長期修繕計画を見直さなかった理由について意外な答えが帰ってきました。

理事長いわく

「なんとなく、いままで見直しする機会がなかった」

修繕委員長いわく
「誰に相談すればよいかわからなかった。いなかった」

副委員長いわく
「入居時に積み立てを行ったし、積立金は当初の設定の2倍に上げたから大丈夫だと思った」

元理事長いわく
「修繕積立金の値上げを歓迎する組合員はいないので、歴代の理事会では先送りにした」

やはり、大規模修繕のような特別な機会があれば長期修繕計画書は見直されますが、通常は見直しが行われないのですね。

相談する相手がわからない。いないという点については多くのマンションでは、管理している管理会社から値上げの提案は無かったようです。

実は管理会社から長期修繕計画書の見直し、修繕積立金の値上げの話を持ち出すと理事会では「その前に管理費をさげてください」「委託内容を見直ししましょう」と言われるケースが多いらしく、管理会社はあまり修繕積立金に積極的には触れないようです。

組合員にとって管理費と修繕積立金は「毎月かかる支出」という認識があります。合計金額が変わらなければかまわないというのが組合員の本音ですから、積立金が足りないなら管理費を下げてその分積立金に廻してほしいということになります。

しかし、管理組合は組合員が自ら運営するものですから、すべてを管理会社任せにするわけにはいきません。

大幅な積み立て金不足が明白になった管理組合では、修繕積立金を「世間並みに」値上げすることによって不足分を解消できる見通しが立ちました。

それは、長期修繕計画書を見直したのが、1回目の大規模修繕のときだったので、給排水設備の更新工事までに15年以上時間があったことが幸いしました。

また、平置き駐車場からの利用料収入が豊富であり、そのほとんどを積立金に回すことに変えたことも不足金を減らす大きな一因になりました。

いずれにしても出来るだけ早い時期に長期修繕計画書の見直しをすることをお奨めします。