修繕積立金の適正額はマンションによって千差万別です。

300円台というマンションがある一方、中には、見直し後の積立額が百円台前半で済むというマンションもあります。

その金額差のあるマンションの違いは何かと言えば、大きな違いのひとつは駐車場料金の取り扱い方の違いです。

修繕積立金が低くても済むマンションは、敷地内の居住者駐車場の恩恵を最大限に受けれる様に考えています。

ほとんどのマンションでは、駐車場料金を管理費会計に入れていると思います。

しかし、修繕積立金が低くても済むマンションのほとんどでは、新に「駐車場会計」を作り、そこに駐車料金を一旦プールし駐車場の補修費用、駐車場の除雪費用を賄い、剰余金を修繕衝立金に移管し組み入れています。

駐車場料金を管理費会計に入れてしまうと、管理費が潤沢にあるように見えてしまい、どうしてもいろいろな所に管理費を使ってしまいます。お金があるのだからと支出の無駄の見直しも進みません。

管理費も駐車料金が加わるのですから一見安く済んでいるように見えます。

しかしながら、マンション竣工直後から10年くらいは、除雪費以外に駐車場関係の支出は少ないので、別会計にすると駐車料金のほとんどを積立金会計に移管することが出来ます。

例えば、駐車料金が1台1万円で10年間で120万円 そこから除雪費を引いても年間百万円近くの駐車料金が駐車台数分積立金会計に貯まっていきます。

修繕積立金が仮に月1万円だとしても、駐車料金の大部分を合わせた金額が毎月、修繕積立金として貯まって行くのですから、修繕積立金を低く抑えることが出来ます。

また、そのために駐車料金は居住者の車が周囲の駐車場に流失しないように周囲の相場から若干安いくらいの高額を維持しています。

たまに駐車料金を「みんなの為に」という耳障りの良い理由で月3千円から5千円と格安に抑えている組合もありますが、これをやると別会計としてもお金は貯まりません。

更に言えば、このようなマンションの駐車場にはロードヒーティング設備はありません。

ロードヒーティング設備は確かにじょせつの必要が無い為、とても便利な設備ですが、何といってもお金が掛かります。

熱源となるボイラ−は10数年に一度交換するために多額のイニシャルコストが必要になります。

燃料のランニングコストの負担が大変も大きく、両方で駐車料金の大半が消費されてしまうほどの高価な設備です。

果たして、分譲マンションに必要不可欠で経済的な設備かと言えば疑問が残ります。

中には、金食い虫と言う人もいます。

同じ理由で機械式駐車場も金食い虫です。

1台あたり300万円の駐車設備を30年間で入れ替える必要があり、それだけで月1万円の駐車料金としても30年間の駐車料金の大半が消えてしまいます。

そのためロードヒーティング設備と機械式駐車場の両方があるマンションは、敷地内の居住者駐車場の恩恵をほとんど受けることができません。

これらについては、大規模修繕と長期修繕計画にある程度精通している人は、多くが気が付いていることです。

しかし、このような方式を取ることが、自分の利益にならない人、あるいは不利益となる人は知っていてもアドバイスはしてくれません。

あくまでの組合員が自分たちで考え、行動しないと本当に有益な情報は手に入りませんし、実行する事もできません。