そろそろ、来春の大規模修繕工事の施工会社選定に入る時期です。

施工会社選定で良く出る質問で「設計事務所は、管理組合が選んだ会社はどんな会社であっても適切に工事できますか?」というものです。

この答えは、大変難しいです。

建前上はYesですが、本音はNoです。

マンション大規模修繕工事の経験がほとんどない会社けれど、やる気があって工事金額が他社よりもかなり安い会社を選びたいというのが、このケースです。

そもそも、設計事務所の工事監理は、施工会社に工事を一から十まで指導するものではありません。

設計通りに工事を行っていることを検査、確認することです。

「どのように工事を行えばよいのか?」を教えるものではありません。

施工のノウハウと検査は全く異なりますので、設計事務所は粛々と工事の仕様に従って検査をするだけで、仕様通りにできていないもの、出来の悪い工事には、手直しをお願いするだけです。

それによって、工期が遅れることまで責任はとれません。

むしろ、工期を守るために中途半端や仕様通りにできていない工事を合格とすることは、管理組合から委託された業務を誠実に実行したことになりません。

何年か後に不良工事が行われた場所は、形となって現れてきます。

大規模修繕工事は「安物買いの銭失い」という言葉どおり、安くて良い工事はありません。

「安物買いの銭失い」を防ぐ方法は、複数の会社の工事金額だけではなく、工事単価も含めて比較検討し、安全な範囲の中で安い会社と契約するしかありません。
また、工事単価は建物形状、規模、受注状況によって頻繁に上下するので、「安全な範囲」は、その物件ごとに異なります。