私は現在札幌で働いておりますが、前職で8年ほど首都圏でマンション大規模修繕工事の設計監理を行っておりました。

その前は札幌で同じ仕事をしていました。札幌から首都圏に進出しました。

首都圏で一番驚いたのは、マンション大規模修繕工事の建物調査診断費、設計監理費の安さです。

そのため、なかなか受注ができませんでした。

ある時に、2棟350戸のマンションの調査診断・設計監理の新聞公募がありました。

札幌でいえば、1,000万円超の費用が掛かる規模の物件です。

しかし、受注のためには、赤字ギリギリで見積を作り、営業とも相談し最終的には社長の了解を得て清水の舞台から飛び降りる覚悟で600万円の見積を出して、ヒヤリングに臨みました。

その場で組合から衝撃の質問がありました。

「なぜ、お宅だけ見積が他社の倍位高いの?」

一瞬、何を言っているかわからず、「そんなに私たちの見積が安いですか?」と聞いてしまいました。

「いや、ほかの会社は300万〜400万だよ」とさらに驚きの言葉・・・・

私は「私たちもギリギリの見積で出しています。そんな金額では、ちゃんとした仕事はできないです」と答えました。

後日、なぜか管理組合から業務依頼の連絡が来ました。

契約前の打合せで、選定の理由を聞いたところ、「プレゼンの内容が一番よかった。費用は前回の大規模修繕工事の設計監理と変わらない。他社の見積は前回の半値で、これは何か裏があると感じたので、お宅を選んだ」とのことでした。

それでも、最高値への会社への発注に反対する修繕委員がいて「他社の見積に少しでも近づけてほしい」との要望がありましたが、委員長はきっぱりとその場で「変に値引いてもらって手を抜かれても困るから、組合として値引き要望はしません」で無事契約となりました。

現在はわかりませんが、その当時は「コンサル費用は安ければ、安いほど良い」と考える管理組合も少なくなかった様です。

安いコンサル費用で選ばれたコンサルが、「足りないと思われるコンサル費用を何で埋めるか」を想像すると、ちょっと怖いです。

金額のみを判断の基準とする管理組合にも原因の一端はあるのかと思いました。