多くのマンションで修繕積立金が不足している実態があるにもかかわらず、実は8割以上の分譲マンションには、長期修繕計画書が整備されています。

しかしながら、将来的に分譲マンションの8割近くが修繕積立金不足に陥ると予想されています。

修繕積立金の額は基本的に長期修繕計画書から算出されることになっていますが、このような現実を前に、現在管理組合に整備されている長期修繕計画書が本当に正しく機能しているのか?といえば、「甚だ疑わしい」というのが正直な本音です。

実は、私も管理組合に大規模修繕の工事予算を算出すると、必ずと言って良いのですが、マンション分譲時の長期修繕計画書に想定された工事をはるかに上回り、理事、修繕委員の皆様からその説明を求められます。

その長期修繕計画書を拝見しても、まったくと言ってよいほど、想定されている工事に対して、内容、仕様、工事数量、工事単価の記載はなく、建築工事から設備工事、電気工事、外構工事までが、A3版1枚に詰め込まれています。

各工事項目を見ても、経費の項目が無かったり、共通仮設費が無かったり、不充分なものが少なくありません。

まして、大規模修繕工事費が、小規模マンションであっても1戸あたり100万円程度しか想定されていません。

はっきり言えば、比較の仕様がありません。作成された方に説明していただかない限り、既存の長期修繕計画の工事予算と私の工事予算書の差の説明はつきません。

初めから、工事費が不足することが明らかな長期修繕計画書です。
そのような長期修繕計画書なら、いっそ無いほうが良いと思いませんか?

既存の長期修繕計画書を廃止するにしても、それに変わる「正しい長期修繕計画書」がないと、差し替えることもできません。