長期修繕計画書見直しの説明会で良くある光景ですが、組合員から修繕積立金の見直しが必要な場合でもその根拠となる「将来の修繕工事費のエビデンス」を示せと言われることがあります。

最初のうちはエビデンスって何だ?と思いました。

後で調べて分かったのですが、エビデンスとは、証拠・根拠のことです。

一部の組合員さんからは、

「20年先の工事費はもっと安くできる工法が出て来て下がるのではないか?」

「ポンプや機械類の工事費は見積を取ればもっと安くなるのではないか?」

「給水管の配管材料をステンレスではなく、現状の塩ビライニング鋼管で充分ではないか?」

という意見が出ます。

長期修繕計画書の見直しの目的は将来修繕積立金の大幅な不足に陥り建物、設備の維持に支障をきたしたり、多額の修繕一時金を集めることが無いように修繕積立金の額を適正化するために行っています。

現在考えられる修繕方法、材料で工事した時の工事金額を確保して将来の修繕資金計画の原資を確保することが目的ですから、細かな工事方法、工事材料、工事金額の細かな正確性を追及する必要はないかと思います。

このようなお話をすると、先ほど意見を出した組合員さんからは、「エビデンスも示せないようないい加減な長期修繕計画では修繕積立金の値上げは認められない」と大声で主張されます。

結局、この方達は積立金の値上げに反対なのかもしれません。

理事会のメンバーの中には、大声の反対意見に気分を害されて憤慨される方もいますし、逆に反対意見に弱気になる方もいます。

しかし、最終的にほとんどの管理組合では、組合員さんは、理事会の修繕積立金の適正化案に理解を示してくれます。