A.失敗しない大規模修繕工事を行う為にコンサルタント業務を設計事務所に委託する。又
設計事務所の選定に際し公平性と透明性を確保して、組合員の合意を得る為の資料も同時に作成する。

この中の「失敗しない大規模修繕とは何か?」という事が問題です。

マンションの大規模修繕工事の特殊性として、工事が成功したのか失敗したのかというのは、工事完了直後はなかなかわかりません。どのような設計者にコンサルを依頼して、施工会社が工事を行っても、竣工直後は新築の建物と見間違うばかりに綺麗になります。その時は、大成功と皆様感じるはずです。

極端な話をすれば、大規模修繕工事の竣工後10年経たないうちに建物の傷みが激しくなってきて、修繕工事が必要となり、失敗だったと感じた組合員の方が、次回の大規模修繕工事を設計監理方式にし、竣工後12年経っても劣化が少なく、次回の大規模修繕を15年後にしても大丈夫という事に確信が持てて、やっと良い設計事務所に巡り合え、今回の大規模修繕は大成功だったと感じたと言われても、まさにその通りなのです。

皆様が設計事務所に修繕積立金からコンサルフィーを支払って、コンサルを依頼し、今回の大規模修繕で何を達成したいのか?また、どんな事は避けたいのか?といったことを少し深く掘り下げてください。