図2


利用料の総計が維持費の総計を上回っていれば、機械式駐車場はマンションにとって必要な施設であります。

逆の場合は、組合員の負担を増すと施設いうことになります。

受益者負担ということを考えると、組合員の大きな負担にならない範囲で利用料の適正化を行うことが望ましいと思います。

月1万円の駐車場利用料を得るために月2万円の機械式駐車場の維持費を支払うのは合理的ではありませんよね。

もっとも機械式駐車場をそのマンションに導入した根本的な理由は駐車場土地の不足ですから、同じ敷地にある利便性や路上駐車の防止といった金額に換算できないメリットも多々ありますから単純な比較はできません。

機械式駐車場を撤去するという決断は駐車場の充分な利用が見込めない場合に限ります。

いずれにしても、建物と施設の形状を変えるのであれば、総会決議が必要です。

ただし、総会で決議するためには、いくつかの手続きが必要になってきます。

そのために、駐車場の需要予測のアンケートを行うと良いです。

3年後に駐車場を利用しますか? (はい、いいえ)利用したい台数は?(  台)

5年後に駐車場を利用しますか? (はい、いいえ)利用したい台数は?(  台)

10年後に駐車場を利用しますか? (はい、いいえ)利用したい台数は?(  台)

都心部でもつい、最近まで1家で2台の車を所有することは珍しくありませんでした。

利用者が減るより一家で複数台の利用があったほうが組合は裕福になります。

図3


ただし、駐車場の待ちがずっと続いたマンションでもほんの数年で駐車場の空きが目立つようになってしまいます。

居住者の年代が似通っているため、定年や家族から免許の返却を強要され車の利用をしなくなる時期が重なっているためです。

また、マンション周囲に民間駐車場が多い地域では、もしものときは外部に借りることも視野に入れておく必要があります。

一番大切なことは、駐車場の現状を知り、多くの組合員で情報を共有し、議論を行うことです。

たとえ、理事や役員であっても少数の組合員の一方的な思い入れで行動すること

人に任せきりで自ら考えることを放棄してしまうこと

この二つは絶対に避けてください。