に復活しました。
2004年に自分のバンドを使って、同名のアルバムをリリースしました。
スマイルがやっと日の目をも見たのです。
しかし、その演奏と歌は自分たちのバンドでおこなったために、ビーチボーイズの大きな特徴である彼らの美しいハーモニーはそこにはありませんでした。
ビーチボーイズのファンからは当時のテープを使ったスマイルがすぐに出るのでは?と期待されましたが、(当時の録音テープを編集すれば・・・)なかなか発表されませんでした。
7年間を経てやっと1966年に録音されたビーチボーイズの音源(歌と演奏)を使って作られたスマイルがでました。
CDを聞くと2004年の内容とほぼ構成は同じですが、やはりスマイルはビーチボーイズの歌と当時の演奏で作られるべきでした。
スマイルの完成品はこのアルバムで2004年のスマイルは設計図でした。
真似をすることができないものがここにありました。
不思議なものです。