先日ある管理組合の方から給水管の延命工法についてご質問を受けました。

地下鉄である工法の広告を見たそうです。

長期修繕計画書の中で給水管の工事費が計上されており、その工事費を削減できないか検討されているそうです。

その工法を採用すると給水管を交換する工事費の1/5程度で出来るとのことです。

しかしながら設計事務所としては、一般的でない工法をアテにするのは、お勧めできません。

インターネットでその工法について調べてみますと、肯定的な意見より否定的な意見が多く見られました。

設計事務所としては、「その延命工法について実績もありませんので、当方からお勧めする事はできません」とお答えしました。

先方は「設計事務所の意見としてまとめて送って欲しい」と要望されましたが、その工法で営業されている会社がある以上、そのようなことはできません。ご自分で判断して頂ければと思います。

それ以上に大切なことは、長期修繕計画書に計上する工事に用いる工法は、一般的な工法で予算取りをしないと、後々資金が大きく不足し兼ねません。

この例の様に「給水管を交換する工事費の1/5程度の費用」しか、長期修繕計画書に計上されていないと、その工法が諸般の事情で採用できない場合に4/5程度の資金不足に陥ります。

そもそもこの工法の採用を総会議案に取り上げられ、審議される時にインターネットでその工法について調べる人は必ずいると思います。

その時に肯定的な意見より否定的な意見が多く見られる工法での改修案を総会に通すことは大変難しいと感じます。

マンションの様に個人の所有物ではなく、複数の方の共有財産にリスクのある工法を採用する事は「危険」なこととかんがえるべきではないでしょうか?