大規模修繕工事を請け負った管理組合と協力施工会社との受注金額に差がある。

インターネットが発達する前はそんなことは関係者が口をつぐめば、管理組合が知る芳もないことでした。

しかし、現在ではインターネットの検索技術に長けた人がいれば、管理会社からの実績と施工会社の実績、受注金額の照会で差額が分かってしまいます。

なんとも恐ろしい世の中です。

昔は管理会社が大規模修繕工事を請け負うことも含めてすべて管理会社にお任せするので良かったのでしょうが、昨今は情報交換と検索が比較が容易に出来るので、管理会社が自社の業務分を割増しをして大規模修繕工事を受注することは難しくなってきています。

管理会社は単純にピンハネをしているわけではなく、正当な報酬を受け取っているのですが、その額が設計事務所にその業務を委託した場合よりも高額になるのであれば、設計事務所への委託も視野に入れるということです。

管理会社にとって設計事務所が商売敵になっているということです。15年以上前は大規模修繕に設計事務所を入れることは稀で、10ほど前から設計監理方式が一般化しました。その前は大規模修繕工事といえば管理会社の独壇場でした。

設計事務所を途中から入れることになると管理会社の傘下の設計事務所を推薦したり、各設計事務所から出揃った設計監理の見積り金額を傘下の設計事務所に教えて、それより安い設計見積を出させることもあると管理組合の理事さんや修繕委員さんから聞いています。

ところが最近では管理会社が設計事務所の見積比較一覧を作成して「一番安い設計事務所にしましょう」と理事会と修繕委員会に持ち掛けますが組合側は承知しません。

中には「高い見積りの設計事務所を選定してしまうと組合員から理由を聞かれても管理会社としては答弁できません」と言うケースもあるとか。

こんな場合に備えて、理事会、修繕委員会は設計監理を行う設計事務所を選ぶ際には会社案内と設計費の見積の徴収だけではなくヒヤリングも行い、高くても選定した理由を組合員に明確に説明できるようにしてください。