築30年を越えて突然機械式駐車場の入れ替えを管理会社から進言されるケース

築18年目で車離れが進み機械式駐車場の利用率が定数の半分になってしまったケース

このようなケースを考えると将来、停める車がなくても満車時と変わらない維持費が掛かる機械式駐車場をあらたに整備する必要があるのか?と思います。機械式駐車場の入れ替えは将来の駐車場の利用需要も含め慎重に進めなくてはなりません。

「徐々に駐者台数が減るのだから、そのときにならないとわからない。とりあえず用意しておけばよい」と思われるかも知れませんが、「居住者の車離れ」はある時期を境に急激に進みますし、一度入れた駐車場の維持費は利用料があって支払いが出来るものです。

駐車場の利用希望が多いときには各戸1台までとしていた利用台数も駐車場の空きが目立つようになると2台目、3台目の利用を募集するようになります。

ほんの5年前まで駐車場の空き待ちが十数件あったのに、現在は駐車台数の1割以上が空いてしまった組合もあります。

この利用率の急激な低下の原因はいくつか考えられます。

居住者の年齢構成がほぼ横並びであり、同時期に免許の返上をおこなった組合員が相当数いたこと

賃貸を含め居住者の入れ替わりが比較的少なく、年々居住者が高齢化してしまう

2台目の駐車場を使っていた子供が就職、結婚で独立しマンションからいなくなってしまった

さらに、若年世代の給与所得が伸びず、車を所有しなくなり、駐車場の需要がなくなっている

こんな原因が考えられます。

将来の駐車場の需要はその家庭それぞれで異なるためなかなか予測できません。

高齢による免許の返上や家族構成の変化が原因としてある場合は需要回復はほとんど望めません。

将来の需要予測は組合員と居住者にたいして5年後、10年後、15年後の駐車場利用に対するアンケートを行い、予想する方法がよいかと思います。

たとえば私の父は現在80歳ですが77歳で免許を返上しました。75歳のときに5年後駐車場の利用について問われれば、「利用しない」と回答していました。

ご主人が免許を返上しても奥様やお子様が車を利用する家庭では5年後「駐車場を利用する」と回答すると思います。