最近、杭の施工不良によってマンションが傾いた事件の原因のひとつが「青田買い」にあると言われています。

しかしながら、建物が建つ前に、カタログとモデルハウスでマンションを販売する方式は、30年以上前から一般的な販売方法でした。

つまり、青田買いによって工期が狭められ、そのために、杭の施工不良が発生したと説明するのは、それだけでは不充分だと思います。

私は、ここ20年間で、建築業界に発生した大きな変化が原因と考えています。

その大きな変化とは、景気後退による仕事量の激減、建築業界の衰退

建築業界からの人材流失、さらに人手不足だと思います。

建築という仕事は、製造業のなかでも特殊です。

ほとんどの物件は、敷地の形状に合わせて建てられるために、単品生産です。

機械化が困難な仕事が多く、大きな建設会社であっても、現場監督の力量が品質に大きく関わってきます。

良い現場監督になるためには、多くの経験を積むことが求められます。

景気が後退すると、建物の建替えは行われません。

新人が経験を積むだけの新築工事の現場がないために、人材が育たない。

こんな状態が20年以上続いていました。