新国立競技場の混乱の一因にデザインと設計二つの似た言葉の解釈の違いがあると思います。

つまり、デザインに工事費の制約を含むか含まないか?

デザインに含まれないのなら、設計には、工事費の制約を含むのか?

今回のデザインというのは、外観と内部のイメージを示すだけなのか?

その場合、イメージを決めたとして、工事を行なうための設計と切り離して考えることが可能なのか?

今回、最大の難所となったキールアーチのような、構造体の建設問題は誰が考えるのか?

デザインを行なったデザイナーを監修設計者として決めて、建物を作るための実施設計者と共同作業を行なうときにコストコントロールはどうするのか?

色々と難しい問題があります。

本来、それらを統合して考え、多くの人の協力を取り付けて、ベストの答えを出すのが、建築家と呼ばれる人の仕事です。

丹下健三が前回の東京オリンピックのときに設計した代々木屋内競技場を思い浮かべていただければ、イメージできると思います。