昨日の続きです。工事ミスを起こし多大な迷惑を掛けた施工会社名を聞いてびっくりです。

準大手の総合建設会社が工事を行ったそうです。

今回の大規模修繕工事もその建設会社に「応募をしないのか?」管理組合が問い合わせをしたところ「いまは忙しくて出来ません」と断られたと嘆いていました。

総合建設業の会社は仕事が無くなると、大きい会社のネームバリューで大型マンションの大規模修繕工事を受注します。(専門部署を設けている会社は違いますが)

しかし、社内にそのノウハウがないため、問題工事の予知が出来なくこのような問題がたびたび起きます。

この現場では、ウレタン床防水が密着していなかったり、前回の不十分な補修工事が発覚したりと散々です。

前回の工事の不手際は管理組合に廻ってきます。

補修費用は管理組合負担です。

前工事の施工会社が工事ミスを認め補修費用を負担することはまずありえません。

「工事後10年以上経過しているので、瑕疵担保期間も過ぎているし、保証も切れている」というのが施工会社の主張です。

ただし、この現場は工事が終わってから1年も経たないうちに塗装がはがれてきたとも言われています。

大規模修繕工事は新築中心の建設会社から見れば、仕上げ工事だけなので簡単に見えるのかもしれません。

しかしながら、大規模修繕工事は甘い世界ではないのです。

大規模修繕工事が出来れば新築工事は出来ますが、新築工事は出来ても大規模修繕工事は出来ません。

設計も一緒で、新築工事の設計は誰でも出来ますが、大規模修繕工事は経験が物を言います。

工事が終わってから1年もしないうちに塗装がはがれてきても、何も手を打てなかった設計事務所もどうかしています。

契約に「瑕疵が発生したら無償ですぐに直す」ということを明確にうたっていれば、組合に負担を掛けずに直せましたが、今となってはどうにもなりません。

こんなところにノウハウの蓄積が生きてきます。

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