どのような仕事も基本的に「顧客の求めるものを提供する」ことが顧客満足度向上のポイントとなります。

そのためには、「あなたの顧客とはどのような人か?」「あなたに何を求めているのか?」に焦点を合わせ、真摯に向き合う必要があります。

マンション大規模修繕工事の施工会社の場合、顧客が求めるものとは、「安全で品質の高い工事」を「できるだけ低価格で」提供してもらうことです。

その上、マンション大規模修繕工事は常に顧客の目の前で工事をしなくてはならないという条件が付きます。

最近はここに「不快な思いをしたくない」=「快適性も担保して欲しい」という項目が追加された気がします。

しかし、大規模修繕工事に、騒音、臭い、振動はつきもので、一切出さないということは不可能です。

ここでいう「快適性」とは、「できる限り、今までの日常生活を乱さない範囲で工事の影響を抑えて工事をして欲しい」と言うことです。

普段の日常生活の質が低下することをできるだけ抑える。

現場監督は居住者に対して工事とは矛盾する「快適性」を提供できなくてはなりません。

例えば、工事中の駐車場です。

大規模修繕工事では、建物の周りに仮設足場を架けなくてはなりませんが、そうすると建物に近接した駐車場が仮設足場と干渉して使えなくなります。

その時には、施工会社はマンションの近くに代替え駐車場を用意して移動してもらうことになります。

昔は理事や修繕委員がマンションの近くの空き地や駐車場を代替え駐車場として用意してくれることもありましたが、今はそれも基本的に施工会社の仕事になりました。

車の移動についても昔は工事説明会の前に、理事や修繕委員が移動対象者に一声掛けてくれましたが、今は移動の対象となるお車の持ち主に対して現場監督が直接交渉しています。

ほとんどの場合、移動対象となってしまった方は快く施工会社が用意した代替え駐車場に移動してくれますが、すぐ近くに代替駐車場を用意できなかった場合に「もっと近くじゃないと移動したくない」「絶対移動しない」という方も出てきます。

又、代替駐車場に移動していただけたとしても工事が2か月を超えたあたりから「自分の車だけが移動するのは不公平ではないか」と感じ始め、「いつになったら戻れるのか」「これ以上我慢できない」と現場監督にクレームを入れます。

優れた現場監督は工事契約の直後に遅くとも工事説明会までに多少お金が掛かってもマンションの出来るだけ近くの駐車場を代替駐車場として押さえてしまいます。

更に優れた現場監督は「まず理事長さんや修繕委員長さんから移動対象者に一声お願いしてください」と依頼します。この一言があるだけで自分たちの交渉がどれだけスムーズに行くかがわかっているからです。

それに対して、あまりよろしくない現場監督は工事説明会の時までに代替駐車場を用意できません。
工事説明会でも「代替駐車場が決まり次第、お知らせします」と説明します。

自分の車が移動することになっている居住者の方は、工事説明会に参加しても、移動先がわからず移動日だけ知らされ、とても不安だと思います。

そんな「不安を感じさせない段取り力」「どうすればスムーズに物事が進むかを考える力」も現場監督に求められる能力です。

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