通常、管理組合の皆様は分譲時の長期修繕計画書が正しく根拠のあるもので、よもや、根拠が怪しく間違ったものではないとして、毎月修繕積立金を貯めています。

にもかかわらず、大規模修繕工事の実施を決める管理組合の総会議案書に長期修繕計画書をはるかに上回る工事予算が計上されており、工事を行ったら積立金が全く無くくなったり、場合によっては積立金では足りず、多額の借入れを行う事になっていたり・・・議案書を見た組合員のショックは計り知れないものがあります。

もしや設計事務所に騙されているのでは?と心配になる気持ちも良くわかります。

自分たちの長期修繕計画書が正しいのかどうか不安になって他の設計事務所やコンサル、大規模修繕に関わる団体に相談しても、長期修繕計画書の根拠が無ければ、新に作成するだけの費用を掛けないと本当の意味で長期修繕計画書の正確性の判断や見直しはできません。

つまり、本当の意味での長期修繕計画の見直しとは、工事金額を算出する根拠として適切な工事項目、工事数量、工事単価、工事仕様が明示されていて、次回の見直し時に第三者が工事金額を容易に作り直すことが出来る資料をそろえるという事です。

無料相談や無料確認ということを行っている団体もありますが、もしも、無料相談に行っても、「工事金額の根拠が明確ではないので工事内訳書を揃えてください」と言われ続けて「揃えるのはこれ位の費用が掛かります。」と言われると思います。

長期修繕計画書は修繕積立金の基礎となる大切な資料ですから、管理組合が費用を掛けて責任を持ち整備するしか方法しか、作成と見直しの方法はありません。

もしも、実際の工事金額と長期修繕計画書上の工事金額に大きな差が出ても、分譲時の長期修繕計画書や無料やごく少額で行った長期修繕計画書の見直しでは充分な根拠に乏しいものが多く、理事会は工事費の差を説明することが出来ません。

基本的に長期修繕計画は管理会社がサービスや低額で作成したり見直しをするものではなく、管理組合が責任を持って経験のあるコンサルや設計事務所に費用を掛けて作成依頼をして、作り見直しをするのが基本と考えてください。

又、長期修繕計画書の作成後には必要な資料を受け取り、説明を受けて組合員にも説明会を開いてもらい資料を手元に置くようにしてください。