どうすれば、適切に施工会社選定ができるか?

セミナーでも質疑が出たいろいろと難しい問題です。

質疑をかいつまんでお話すると質問者は管理組合の役員さんです。

大手の設計事務所と調査診断設計監理業務を契約したが、施工会社選定の段階で組合推薦として2社の施工会社を工事見積りに加えるように設計事務所に要望したが、設計事務所からは見積もりに参加させることを拒否された。拒否の理由を聞いたが組合としては納得できない。不信感が募り設計契約を解除した。

さらに設計事務所が施工会社選定において何かを画策しているように感じたが、実際そのようなことはあるのか?というご質問でした。

施工会社の選定の場面で起きる疑問です。

設計事務所の施工会社を選定する流れや組合推薦の施工会社を拒否した部分の詳細な事情がわかりませんのでそこは推察となりますが、設計事務所が拒否をした理由にはいくつかあると思います。

・組合推薦の施工会社の会社概要が設計事務所が見積を出そうとしている施工会社のそれとあまりにもかけ離れている。

・ 過去に管理組合が推薦した施工会社のが他物件で管理組合に迷惑が掛かった。

・ 過去に管理組合が推薦する施工会社の工事の技術的なレベルが許容できないくらい低かった。

・ 経営状態があまりに悪い

・ 実績等の申告内容が事実と違う

推薦された会社にこのような問題点があれば管理組合さんに事情をご説明し、推薦を取り下げて頂きます。将来つまり工事の品質とアフターフォローに遺恨が残るからです。

このような事実がなく説明も無いのに組合推薦の施工会社を見積もりから外すことはありえない・・・・

というのが一般的な答えですが、その前に気になったのは、見積を依頼する業者の選定基準を組合と設計事務所の間で一本化していないのか?ということです。そもそも書類審査は同じ基準で行わないと公平性、透明性に欠けた選定になってしまいます。

まずはどんな会社に工事をお願いしたいのか?

書類選考基準を決めることが大切ではないかと思います。

また、公募等で施工会社を広く募集しなかったのかも疑問です。

管理組合推薦があるということは、施工会社推薦や管理会社推薦もあったのでしょうか?
いろいろな基準で推薦を受け付けることがトラブルの最大の原因です。

私の場合、このようなトラブルを避けるためにも、新聞公募の条件を定めこれ1本で募集を行うことが多々あります。

「管理組合も管理会社も区分所有者も推薦したい会社があれば、いくつの会社でも公募に応募してください。」と伝えます。

全社、同一条件で機械的に審査し一覧表を作りかんたんなコメントを添えて、理事、修繕委員に選んで頂きます。

また、誰がどの会社を推薦したかも聞きません。教えたいといわれても一切聞きたくありません。公平性が保てなくなるからです。