2008年といえば、今から13年前ですが、大きな経済的な衝撃があったことを皆様覚えているでしょうか?

それは、リーマンショックです。

建設業界は、ディベロッパーが銀行から融資を受けることが出来なくなったため、大型プロジェクトが次々と破綻し、その影響を受けた建設会社や設計事務所の倒産が相次ぎました。

もちろん、マンション大規模修繕工事への影響も少なくありませんでした。

ひとつは、破綻の影響を受けたゼネコンの多くが、これまで実績のないマンション大規模修繕工事に相次ぎ参入し始めたのです。

とにかく、仕事が無くなり、どんな工事でも受注を受注しないと会社が倒産するため、ダンピング受注も相次ぎました。

そのため、大規模修繕工事費は大きく下がり、結果として、新規参入したゼネコン自身も含め、その後長らく建設業界全体が苦しむことになります。

マンション大規模修繕工事の多くは、複数の施工会社に見積を依頼して、決定する競争受注となっていますので、ダンピングした施工会社が出した危険な安値がマンション大規模修繕工事の相場となってしまいます。

「大手の建設会社がこの金額でやると言っているのに何が問題かあるのか?」という理事会も少なくありませんでした。

今ではすっかりあり得ない工事金額である「マンション大規模修繕の工事費が1戸あたり100万円」といわれていたのは、この頃です。

工事費が下がったのだから組合は助かったかと言えば、ノウハウのないゼネコンが行った工事であるため、不良工事も発生しました。

更にそのゼネコンがダンピング受注のため、利益を上げることが出来ず、経営破綻してしまい、保証期間内であっても不良工事へ対応してもらえないという悲劇も発生しました。

又、管理組合の多くは、その時の大規模修繕工事費を基準として、長期修繕計画書の見直しをしています。基準となった工事費が超安値です。

リーマンショックから13年経った今日、多くのマンションは再び大規模修繕の時期を迎えています。

準備している工事の資金はリーマンショック後のダンピング時期の超安値の工事費しか用意が出来ていません。

5年ごとに長期修繕計画書の見直しをしていれば良いのですが、大規模修繕工事から1度の見直しをしていないマンションは深刻な工事費不足になっています。