私がこの業務を行うようになって,12年ほど経ちますが、この間に建築を取り巻く環境は大きく変わりました。

12年前の2003年頃からしばらくは、建築業界は不況であり、特に新築工事は少なく、多くの建設会社、設計事務所が倒産、閉鎖されるという状況でした。

この時の工事費は100戸以上のマンションであれば、1戸あたり100万円を大きく切っていました。

例えば 220戸 屋上防水、外壁塗装、バルコニー防水で16,300万円 1戸当たり74万円でした。

この頃は、それまでマンション大規模修繕工事には、参入してこなかった、ゼネコン(総合建設業)まで、マンション大規模修繕工事に参入し、激烈なコスト競争が繰り広げられていました。

例えば、305戸のマンションの屋上防水、外壁塗装、バルコニー防水で17,640万円 1戸あたり60万円を切るという物件もありました。

設計事務所の予想工事金額は、25,200万円で1戸あたり83万円ですから、その75%の工事費しかないため、通常であれば、低価格を理由に失格とすべきところですが、見積を出した会社がスーパーゼネコンであったため、管理組合は、低価格であっても納得していました。

ところが、ここ数年、景気の回復とともに、新築工事が増え、それに連れ、ゼネコンは大規模修繕から撤退を始めました。

大規模修繕の工事費も新築工事が忙しくなるに従い、大きく上昇しています。

100戸以上の物件で1戸あたり120万円ほど掛かります。

50戸未満の建物ですと、1戸あたり150万円を超えてしまうこともあります。

最近、長期修繕計画を作成したり、見直した物件ですと作成時との差は小さいのですが、十年前前の工事費が底値の時にで長期修繕計画書を作成、見直したたままの管理組合は、早急に再度見直しをお願いします。