ある管理組合へプレゼンテーションに伺った時のことです。

見積書に対して質問を受けました。

理事長さんから「うちのマンションは調査診断がすでに終わっているから、お宅の見積もりから調査診断費用を抜いて良いですか?」とたずねられました。

「良いですよ」と言い掛け、「報告書を確認して使える部分の費用は差し引きます。」とご返事しました。

さて、何とか受注して、調査診断報告書を拝見したのですが・・・

報告書の目次を見ると

調査概要
用語解説
打診調査
調査劣化図
タイル付着強度
塗装付着強度
コンクリート中性化
塗装付着力試験結果
シーリング物性試験
劣化写真集

一通りの報告書に体制にはなっていますが、その中身を見ると

総合評価
各部位の評価
劣化数量表
劣化予想数量表
概算工事費という項目がありません。

つまり、このマンションの劣化状況はどのくらいで
各部位ごとの劣化状況、修繕の必要性がまったくわかりません。
また、調査した部分にどのくらいの量の劣化、つまりタイルが浮いていて割れていて、建物にどのくらいのひび割れ、欠損があって、建物全体ではどれくらいの量になるのかがまったくわからないのです。

さらに言えば、この建物を修繕するのにどれくらいの費用が掛かるのかがまったくわかりません。

調査診断はこの報告書に記載されていないことを知りたいがために行います。

見せて頂いた報告書では、私たちが言う調査診断報告書からはほど遠いので、報告書の形態はとりませんが、劣化数量を知るための再調査が必要になります。ちなみにこの程度の報告書であれば、施工会社や塗装メーカーが無料で作成してくれます。どちらのメーカーにお願いされましたか?と理事長、修繕委員長にお尋ねしました。

お二人は顔を見合わせ「そんな馬鹿な。○○会社に80万円でお願いしました。」

○○は入れることができません。